ベレー帽
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/9/9d/Netsurf11_-_Rodin.jpg/220px-Netsurf11_-_Rodin.jpg)
ベレー帽(ベレーぼう、フランス語: béret)とは、ウールフェルト(当初はウール)製の、軟らかく、丸くて平らな、鍔や縁のない帽子である。向かって右側(着用者本人から見て左側)を立てる場合が多いが、一部の国などでは反対側や正面を立てる場合もある。制服の一部(≒制帽)として着用する場合、立てた側にベレーバッジと呼ばれる帽章を取り付けることが多い。被り方は、ベレーを制帽として制定している機関組織により異なる。
由来と普及
元々はスペインのバスク地方で民族衣装の一部として使われていたものであったが、第二次世界大戦頃から軍隊に普及し始め、現代では世界各国の軍隊において広く用いられている。
また、画家などの芸術家にも愛用されてきた歴史がある。
手塚治虫や藤子・F・不二雄などの人気漫画家達がベレー帽を自らのトレードマークとし、日本の漫画家の間でベレー帽が流行した時期があった、という記述もある[1]。
軍隊では、所属や階級等を表す徽章(ベレーバッジ)を付けることが一般的である。また、所属機関・部隊等によって差別のため帽体生地の色を変えている場合もある。
アメリカ陸軍では当初は、特殊(緑)・第75レンジャー連隊(黒)・空挺(栗色)の各部隊に所属する将兵にのみ着用を認め(つまり特殊技能者、エリートの証明。ベレー姿の場合、靴は革靴ではなくブーツ着用を義務付けられた)、一般軍人の略帽としてはギャリソンキャップを採用することが多かったが、次第にベレー帽が主流となった。2001年に時の参謀総長エリック・シンセキによって一般部隊にも導入が命じられたのだが、将兵達からは「両手でないと被れない」と不評で、2011年からは迷彩のパトロールキャップに改められている。
特にバンクロフト社の製品が各国で採用されている事で有名。アメリカ空軍は水色のベレーが略帽。陸上自衛隊でも1992年に略帽としてベレー帽を採用した。 また軍隊だけでなく、日本のボーイスカウトでは制帽として採用されている。
生地色
一つの国の軍隊であっても、部隊の種類によって生地の色が異なることが多く、例えば、米国陸軍の場合、現在は緑(特殊部隊)、タン(レンジャー部隊)、栗色(空挺部隊)のように分類されている。
他方、陸上自衛隊では、国連に派遣した部隊を除き、全ての部隊において濃緑色のみが用いられている(国際連合平和維持活動参加部隊は所属国、組織を問わず国連色・空色で統一。)。
ギャラリー
-
第2次大戦中にベレー帽を愛用した英国のモントゴメリー子爵
-
国連平和維持活動参加部隊であることを示すベレーを着用するオーストラリア兵。
-
統一のベレーを着用した国連平和維持活動参加部隊。インド部隊のシーク教徒だけ例外的にターバン
-
黒ベレー姿のヘンリー・シェルトン・アメリカ陸軍大将。常装と共に用いている。1997年、アメリカ特殊作戦軍司令官当時。
-
アメリカ陸軍特殊部隊グリーンベレー(ベレーが部隊の通称となっている例)
-
ベレーを着用するフランス海兵隊兵士
-
ベレー(略帽)を着用する陸上自衛官
-
ベレーを着用するイスラエル国防軍兵士
-
ベレーを着用するフィンランド陸軍将官
-
ベレーを着用するフランス陸軍士官。フランス軍やスペイン軍は徽章を右、ベレーを左に垂らして被る。
-
ベレーを着用し分列行進をするメキシコ陸軍兵士
-
ベレーを着用し整列するモンゴル陸軍兵士
-
ベレーを着用するマレーシア空軍特殊部隊(PASKAU)隊員
ベレー帽姿で記憶される著名人
- 手塚治虫
- 藤子・F・不二雄
- 中平康
- 寺内大吉
- バーナード・モントゴメリー(軍服の一部)
- チェ・ゲバラ(軍服の一部)
- サッダーム・フセイン(軍服の一部)
- 大久保清
- 渡部陽一
脚注
関連項目
- 軍服
- 制服
- 制帽
- ガーディアン・エンジェルス(赤いベレー帽がトレードマーク)
- グリーンベレー