レモンの花咲くところ
『レモンの花咲くところ』(レモンのはなさくところ、独: Wo die Zitronen blühen)作品364は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲したウィンナ・ワルツである。
「Zitronen」はドイツ語でレモンを意味し、レモンの近縁種シトロンを指すものではない(シトロンは「Zitronatzitrone」)。しかし、原題の綴りを重視してか「シトロンの花咲くところ」と呼ばれることも多い。また、「ところ」が「国」とされる場合もある。
概要
オペレッタ『こうもり』の初演から1ヶ月後である1874年5月、ヨハン・シュトラウス2世はJ.ランゲンバッハ楽団とともにイタリア王国への演奏旅行に出かけた。当時イタリアでは反ハプスブルク感情が高まっていたが、シュトラウスはミラノをはじめとする各都市で大歓迎を受けた[1]。旅の途上のトリノのレージョ劇場においてシュトラウスは、新作のワルツ『ベラ・イタリア』(美しきイタリアの意)を初演した[1]。
ウィーンへ帰還した後、シュトラウスはこの『ベラ・イタリア』を『レモンの花咲くところ』と改題した[1]。この曲名は、ゲーテの教養小説『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』に収められている「君よ知るや南の国、レモンの花咲き……」の詩に由来している[1]。
ニューイヤーコンサート
ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートへの登場は以下の通りである。
- 1951年 - クレメンス・クラウス指揮
- 1960年 - ヴィリー・ボスコフスキー指揮
- 1965年 - ヴィリー・ボスコフスキー指揮
- 1972年 - ヴィリー・ボスコフスキー指揮
- 1983年 - ロリン・マゼール指揮
- 1988年 - クラウディオ・アバド指揮
- 1993年 - リッカルド・ムーティ指揮
- 2007年 - ズービン・メータ指揮
- 2013年 - フランツ・ウェルザー=メスト指揮
出典
参考文献
- 加藤雅彦『ウィンナ・ワルツ ハプスブルク帝国の遺産』日本放送出版協会〈NHKブックス〉、2003年12月20日。ISBN 4-14-001985-9。
- 若宮由美「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート 2013 ヨーゼフ・シュトラウスのためのニューイヤーコンサート 曲目解説」から〈シトロンの花咲く国〉。
外部リンク
映像外部リンク | |
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ワルツ『レモンの花咲くところ』(シュトゥットガルト州立管弦楽団演奏、de:Wilma Lipp歌唱。1951年に録音されたものであり、著作隣接権の保護期間は満了している。) |