デスマスク
デスマスク(英語:death mask)は、死の直後、石膏や蝋で死者の顔の型を取ったものをいう。
概要
デスマスクは、そうして死者の思い出として保存されたり、あるいは肖像画を描くための資料として用いられたりするものである。時にはデスマスクの上にそのまま着色して肖像とすることもないわけではない。刑死した死刑囚のデスマスクも残されている。
17世紀には、個人の彫像の一部としてデスマスクを使い、それを告別式に飾ったりするというのは、ごく一般的に広まっていた。18世紀から19世紀を通して、こうしたものが身元の確認のため遺体の特徴を明らかにする手段としても用いられるようになる。のちにこの役割は徐々に写真に取って代わられるようになったが、骨相学、民俗学、あるいは考古学では、今日でもデスマスクはもちろん、存命中の人のライフマスクの製作も科学的、擬似科学的な用途で用いられている。遺跡などから発掘された頭蓋骨をもとに製作される場合には、マスクというよりは、頭部の全体が人種的特徴などを確認するために復元されることが多い。
また犯罪などで白骨化した身元不明の死体の調査の中で、頭蓋骨から被害者についての情報提供を求めるために生前の顔つきをこうした手法で復元することも行われている。
デスマスクが製作された著名人
- アドルフ・ヒトラー
- ナポレオン・ボナパルト[1]
- 小林多喜二 - 翻訳家で小林と親交があった千田是也が製作した[2]。現在、小樽文学館に展示。
- 森鴎外 - 鴎外記念本郷図書館(観潮楼跡)に展示。
- 犬養毅 - 大阪書籍の『中学歴史』教科書に写真が掲載されている。