ガンビア川

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宇宙から見たガンビア川西部。線はガンビア国境を示す。
流域図

ガンビア川(ガンビアがわ、Gambia River)は、アフリカ西部を流れる河川である。下流部分の半分以上とその両岸からなる、ガンビアでこの川はよく知られている。

地理

ギニア北部のフータ・ジャロン高原から西に向かいバンジュール市の大西洋まで1130キロメートル(700マイル)を流れる。そのうちの約半分ほどが渡航可能である。フータジャロンから北西に、セネガルタンバクンダ州、ニョコロ=コバ国立公園Nieri KoKoulountouと続きガンビアのFatotoに流れる。ここから西へ流れるが、いくつもの三日月湖を通りながらコースをくねらせ、河口から100キロメートルほどのところから徐々に川幅が広がり、海へ流れる頃には10キロメートルを超える。

ジュフレ近くの河口付近に奴隷貿易に使われた場所で現在国際連合教育科学文化機関世界遺産として登録されているクンタ・キンテ島が、内陸部にジャンジャンブレア島がある。

ガンビア川の運んでくる砂はガンビアの重要な輸出品であるが、砂の過剰採掘により河床が下がってきている。そのため満潮時に海水が逆流して農耕地に流れ込むようになっている[1]

小説『ルーツ』でのガンビア川

アフリカ系アメリカ人の作家、アレックス・ヘイリーが発表した小説[注釈 1]ルーツ英語版』は、彼自身のアメリカの家族史をアフリカまで辿る物語である。そこではガンビア川が一つの手がかりとして登場する。

小説によると、ヘイリーは一族のルーツを辿るにつき、彼の一族が世代から世代へと伝えていった言葉の一つである「カンビ・ボロンゴ (Kamby Bolongo)」に目を付けた。彼は「ボロンゴ」がマンディンカ語で「動く水」または「川」という意味であると突き止め、その言葉がガンビア川を意味するのではと予測する。彼がガンビア川北岸のジュフレを訪れたとき、マンディンカ語にはgの音素がなく、川の名前を「ガンビア」ではなく「カンビヤ」と発音する一族の語り部によって彼の理論はついに証明される。

小説が後にテレビドラマ化され(記事「ルーツ (テレビドラマ)」を参照)、人気を博すと、ガンビアへ探求の旅を楽しむ旅行者が増えるなどアフリカ系アメリカ人社会へ大きく影響を及ぼした。

脚注

注釈

  1. ^ この小説は自伝的作品ではあるが、一部に創作された内容も含まれている。

出典

  1. ^ 石弘之著『砂戦争』(KADOKAWA、2020年)

参考文献

外部リンク