リアルタイム4WD

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リアルタイムAWD、またはリアルタイム4WDは、本田技研工業が開発したスタンバイ式四輪駆動である。

歴史

初代(ビスカスカップリング式)

1986年、それまで機械式パートタイム四輪駆動を採用していた初代シビックシャトルリアルタイム4WDが搭載された。旧来はボタン操作によって二輪駆動と四輪駆動を切り替えていたものを、後輪へ駆動力を伝えるプロペラシャフトビスカスカップリングを配すことにより、前後輪の回転差により自動的に切り替えられるようにしたもの。前後輪の回転差が過大な時に発生するタイトコーナーブレーキング現象には、ビスカスカップリングが回転差を吸収し、回避出来るようにした。

1988年に発表された初代コンチェルトには、新たにINTRACを搭載。後輪のディファレンシャルギアの代わりにビスカスカップリングを左右2個配し、前輪及び左右後輪の駆動力配分と差動制限とを行い、ビスカスカップリングとプロペラシャフトとの間にアンチロック・ブレーキ・システム(ABS)と連動して作動するドグクラッチを配し、当時の技術では難しかったスタンバイ式4WDと4輪ABSとを両立した。

2代目(デュアルポンプ式)

1993年に発表された2代目インテグラ(4ドア)に初めて搭載された。前輪側と後輪側との二つの油圧ポンプと、その油圧で作動するクラッチとで構成され、前輪側の回転数が上回った時に油圧を発生させ、クラッチがつながることにより後輪側へ駆動力が伝わる構造である。その構造上、前後輪に回転差がない状態ではFFとなるが、凍結路面などの極低摩擦係数の環境では、前輪の空転後にやや遅れて唐突に後輪へ駆動力が伝達された。

2003年に発表された3代目オデッセイから搭載されたものには、カム機構が追加され、駆動力伝達の初期レスポンスが向上し、上記の欠点が改善されている。

3代目(電子制御式)

2011年、4代目CR-Vに初搭載。これ以降はシリーズ名称が「リアルタイムAWD」となり、その中でデュアルポンプ式のものと区別するために“インテリジェント・コントロール・システム”の別称が付与されている。それまでポンプの継続した駆動によって油圧を発生させていたものを、クラッチが接続されたらポンプを停止し、油圧の保持によって駆動伝達を維持する封入式油圧制御を採用した。これによって機構の小型化が行われ、従来のデュアルポンプ式から15%の軽量化を達成している。

関連項目

外部リンク