キバナアキギリ

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キバナアキギリ
キバナアキギリ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: シソ目 Lamiales
: シソ科 Lamiaceae
: アキギリ属 Salvia
: キバナアキギリ S. nipponica
学名
Salvia nipponica Miq. (1865)[1][2]
和名
キバナアキギリ

キバナアキギリ(黄花秋桐[3]学名: Salvia nipponica)は、シソ科アキギリ属に分類される多年生、草本の植物。別名はコトジソウ[1]

分布・生育地[編集]

本州四国九州の山沿いの平地から山地まで広く分布する[3]。丘陵や山麓、谷間などの木陰にまばらに、あるいは集団を作って生える[2][3]

形態・生態[編集]

多年生草本[3]。数本の太いが生えている[3]は四角形の断面で、その根本はやや横に這うことが多く、高さ 20 - 50センチメートル (cm) になる[2][3]。茎や花序にはシナノアキギリ (S. koyamae Makino) と異なり腺毛がない[2]

は茎に対生し、葉柄は長く、葉身は長さ 5 - 10 cmの三角状鉾形で、基部が横に張り出す[2][3]

開花期は 8 - 9 月[3]。枝の端につく花穂は 10 - 20 cm の長さとなり、黄色の唇形の花をつけ、花冠は長さ 2.5 - 3.5 cm になる[2][3]雄蕊は 2本で不完全(不稔)葯でつながる[2]。花筒の雄蕊にはもぐりこんだ昆虫の背に花粉を付ける構造がある[2]

利用[編集]

4 - 6月ごろの若芽を食用とする[3]。若芽は塩ひとつまみほど入れた湯で茹でて、ごまクルミピーナッツなどの和え物煮びたしにする[3]。生のまま天ぷらや汁の実にも利用できる[3]

近縁種[編集]

中部地方から近畿地方にかけて、紫色の花をつけるアキギリ(学名: Salvia glabrescens)もある[3]

脚注[編集]

  1. ^ a b 米倉浩司・梶田忠 (2003-). “Salvia nipponica Miq. キバナアキギリ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年4月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h 『日本の野生植物』 (1999)、p.80
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m 高橋秀男監修 2003, p. 140.
  4. ^ Flora of China

参考文献[編集]

  • 佐竹義輔大井次三郎北村四郎 他『日本の野生植物 草本III合弁花』平凡社、1999年。ISBN 4-582-53503-8 
  • 高橋秀男監修 田中つとむ・松原渓著『日本の山菜』学習研究社〈フィールドベスト図鑑13〉、2003年4月1日、140頁。ISBN 4-05-401881-5 

外部リンク[編集]