レモンの花咲くところ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Quark Logo (会話 | 投稿記録) による 2016年3月18日 (金) 03:46個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎参考文献)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

レモンの花咲くところ』(レモンのはなさくところ、: Wo die Zitronen blühen)作品364は、ヨハン・シュトラウス2世が作曲したウィンナ・ワルツである。

「Zitronen」はドイツ語でレモンを意味し、レモンの近縁種シトロンを指すものではない(シトロンは「Zitronatzitrone」)。しかし、原題の綴りを重視してか「シトロンの花咲くところ」と呼ばれることも多い。また、「ところ」が「国」とされる場合もある。

概要

イタリア半島は古来レモンの栽培が盛んな地である。

オペレッタ『こうもり』の初演から1ヶ月後である1874年5月、ヨハン・シュトラウス2世はJ.ランゲンバッハ楽団とともにイタリア王国への演奏旅行に出かけた。当時イタリアでは反ハプスブルク感情が高まっていたが、シュトラウスはミラノをはじめとする各都市で大歓迎を受けた[1]。旅の途上のトリノレージョ劇場においてシュトラウスは、新作のワルツ『ベラ・イタリア』(美しきイタリアの意)を初演した[1]

ウィーンへ帰還した後、シュトラウスはこの『ベラ・イタリア』を『レモンの花咲くところ』と改題した[1]。この曲名は、ゲーテの教養小説『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』に収められている「君よ知るや南の国、レモンの花咲き……」の詩に由来している[1]

ニューイヤーコンサート

ウィーンフィル・ニューイヤーコンサートへの登場は以下の通りである。

出典

  1. ^ a b c d 加藤(2003) p.192

参考文献

  • 加藤雅彦『ウィンナ・ワルツ ハプスブルク帝国の遺産』日本放送出版協会NHKブックス〉、2003年12月20日。ISBN 4-14-001985-9 
  • 若宮由美「ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート 2013 ヨーゼフ・シュトラウスのためのニューイヤーコンサート 曲目解説」から〈シトロンの花咲く国〉。

外部リンク

映像外部リンク
ワルツ『レモンの花咲くところ』シュトゥットガルト州立管弦楽団演奏、de:Wilma Lipp歌唱。1951年に録音されたものであり、著作隣接権の保護期間は満了している。)