ウィーン国立歌劇場管弦楽団

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ウィーン国立歌劇場管弦楽団(Wiener Staatsoper Orchester)は、ウィーン国立歌劇場の専属オーケストラ。ヨーロッパの著名オペラオーケストラである。定員150名(六管編成)。毎年9月1日から翌6月30日までのシーズンに約300(正確には297回)のオペラバレエ公演を行う。このウィーン国立歌劇場管弦楽団のメンバーが、自主運営団体としてウィーン・フィルハーモニー管弦楽団を組織してコンサート活動を行っている。

オーケストラの歴史はそのままウィーン国立歌劇場の歴史だが、正確な創立年は不明。ただ1625年に当時のハプスブルク家の皇帝フェルディナント2世の誕生日を祝して、宮廷の大広間でイタリア語劇の上演が行われ、以降ここを舞台に数々のオペラバレエが上演されており、これがウィーン宮廷歌劇場に発展したといわれる。

歴代の音楽総監督としては、グスタフ・マーラーリヒャルト・シュトラウスフルトヴェングラーカール・ベームヘルベルト・フォン・カラヤンマゼールアバドなどがおり、2002年9月から2010年8月までは小澤征爾が務めた。2010年9月に開幕したシーズンからはフランツ・ウェルザー=メストが就任した。

「ウィーン国立歌劇場管弦楽団」は、ウィーン国立歌劇場としてのオペラ公演を演奏するオーケストラとしての名称である。また、ウィーン国立歌劇場におけるオペラ公演はオーストリア放送協会ORF)によってライブ中継されており、この音源によるライブ録音が発売されるようになってきた。

古くは交響曲や管弦楽曲の録音がウェストミンスター・レーベルなどに存在するが、その実態はウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団、もしくは国立歌劇場管弦楽団のメンバーを中心とした臨時編成のオーケストラであることも多い。

将来の団員候補は3年の待機期間を経て適材であると判断されるとウィーン・フィルハーモニーの正式団員になり、65歳定年後は準団員となりオペラやウイーン・フィルの海外公演や定期公演のような忙しい時、ウイーン国立歌劇場管弦楽団、ウイーン・フィルに戻って演奏する[1]

脚注

  1. ^ 野村三郎『ウィーン国立歌劇場 すみからすみまで』音楽之友社、2014年、211ページ。