エリアイ (レーダー)
スウェーデン空軍のサーブS100B | |
種別 | 3次元レーダー (フェーズドアレイレーダー) |
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目的 | 対空捜索用 |
開発・運用史 | |
開発国 | スウェーデン |
就役年 | 1996年 |
送信機 | |
周波数 | Sバンド |
アンテナ | |
形式 | アクティブ・フェーズドアレイ (AESA) |
直径・寸法 | 全長8 m×幅0.6 m |
アンテナ利得 | 36.5 dBi |
ビーム幅 | 幅0.7度×高さ9度 |
方位角 |
全周走査可能 (性能発揮は両脇150度ずつ) |
探知性能 | |
探知距離 |
240 nmi (440 km) (最大) 180 nmi (330 km) (戦闘機) 80 nmi (150 km) (巡航ミサイル) |
探知高度 | 20,000 m (66,000 ft) |
その他諸元 | |
重量 | 900 kg |
エリアイ(英語: Erieye)は、エリクソン・マイクロウェーブ・システムズ社(現在のサーブ・マイクロウェーブ・システムズ社)が開発した3次元レーダー(フェーズドアレイレーダー)。早期警戒機用の対空捜索レーダーとして搭載される。
来歴
1985年、エリクソン社は、スウェーデン国防省防衛資材局(FMV)より早期警戒機用のレーダーの開発を受注した。これによって開発されたのが本機であり、1987年よりフェアチャイルドTp.88に搭載されての実用試験に入った。
1993年には、スウェーデン軍によって6機が発注され、最初の2機は1996年に引き渡された。
設計
本機は、航空機の上方に棒状のアンテナを搭載する、いわゆる「バランスビーム」型の捜索レーダーの代表格とされている。アンテナを収容した全長 約9メートルのポッドは4本の支柱によって支えられており、内部にはアクティブ・フェイズドアレイ(AESA)型アンテナとともに、レーダー機器や補助動力装置(APU)を収容している。またポッドの前後には、これらの機器を冷却するための吸排気口が設けられている[1][2]。
このような設計から、基本的には側面監視機上レーダー(SLAR)であり、PS-840として開発された当初は、ポッドの両側面に設けられたアンテナ1面ごとに、方位角にして120度ずつ(合計で240度)しか監視できなかった[1]。改良型のFSR-890では全周走査可能となってはいるが、やはり前後方に死角ができやすく、理想的な探知性能を発揮できるのは両脇150度ずつとされている[2][3]。
レーダー関連の機材のほとんどがポッド内に収容されていることから、航空機のキャビンには、コンソールとパワーユニットなどが配置される程度であり、30席級のリージョナルライナーであれば十分に搭載可能なコンパクトなシステムとなっている[1]。オペレータは、搭載母機が小型のサーブ 340であれば3名、比較的余裕があるサーブ 2000やエンブラエル ERJ 145であれば5名が配置される[2]。またリンク 11やリンク 16による戦術データ・リンクにも対応している[4]。
搭載機と採用国
- フェアチャイルドTp.88(実用試験の際に搭載)
- サーブ 340
- スウェーデン空軍(S100B「アーガス」) - 2機
- ギリシャ空軍 ※EMB 145 AEW&Cの引渡しまで一時的にリース
- タイ空軍 - 2機
- アラブ首長国連邦空軍 - 2機
- サーブ 2000
- パキスタン空軍 - 4機
- エンブラエル ERJ 145
- グローバル 6000
脚注
出典
参考文献
- 石川潤一「世界の早期警戒機」『航空ファン』第47巻、第6号、文林堂、44-49頁、1998年6月。NDLJP:3289951。
- 石川潤一「世界の空中早期警戒(管制)機」『航空ファン』第63巻、第7号、文林堂、60-63頁、2014年7月。 NAID 40020090574。