ヤセウツボ

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ヤセウツボ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ゴマノハグサ目 Scrophulariales
: ハマウツボ科 Orobanchaceae
: ハマウツボ属 Orobanche
: ヤセウツボ O. minor
学名
Orobanche minor
James Edward Smith
和名
ヤセウツボ
英名
Common broomrape

ヤセウツボ痩靫学名: Orobanche minor)はハマウツボ科ハマウツボ属に分類される寄生植物の一種。地中海沿岸原産で、日本には外来種として定着している。

分布[編集]

地中海沿岸を原産地とする[1]

ヨーロッパ原産。ヨーロッパ、アフリカアジア(日本を含む)、オセアニア、南北アメリカに広く移入分布する[2]

特徴[編集]

シロツメクサに寄生したヤセウツボの芽
黄色い花
果実

一年生草本葉緑素をもたないため全体的に褐色で、15 - 50 cmほどの高さまで生長する。4 - 6月に12 mm程度の大きさの唇形花を咲かせる。花の色は黄色の他、赤褐色、黄褐色、紫色などのものもある。

マメ科キク科などの植物に寄生し、とくにシロツメクサなどが群生しているところでみられる[1]

特に使途もない、どちらかといえば害草の部類だが、筑波大学の研究でアルツハイマー病の治療や予防に利用の可能性が提示されている[3]

外来種問題[編集]

日本では、明治期以降に牧草として輸入されたシロツメクサやムラサキツメクサに紛れ込んで導入されたと考えられる[1]1937年千葉県で初めて確認され、現在では本州四国と全域に定着している[2]

牧草や農作物に寄生した場合、生長を阻害させてしまう[1]

外来生物法により要注意外来生物に指定されている。

参考文献[編集]

  1. ^ a b c d 多紀保彦(監修) 財団法人自然環境研究センター(編著)『決定版 日本の外来生物』平凡社、2008年4月21日。ISBN 978-4-582-54241-7 
  2. ^ a b ヤセウツボ 国立環境研究所 侵入生物DB
  3. ^ 寄生植物の成分がアルツハイマーの原因物質を抑制する 財経新聞]

 

外部リンク[編集]