ヤブニッケイ

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ヤブニッケイ
ヤブニッケイ
分類APG III
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: クスノキ目 Laurales
: クスノキ科 Lauraceae
: クスノキ属 Cinnamomum
: ヤブニッケイ C. tenuifolium
学名
Cinnamomum tenuifolium
(Makino) Sugim. ex H.Hara
シノニム

Cinnamomum pedunculatum Nees
Cinnamomum japonicum Siebold ex Nakai
Cinnamomum yabunikkei H.Ohba
Cinnamomum insularimontanum auct. non Hayata 

和名
ヤブニッケイ(藪肉桂)、マツラニッケイ、クスタブ、クロダモ
英名
Japanese Cinnamon

ヤブニッケイ(藪肉桂、学名: Cinnamomum tenuifolium[1])とは、クスノキ科クスノキ属植物の一種。別名ウスバヤブニッケイナンジャモドキ

特徴

常緑高木だが、さほど背が高くはならず、せいぜい15mといわれる。樹皮は灰黒色で滑らか。

はほぼ対生につくが、ややずれていたり、互生に見えるものもあり、亜対生と言われる。葉身は楕円形で艶が強く、さほど厚くはないが、革質でごわごわしており、何となく波打っていることが多い。深緑色で、表面にはつやが強く、はっきりとした三行脈が白っぽく透けて見える。葉の形等に変異が多く、分類は複雑である。沖縄ではシバニッケイマルバニッケイとの雑種らしいものが知られている。

花期は6月頃で、色は淡黄緑色。果実は黒っぽく熟す。

分布・生育環境など

日本本州福島県以南)、四国九州沖縄中国に分布する。

乾燥に強く、海岸近くから低地森林によく見かける。シイ林やタブ林の二次林の構成種として重要である。なお、似たような環境に生育するもので、よく似たものにシロダモがある。ヤブニッケイの別名にクロダモがあり、それと対比させたものと思われる。

利用

材は庭木建築材器具材として使われる。

種子からは香油を取ることができる。また、根皮などに香気があるがニッケイよりは劣る。

脚注

  1. ^ 米倉浩司; 梶田忠 (2003-). “「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)”. 2011年7月4日閲覧。

参考文献

  • 茂木透写真『樹に咲く花 離弁花1』高橋秀男・勝山輝男監修(改訂第3版)、山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑〉、2003年、398頁。ISBN 4-635-07003-4 

関連項目

外部リンク