ブリティッシュ・チャンピオンズシリーズ
ブリティッシュ・チャンピオンズシリーズ(British Champions Series)は、イギリスの競馬統括団体ブリティッシュ・ホースレーシング・オーソリティー(BHA)が主催する、競馬のシリーズである。
概要
2011年に創設されたシリーズで、スプリント(短距離)、マイル、ミドルディスタンス(中距離)、ロングディスタンス(長距離)、フィリーズ&メアズ(牝馬)の5つのカテゴリーごとに7戦、合計35戦の対象競走で構成されている。4月の2000ギニーを皮切りに、10月のアスコット開催まで、約半年にわたるシリーズとなる。
最終日はブリティッシュ・チャンピオンズデーと称され、全カテゴリーの最終戦が行われる、ブリーダーズカップやドバイミーティングのイギリス版ともいうべき、競馬の祭典を目指したものになっている。賞金総額は最終戦5競走のすべてが前年比で大幅に増額され[1]、その合計は300万ポンドと、当時のイギリスの競馬史上最も高額の賞金が設定された。
各カテゴリーの競走馬、騎手、調教師の計7部門でランキングが集計されている。このうち騎手と調教師は対象レースの勝利数(同数の場合は2着の数、2着も同数の場合は3着の数)で決まるが、競走馬は出走レースで発揮したパフォーマンスに対して与えられた公式レイティングによって順位が決まっている。たとえ1勝のみでも卓越したレース内容であれば、2勝以上している出走馬を抑えてトップに立つことも十分にありうる。また、レース選択と成績次第では、複数のカテゴリーでランクインすることも可能である。
2014年度の拡充
2014年度の「チャンピオンズデー」は1か所から2か所に拡大し、初日をニューマーケット競馬場で「ドバイフューチャーチャンピオンズデー」、2日目はアスコット競馬場で「QIPCOチャンピオンズデー」として開催し、2日間で合計6つのG1を賞金総額450万ポンドをかけて争う。これは「ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズステークス」が2013年度からチャンピオンステークスやクイーンエリザベス2世ステークスと同格になるようにG1に昇格することに伴うものである。
「ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズステークス」はG1昇格を機に、カタールの投資会社であるQIPCOからの特別協賛を取り付け、35万ポンドの賞金が追加、賞金総額50万ポンドをかけたものとしてリニューアルするほか、ニューマーケットでも「デューハーストステークス」「ミドルパークステークス」に続き「フィリーズマイル」(2歳牝馬限定G1)もチャンピオンズデーの公式プログラムに加える。[2]
歴史
- 2011年
- 本シリーズ創設。初代スポンサーはカタールの王族サーニー家が所有する投資会社QIPCOで、契約期間は2年[3]。
- シリーズ創設にともない、チャンピオンステークスがニューマーケットからアスコットに、フィリーズマイルがアスコットからニューマーケットに、それぞれ開催地を変更。
- 前年まで行われていた競走を基に、以下の3競走を新設。
- ダイアデムステークス → ブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークス
- ジョッキークラブカップ → ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップ
- プライドステークス → ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズステークス
- クイーンエリザベス2世ステークスには「ブリティッシュ・チャンピオンズ・マイル」、チャンピオンステークスには「ブリティッシュ・チャンピオンズ・ミドルディスタンス」が副題として付与される。
対象競走
スプリント
競走名 | 格付 | 開催地 | 施行距離 |
---|---|---|---|
キングズスタンドステークス | G1 | アスコット | 5ハロン |
コモンウェルスカップ | G1 | アスコット | 6ハロン |
プラチナジュビリーステークス | G1 | アスコット | 6ハロン |
ジュライカップ | G1 | ニューマーケット | 6ハロン |
ナンソープステークス | G1 | ヨーク | 5ハロン |
スプリントカップ | G1 | ヘイドックパーク | 6ハロン |
ブリティッシュ・チャンピオンズ・スプリントステークス | G1[4] | アスコット | 6ハロン |
マイル
競走名 | 格付 | 開催地 | 施行距離 |
---|---|---|---|
2000ギニーステークス | G1 | ニューマーケット | 8ハロン |
ロッキンジステークス | G1 | ニューベリー | 8ハロン |
クイーンアンステークス | G1 | アスコット | 8ハロン |
セントジェームズパレスステークス | G1 | アスコット | 8ハロン |
サセックスステークス | G1 | グッドウッド | 8ハロン |
サンチャリオットステークス | G1 | ニューマーケット | 8ハロン |
クイーンエリザベス2世ステークス | G1 | アスコット | 8ハロン |
ミドルディスタンス
競走名 | 格付 | 開催地 | 施行距離 |
---|---|---|---|
コロネーションカップ | G1 | エプソム | 12ハロン |
ダービーステークス | G1 | エプソム | 12ハロン |
プリンスオブウェールズステークス | G1 | アスコット | 10ハロン |
エクリプスステークス | G1 | サンダウン | 10ハロン |
キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス | G1 | アスコット | 12ハロン |
インターナショナルステークス | G1 | ヨーク | 10ハロン |
チャンピオンステークス | G1 | アスコット | 10ハロン |
ロングディスタンス
競走名 | 格付 | 開催地 | 施行距離 |
---|---|---|---|
ヨークシャーカップ | G2 | ヨーク | 14ハロン |
ゴールドカップ | G1 | アスコット | 20ハロン |
グッドウッドカップ | G1[5] | グッドウッド | 16ハロン |
ロンズデールカップ | G2 | ヨーク | 16ハロン |
ドンカスターカップ | G2 | ドンカスター | 18ハロン |
セントレジャーステークス | G1 | ドンカスター | 14.5ハロン |
ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップ | G2 | アスコット | 16ハロン |
フィリーズ&メアズ
競走名 | 格付 | 開催地 | 施行距離 |
---|---|---|---|
1000ギニーステークス | G1 | ニューマーケット | 8ハロン |
オークスステークス | G1 | エプソム | 12ハロン |
コロネーションステークス | G1 | アスコット | 8ハロン |
ファルマスステークス | G1 | ニューマーケット | 8ハロン |
ナッソーステークス | G1 | グッドウッド | 10ハロン |
ヨークシャーオークス | G1 | ヨーク | 12ハロン |
ブリティッシュ・チャンピオンズ・フィリーズ&メアズステークス | G1 | アスコット | 12ハロン |
脚注
出典
脚注
- ^ チャンピオンステークスが約37万ポンド[1]から130万ポンド、クイーンエリザベス2世ステークスが約26万ポンド[2]から100万ポンド、ブリティッシュ・チャンピオンズ・ロングディスタンスカップが約6万ポンド[3]から20万ポンド、残る2レースが約9万ポンド[4]、約11万ポンド[5]からそれぞれ25万ポンドへと増額されている。
- ^ チャンピオンズデー、2014年に大きく改編予定(イギリス)【開催・運営】(公財)ジャパンスタッドブックインターナショナル 2013年4月20日 同11月27日閲覧)
- ^ Qatar investment firm new Guineas sponsor
- ^ ヨーロッパ短距離競走の競馬番組を補強(欧州)【開催・運営】–ジャパン・スタッドブック・インターナショナル、2015年1月3日閲覧
- ^ European Pattern Committee announces changes to the 2017 European Programme / 01 Feb 17britishhorseracing.com、2017年2月2日閲覧
関連項目
外部リンク
- QIPCO British Champions Series - シリーズ公式ホームページ
- British Horseracing Authority (BHA) - ブリティッシュ・ホースレーシング・オーソリティー公式ホームページ