オープンフィンガーグローブ

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掌まで空いている、総合格闘技用オープンフィンガーグローブ

オープンフィンガーグローブ(Open-fingered gloves )は、指が露出したグローブ総合格闘技や各種スポーツでも使用されている(#そのほか)。

歴史

1927年東京帝国大学唐手研究会が剣道籠手をベースにして製作し、防具付き空手の発祥となったものが原型である[1]。この時は同時に以外の胴体を保護するものも合わせて製作された[1]1945年以降、韓武舘錬心舘錬武舘などに引き継がれ、1967年には極真会館も発表しており、これらの団体はオープンフィンガーグローブのみではなく、全身の防具の一つとして製作されている[2][3][4]1977年にはアントニオ猪木チャック・ウェプナーとの試合で佐山聡が試作していたオープンフィンガーグロープを使用。佐山はシューティングを創始した際に、「打・投・極」がスムーズに行えるように早くからオープンフィンガーグローブを採用し、ほとんどの総合格闘技で採用されている。

オープンフィンガーグローブは手を被う部分が限定的であるため、価格はボクシンググローブに比べ割安となっている。また製作の際には市販の手袋生産のノウハウが流用できるため、生産しているメーカーもボクシンググローブより幅広い。オープンフィンガーグローブと呼ばれるなかでも、とくに修斗で使われだしたオープンフィンガーグローブのことを、シュートグローブと呼ぶことがある。

フィクションでは1973年カンフー映画燃えよドラゴン』でブルース・リーサモ・ハン・キンポーが着用して擬斗をしている。

難点としてはボクシンググローブと比較すると露出している指を痛めやすく、故意もしくは不注意によりサミングが頻発する点が挙げられる。実際、総合格闘技の試合ではオープンフィンガーグローブ越しのサミングで試合がストップになる事例も数多く見られる。

メーカー

そのほか

指抜きグローブ

ゴルフ自転車競技等のスポーツで通常のグローブ同様、グリップ力の上昇や手の保護の為に用いられる。指先が空いているため厚手であっても指先の感覚が鈍くなることはない。

一方で四輪のモータースポーツにおいては、手袋に火傷対策の意味もあるため、オープンフィンガーグローブの使用は明確に禁止されているのが一般的である。二輪、ATV、ゴーカート、スノーモービル、水上バイクのモータースポーツにおいても手袋に受傷防止対策の意味もあるため、オープンフィンガーグローブの使用は明確に禁止されているのが一般的である。

女性用のパーティーなどの礼装用「ドレスグローブ」と呼ばれるものにも、このオープンフィンガータイプ(指の部分だけ露出するもの、あるいは手首だけ露出するサポーター風のもの)が実在する。

脚注

  1. ^ a b 儀間真謹藤原稜三『対談・近代空手道の歴史を語る』ベースボール・マガジン社、1986年10月、147頁。ISBN 4583026064 
  2. ^ 「全日本空手選手権大会の構想進行中」『近代カラテ』第12巻第14号、1967年6月。 
  3. ^ 大山倍達『ダイナミック空手』日貿出版、1967年。 NCID BA66358869 
  4. ^ 大山倍達「第八章」『100万人の空手』東都書房、1969年。 NCID BA66250705。"これが新しい空手だ"。