イーフロンティア

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Floe~jawiki (会話 | 投稿記録) による 2015年10月3日 (土) 14:37個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (→‎歴史: Shade3D社沿革に従い時期修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

株式会社イーフロンティア
e frontier, Inc.
種類 株式会社
本社所在地 160-0004
東京都新宿区四谷4-3-20 いちご四谷四丁目ビル6F
設立 1999年平成11年)7月13日
業種 情報・通信業
法人番号 2011101038083 ウィキデータを編集
代表者 代表取締役 安藤 健一
資本金 9000万円
決算期 3月
外部リンク http://www.e-frontier.co.jp/
テンプレートを表示

株式会社イーフロンティア: e frontier, inc.)は、東京都新宿区に本社を持つ、ソフトウェアとコンテンツの開発・販売を行う企業である。思考ゲーム『AI』シリーズなどの老舗ブランドを傘下に収めるほか、多数のコンピュータグラフィックスや音楽制作等のクリエイティブツール、ユーティリティ、教材、ゲームソフト等の販売元である。

概要

企業理念は “e frontier spirit ~みんなの感動をかたちに~” 。

取扱製品は『Poser』のような海外製品の日本語版や、他ソフト会社製品のダウンロード版をパッケージ化したリパブリッシング製品群がある。また、日本で開発された製品やコンテンツの海外展開も積極的に行っている。

コンピュータ業界や一部顧客の間での通称は「イーフロ」。2010年春ごろまでは、直販オンラインショップは「イーフロストア」、URLも1126(いいふろ).tvになっていた。

2003年から2013年まで主力の3DCGソフトウェア『Shade』を自社開発したが、開発会社分離後の契約解消をきっかけとして資金繰りが不透明化し、2014年から民事再生法を適用して事業を継続している[1]

歴史

1999年
7月13日に会社設立。
2002年
3月に『月刊MACLIFE』を発行していた出版会社ビー・エヌ・エヌの営業権譲渡を受け、ビー・エヌ・エヌ新社を設立。ただし、MACLIFEなどの雑誌類は引き継がなかった。
2003年
1月に中国上海にe frontier Shanghaiを設立。
4月にエクス・ツールスより営業譲渡を受け、『Shade』関連事業の権利を取得。
11月に『AQUAZONE(アクアゾーン)』の開発販売を行っているフロンティアグルーヴを完全子会社化。
11月に『Poser』の米Curious Labsを完全子会社化。これにより『Shade』と『Poser』間でのデータの完全互換が実現した。
2004年
3月に『筆王』や『AI』シリーズ、『Ninja』シリーズのアイフォーを完全子会社化。
2005年
3月に音楽関連製品のカメオインタラクティブおよびスタインバーグ・ジャパンを完全子会社化。
5月に子会社のCurious Labsをe frontier America, Inc.へ社名変更。
5月に米Eovia社が開発した3DCGソフト『Carrara』の国内販売元として、Carrara 4 日本語版を発売。
2006年
3月に子会社のカメオインタラクティブが同じく子会社のスタインバーグ・ジャパンを吸収合併。
5月に子会社のe frontier Shanghaiを売却。
6月に仏Eovia Europe社が保有していた『Amapi』事業部門をグループ内に吸収し、フランス支店を開設[2]
2007年
3月に子会社のアイフォーから『筆王』をソースネクストに譲渡。
4月に子会社のアイフォー、カメオインタラクティブ、フロンティアグルーヴを、イーフロンティアを存続会社として吸収合併。
7月にフランス支店を閉鎖、ビー・エヌ・エヌ新社の全株式をAZホールディングスに譲渡。
11月に子会社のe frontier Americaから『Poser』を含むグラフィック関連事業をSmith Micro Softwareに譲渡[3]
2008年
8月に『Shade』のファイルフォーマットを改良した建築CAD向け共通ファイルフォーマット『SPEED』を発表[4]
2009年
1月に米Mirye Software社から英語版Shadeの全世界販売を開始。
7月にiPhoneとiPod touch向け無料アプリケーション『BuyKing』を公開。また、iPodで聴く無料落語番組『いーふろん亭 ぽっど寄席』を開始。
8月に『Shade』のCGエンジンを採用した住宅CADシステム、「SuperSoft」IIがスーパーソフトウェア社より発売開始。
2010年
1月に米Luxology社製『modo』公式代理店業務と米NewTek社製3DCGソフトウェア『LightWave 3D』の販売を開始。これによりAutoDesk社以外の主要な3DCG製品はイーフロンティアから入手可能になった。
10月に『3DCG Award 2010』の発表。
2011年
1月にCES2011にて『Slingbox PRO-HD』の日本国内での販売開始について発表。
2013年
7月 フロンティアファクトリー社を分離[5]
10月 マルク・カルプレスによって設立された[6]Shade3D社へShadeの開発販売権を売却、代理店契約を結ぶ形となる[7][8]
2014年
11月にShade3D社との代理店契約が解消される。
12月12日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請する。負債総額は約23億5000万円。
2015年
5月に民事再生計画案の認可が決定、翌月確定。

いずれの製品、サービス、ブランドや企業もクリエイティブ分野のものであり、ここにもイーフロンティアの方向性が示されていると思われる。

子会社と主な製品やサービス

子会社

e frontier America(米国法人)
2003年に完全子会社化したCurious Labs. Inc.の社名を2005年に変更した、北米市場への営業拠点。『Poser』の開発拠点でもあり、『Poser』のデータなどの素材のダウンロード販売サイト『コンテンツパラダイス』英語版を運営していたが、2007年に『Poser』を含むグラフィック関連事業をSmith Micro Softwareに譲渡した[3]

吸収された子会社

イーフロンティアに吸収され、製品やサービスが引き継がれた子会社。

アイフォー
主力製品は『筆王』や『ラベル王』、『ホームページNinja』に代表されるユーティリティソフトの『Ninja』シリーズ、世界コンピュータ将棋選手権で毎年優勝争いを繰り広げる思考エンジンを搭載した『AI将棋』など。2007年に『筆王』をソースネクストに譲渡。
フロンティアグルーヴ
『AQUAZONE(アクアゾーン)』の開発と販売、および「洋ゲー」、オンラインゲームのパッケージ版の販売。主にエンターテイメント製品を取り扱っている。
カメオインタラクティブ
取扱製品は楽譜DTPソフトの『Finale』シリーズ、『Finale』シリーズ用楽譜データの『.musicsheet』(ドットミュージックシート)、自動作曲ソフトの『Band-in-a-Box』など。主に音楽関連製品の日本語化と販売、国内電子機器メーカーのハードウェア製品の卸売りを行っている。2006年にグループ会社のスタインバーグ・ジャパンを吸収合併した。旧社名はナニワ楽器。

脚注

外部リンク