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ロードローラー

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ロードローラー

ロードローラー (road roller) は、建設現場で、地面をローラーで圧し固める建設機械の鉄輪ローラの総称である。

スムーズローラー (smooth roller) とも。文脈によっては単にローラー (roller) とも。日本の官公庁などでは、締固め用機械(しめがためようきかい)と呼ばれる。

主に、道路基礎の建設時に、土壌コンクリートアスファルトなどを圧し固めるのに使われる。

機能・用途

重量が重く、接地面積の大きな車輪を持ち、その重量によって路面一面に圧力をかけながら走行し、軟らかい地面を固める。形態により、マカダム式・タンデム式・タイヤ式・ハンドガイド式・コンバイン式に分類され、各々が異なる特性を持ち、使用目的も若干異なる。

分類

マカダム式

マカダム式ローラー

車輪(鉄輪)を三輪車形に配置している締め固め機械。19世紀初頭のスコットランドの技術者ジョン・ロウドン・マカダム(John Loudon McAdam)が考案した舗装用道路(マカダム式舗装、砕石舗装)に使用したことでこの名がついた。主に路床・路盤およびアスファルト舗装の締固めなどに使用され、平坦な仕上げが可能とされている。三輪式のみ存在する。動力伝達方式は機械式と油圧式。駆動方式は片輪・両輪がある。

工事現場で最も見かけることの多いロードローラーである。

タンデム式

タンデム式ローラー

車輪(鉄輪)を前後に一輪ずつ串形に配置した締固め機械。二軸式と三軸式がある。アスファルト舗装の表層仕上げに適した形となっている。動力伝達方式は機械式と油圧式。駆動方式は片輪・両輪がある。

タイヤ式

タイヤ式ローラー

3 - 4個の空気入りタイヤを左右一列に配置した車軸を前後に置き、機械の重量を利用して静的圧力をかけ、タイヤの特性を生かした締固めを効果的に行う締固め機械。一般的には『タイヤローラー』とも呼ばれる。盛土路床および路盤の二次転圧、アスファルト舗装の表層仕上げに適している。動力伝達方式は機械式と油圧式。駆動方式は片輪がある。

ハンドガイド式

ハンドガイド式ローラー

別名振動ローラーともいい、自動車として運転する方式ではなく、手で押す方式の締固め機械。機械の自重のほかに、鉄輪や機体に起振装置を取り付け、それによって生じる起振力で締固めの効果をあげようとする。二軸式のみ存在する。砂利や砂など粘性の小さい材料に適しており、振動力により最も深い層まで締め固めることができるので、締固め力が高く、作業通過回数を抑えられる。動力伝達方式は機械式と油圧式。駆動方式は片輪・両輪がある。

コンバインド式

一方に締固め輪としての鉄輪(振動輪も含む)を持ち、他方にタイヤを左右一列に配置した車軸を持つ締固め機械。鉄輪とタイヤの両方を備えているため、一次転圧から二次転圧、仕上げ転圧まで幅広く適用できる。前後輪への散水装置に加えて、タイヤへのアスファルト混合物等の付着防止のために、アスファルト付着防止剤噴霧装置を具備する。前後輪が駆動輪で前輪(鉄輪)のみに振動機構を装備している。

馬牽ロードローラー

1800年ごろ使用されていた馬牽ロードローラー

中世から近代に入ると道路整備の必要性からロードローラーが使用されるようになった。当時の道路は馬車用の道で、ロードローラーも馬が牽引していた。歴史的には長く17世紀後半からスチームローラーが発明されてからもかなり近代まで使用されていた。 また、同様の物を人力で牽くこともあり現代でもグラウンド整備などで使用されている。人力で牽引するものは日本ではコンダラという渾名で呼ばれている。

スチームローラー

スチームローラー

蒸気機関で動くロードローラーをスチームローラーまたは蒸気ローラー (steamroller, steam roller) という。かつてはロードローラーはが曳いていたが、蒸気機関の発明により、スチームローラーが現れた。

イギリスでは1970年代まで使われており、今でも口語的に、動力にかかわらず大型のロードローラーをスチームローラーと呼ぶことがある。

また、陸戦において圧倒的な物量と人員で強引に戦線全体を押しつぶすが如く行う攻撃(特に第二次世界大戦時のソ連軍に見られた)がスチームローラーと呼ばれた。

操作に必要な資格

※この節は日本国法に基づく。

道路交通法においてロードローラーは大型特殊自動車に分類されるため、運転免許としては大型特殊免許が必要となる。またこのほかに、ロードローラーを操作する作業に従事するには、締固め用機械運転者の資格が必須条件となる。この資格は重量無制限であるため、どのようなロードローラーでも操作可能である。

メーカー 、販売会社

日本で現在製造、販売している会社


日本で過去に製造、販売していたメーカー、会社

  • 加藤製作所 昭和40年頃まで製造。
  • 石川島播磨重工 現在のIHIが、シメーザと提携して製造。
  • 渡辺機械工業 のちにダイナパック渡辺→ダイナパック建機となるが、現在は終了している。
  • 旭建機
  • 古河機械金属 関東鉄工が製造し、OEM供給を受ける。また一時期ボーマクの販売権を持ち、販売していた。
  • 三菱重工 
  • ラサ工業
  • 北越工業(AIRMAN) 一時期、古河機械金属と同様、ボーマクの製品を販売。

ほか

関連項目