フアンホ・ガルニド
フアンホ・ガルニド Juanjo Guarnido | |
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2012年、ニューヨーク・コミコンにて。 | |
生誕 |
1967年1月1日[1] スペイン、サロブレーニャ[1] |
国籍 | スペイン |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 2000年 - |
ジャンル | ハードボイルド、ファンタジー |
代表作 | 『ブラックサッド』 |
受賞 | 本文参照 |
フアンホ・ガルニド(Juanjo Guarnido, 1967年1月1日 - )は、スペインの漫画家、イラストレーター、元アニメーターである。彼の作品の多くはフランスから出版されており、中でもデビュー作である『ブラックサッド』が有名である。以前はフアーノ・ガルニドと表記されていたが、スペイン語の発音に忠実なフアンホに改められた。
来歴
[編集]グラナダ大学美術学部で絵画を学んだ後、地元出版社が刊行するマーベル・コミックの漫画において作画を手掛けるかたわら、同人誌でのコラボレーションに参加していた[2][3]。1990年にマドリードに移り住み、テレビアニメの制作に3年間携わる。この時、後に漫画でパートナーを組むことになるフアン・ディアス・カナレスと出会う。1993年にフランスに移り住み、モントルイユ[要曖昧さ回避]にあるディズニーのアニメーションスタジオに務める。彼がアニメーターとして携わった仕事としては、『ノートルダムの鐘』の背景、『ヘラクレス』のハデスのアニメーション、『ターザン』のヒョウのサボーとターザンの父親の作画がある[4]。
ディズニーを去った後、彼は再びカナレスと出会い、マドリードで出会った時から企画していた漫画シリーズ『ブラックサッド』の制作に取り掛かる。2000年、シリーズ第1作となる『影のどこかに』をフランスの出版社ダルゴーより出版、成功を収める。また、2004年には第2作『極北の国』で、アングレーム国際漫画祭において読者賞と最優秀作画賞をそれぞれ受賞する[5]。その後も2006年に開かれた同漫画祭にて最優秀シリーズ賞を受賞。2013年に第4作『地獄と沈黙』がアイズナー賞の最優秀国際作品に選ばれ、自身も最優秀画家/マルチメディア・アーティスト賞を受賞するなど、高い評価を得ている[6]。
漫画家以外の活動としては、スウェーデンのハードロックバンド、フリーク・キッチンのアルバム『Cooking with Pagans』(2014年)において、ジャケットのアートワークを担当した他、同アルバムに収録されている『Freak of the Week』のミュージックビデオを手掛けている。ちなみにこのミュージックビデオの製作資金はクラウドファンディングサイト・Kickstarterで支援を呼びかけて集めた寄付金で賄われている[7]。
作品の特徴
[編集]代表作である『ブラックサッド』は、1950年代のアメリカを舞台にしたハードボイルド調のサスペンス作品であり、登場人物は全て、限りなく人間に近い姿で擬人化された動物なのが特徴である。また、各コマの絵は写実的な水彩画で描かれており、作品の持ち味となっている。
作品
[編集]シリーズ
[編集]- ブラックサッド (Blacksad、フアン・ディアス・カナレス作、2000年-2013年、全5巻)
- 魔法 (Sorcelleries、テレサ・ヴァレーロ作、2008年-2012年、全3巻)
- おばあちゃんたちのバレエ (Le Ballet des mémés、2008年)
- 光のお祭り (Que la lumière soit fête!、2008年)
- 遊びはおしまい (Les Jeux sont fées、2012年)
その他
[編集]- 時の旅人(Voyageur、エリック・スタルネルとピエール・ボワスリー作、ジャン=ジャック・シャニョーとマルク・ブルニュらとの作画、2007年-2011年、全13巻)
※ガルニドは同作全巻の表紙イラストと第13巻でのシナリオ・作画を担当。
受賞歴
[編集]- 2004年 - アングレーム国際漫画祭 読者賞および最優秀作画賞:ブラックサッド第2巻『極北の国』
- 2005年 - ハーベイ賞 最優秀グラフィックアルバム(オリジナル)賞:ブラックサッド第2巻『極北の国』
- 2006年 - アングレーム国際漫画祭 最優秀シリーズ賞:ブラックサッド シリーズ
- 2011年 - アイズナー賞 最優秀画家/マルチメディア・アーティスト賞
- 2011年 - ハーベイ賞 最優秀海外漫画賞:ブラックサッド シリーズ
- 2013年 - アイズナー賞 最優秀国際作品賞および最優秀画家/マルチメディア・アーティスト賞:ブラックサッド第4巻『地獄と沈黙』
- 2013年 - ハーベイ賞 最優秀海外漫画賞:ブラックサッド第4巻『地獄と沈黙』
- 2015年 - アイズナー賞 最優秀国際作品賞:ブラックサッド第5巻『アマリロ』[9]
- 2015年 - ハーベイ賞 最優秀海外漫画賞:ブラックサッド第5巻『アマリロ』[10]
日本での出版
[編集]- ブラックサッド シリーズ(大西愛子訳、飛鳥新社)
- 『ブラックサッド 黒猫探偵』(2014年11月[11]、ISBN 486410378X)
- 『ブラックサッド 極北の国』(2015年4月[11]、ISBN 4864104077)
- 『ブラックサッド 赤い魂』(2013年10月、ISBN 4864102848)
- 『ブラックサッド 地獄と沈黙』(2014年4月、ISBN 4864103240)
- 『ブラックサッド アマリロ』(2016年4月、ISBN 4864104891)
脚注
[編集]- ^ a b Guarnido, JuanjoNorma editorial
- ^ Biografía de Juan Díaz Canales | Juanjo GuarnidoComparte Libros
- ^ Juanjo GuarnidoLambiek Comiclopedia
- ^ フアン・ディアス・カナレス、フアンホ・ガルニド『ブラックサッド 黒猫探偵』巻末折り返し。
- ^ 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』128頁。
- ^ 2010-Present | Comic-Con International: San Diego
- ^ 元ディズニーのアニメーター×北欧メタル! Juanjo Guarnido監督が2Dアニメーション愛を込めたFreak KitchenのMV「Freak of the Week」white-screen.jp(2014年11月17日)
- ^ a b 漫画誌『ユーロマンガ』(飛鳥新社)の第1巻・第2巻に『赤い魂』、第5巻・第6巻に『地獄と沈黙』が掲載されている。
- ^ Eisner Awards Current Info | Comic-Con International
- ^ The 2015 Harvey Award WinnersTech Times(2015年9月26日)
- ^ a b 2005年に早川書房より刊行された「ブラックサッド 黒猫の男」「ブラックサッド 凍える少女」を改題して出版しているため、3巻・4巻よりも出版の日付が後になっている。
参考文献
[編集]- フアン・ディアス・カナレス、フアンホ・ガルニド『ブラックサッド 黒猫探偵』大西愛子訳、飛鳥新社、2014年
- 『はじめての人のためのバンド・デシネ徹底ガイド』玄光社、2013年
- ブラックサッド 紹介ページeuromanga.jp
外部リンク
[編集]- Guarnido, JuanjoBD Gest'
- Juanjo GuarnidoLambiek Comiclopedia
- フアンホ・ガルニド - IMDb