ウクレレ
ウクレレ(ukulele, ukelele,ハワイ語 ʻukulele)は、フレットが施された小型で4弦のギターによく似た弦楽器である。通常はハワイアン音楽に使用されることが多い。
解説
ポルトガルからの移民が持ち込んだブラギーニャ(braguinha)と呼ばれる楽器を起源とし、ハワイで独自に改良を重ねられて現在の形になったとされる。高級なものにはしばしばハワイ特産のコアの木(koa)が材料として用いられる。また、現在のウクレレを確立したのはマヌエル・ヌナスとされている。
ウクレレという言葉はハワイ語で「飛び跳ねる(lele)ノミ(ʻuku)」という意味で、当時の人気奏者のあだ名から取られたとも、小さな楽器の上で奏者の指が目まぐるしく動く様を表現したとも言われている。
ウクレレには4つのサイズがあり、小さいものから大きいものへと順にソプラノ、コンサート、テナー、バリトンと名付けられている。バリトンウクレレはサイズ・スケールともにテナーギターと同一である。またウクレレから派生した楽器として、8弦のタロパッチや胴の部分がバンジョーと同じ構造となったバンジョーウクレレなどが存在する。
ソプラノ、コンサート、テナーは、一般に低音から高音へ順に、G-C-E-A にチューニングされるが、実はG弦は一オクターブ高く調弦されるために、その音程はE弦とA弦の中間に位置する。このためダウンストローク、アップストローク共に高音弦から入ることとなり、コード演奏時には独特の軽やかな響きが生まれる。
ソロ演奏においては音域の狭さをカバーするためにGを1オクターブ下げたLow-Gというチューニングも多用される。その際はG弦をLow-G専用のものに張り替える必要があるが、クラシックギターの3弦を代用することも可能。
バリトンについては、ギターの高音側4弦と同様に D-G-B-E にチューニングされることが多い。
かつてアメリカ合衆国では、現在よりも1音高いA-D-F#-B(アメリカンチューニング)が標準とされた。このチューニングは同国内では現在もしばしば使われることがある。
ブラジルにも カヴァキーニョ(cavaquinho)と呼ばれるウクレレに類似した4弦の楽器があり、サンバの伴奏などで頻繁に使用される。これはウクレレとは異なり金属弦が用いられ、通常 D-G-B-D とチューニングされる。さらに南米のティプレ(tiple 10弦)や、タヒチ島のタヒチアン・ウクレレ(8弦)なども起源を同じくする楽器であると考えられる。
ちなみに、英語での発音は「ウクレレ」ではなく、「ユーカレイリー」に近い音になることに留意する必要がある。なお、本来のハワイ語での発音は「ウクレレ」に近い。
著名な奏者
- 灰田有紀彦
- 灰田勝彦
- ハーブ・オオタ
- 大橋節夫(スティールギターで知られるが、ウクレレ演奏のアルバムも出している)
- バッキー白片(スティールギターで知られるが、ウクレレ演奏のアルバムも出している)
- 佐々木敢一(和田弘とマヒナスターズ)
- 牧伸二
- 高木ブー
- 加山雄三
- 杉本いわお
- ライル・リッツ
- 森嘉彦
- 尾崎紀世彦
- ハーブ・オオタJr.
- ジェイク・シマブクロ
- ブルース・シマブクロ
- ゴンチチ
- マイク眞木
- つじあやの
- クリフ・エドワーズ
- アーサー・ゴドフリー
- ジョージ・フォーンビー
- ロイ・スメック
- ザ・ウクレレ・オーケストラ・オブ・グレート・ブリテン
- タイニー・ティム
- ジェイムズ・ヒル
- IWAO
- 小錦
- 大橋彰彦
- 関口和之(サザンオールスターズのベーシストとして知られるが、ソロでは演奏する事も)
- 海田明裕(日本アマチュア・ウクレレビルダーズ・クラブ サポート・ミュージシャン)
- 京極順一(海田明裕と共に日本アマチュア・ウクレレビルダーズ・クラブのサポート・ミュージシャンに名を連ねている)
- ebak
- 和幸
- 上野まな
- 面谷誠二
- 安部俊幸(チューリップのギタリストとして知られるが、ライブの生ギターコーナーなどで演奏する事がある)
参考文献
- トニー・ベーコン『世界で一番美しいアメリカン・ギター大名鑑 ヴィジュアルでたどるヴィンテージ・ギターの歴史』(DU BOOKS、2013年)ISBN 978-4-92506-472-9
外部リンク
- PSI Ukuleles – PSI Ukuleles - www.PSIukulele.com
- 日本ウクレレ協会 NUA(Nihon Ukulele Association) アマチュアによる非営利団体