Shade

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Shade
開発元 イーフロンティア
最新版 14 / 2013年7月25日
対応OS Mac OS X v10.7 / v10.8 / v10.9 / Microsoft Windows Vista / 7 / 8
種別 3DCGソフトウェア
ライセンス プロプライエタリ
公式サイト Shade online
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Shade(シェード)は、イーフロンティアが開発するMac OS XおよびWindows用の統合型3DCGソフトウェア

特徴[編集]

1986年の製品化以来20年以上の歴史を持つ。特に専門分野は設定されていないオールインワンソフトウェアであるが、しばしば建築パース制作、イラストレーション制作、教育機関での導入事例が取り上げられる。2004年時点のデータによれば、正規ユーザ数は30万人超であり、そのほとんどが日本市場におけるものである[1]

姉妹ソフトウェアとして3D住宅デザインソフト『Shade ドリームハウス』(Shade Home Designから改称)、ならびに『機動戦士ガンダム』を題材にした『ガンダムバーチャルモデラー プロ』(発売元はバンダイ)が存在する。Shade ドリームハウスはShadeのような統合型3DCGソフトウェアではなく、Windows版のみであるが、互換性のあるファイルをやりとりできる。バーチャルモデラーはデフォルトで用意されているメカニックモデルにポーズを付けて1枚のCGを作るもので、形状の変更や新規作成の機能は省略されていたが、データに互換性があるためShadeでも扱うことが可能であった。

モデリングの特徴[編集]

竹ひご細工のように3次元空間上で複数のベジェ曲線を接続してモデリングする「自由曲面」と呼ばれるモデリング方法が特徴的である。自由曲面は多様な曲率の滑らかな曲面を少ないコントロールポイントで作成できるため、機械や建築物といった幾何学的形状のモデリングに適しており、またベジェ曲線がベースであるため、Illustratorなどのドローソフトに慣れた人にとっては親しみやすい。その一方で、自由曲面はベジェ曲線への慣れが必要であり、多くのスプライン曲面と同様にメッシュ構造が格子状に限定され、また人体のような有機的形状のモデリングにおいて、ベジェ曲線の接線ハンドル同士が干渉してしわが発生しやすい短所がある。

過去にはこのような有機的形状での問題に対処する方法は少なかったが、バージョンを重ねるにつれ、メタボールポリゴンメッシュのサブディビジョンサーフェス(細分割曲面)や面の押し出しなどの機能が強化され、幾何学的形状には自由曲面、有機的形状にはポリゴンメッシュやメタボールといった使い分けができるようになっている。

レンダリングの特徴[編集]

グレードによってレンダリング可能な最大サイズが制限されているものの、廉価な下位グレードでもパストレーシングフォトンマッピングラジオシティといった写実的な照明計算を行う大域照明に対応している。開発元イーフロンティアの園田浩二によれば、Shadeは従来より静止画制作での利用が主であるため、標準設定で高品質なレンダリング結果を得られるよう調整されているという[2]。高画質志向の代償として時間がかかる傾向があるが、Shade 9ではこういった志向をやや緩め、画質を犠牲にしつつも高速化するイラディアンスキャッシュ機能を搭載している。

最上位のProfessionalグレードには、ライア社が開発した追加レンダラ『CALLISTO(カリスト)』が搭載されている[3]。CALLISTOはサブサーフェイス・スキャタリングディスプレイスメントマッピングといった標準レンダラにない機能を備えているほか、必要部位に応じてスキャンラインレイトレーシング分散レイトレーシングを使い分ける「セレクティブレイトレーシング」と呼ばれる最適化が施されており、標準レンダラよりも詳細な、画質と計算速度の調整が可能である。しかしながらCALLISTOはShadeの表面材質などと完全な互換性を達成していないという問題もある。

歴史[編集]

開発の歴史[編集]

Shadeシリーズが初めて製品化されたのは1986年に発売されたPC-9800シリーズ用の『Shade PRO』である。1990年に改めてMacintosh用のソフトウェアとして『ShadeⅢ』が発売された後、1997年の機能限定版『Shade debut(シェード・デビュ)』を皮切りにWindows版が発売され、現在ではMacintosh版・Windows版が同時リリースされている。一時期Linux版の開発も試験的に行われていたが、中止された。

2003年までは、福岡に本社があったエクス・ツールスが開発・販売を行っていたが、同社が経営破綻したため、現在は権利を譲渡されたイーフロンティアが開発・販売を行っている。開発会社変更後の最初のメジャーバージョンアップとなったShade 7では、予定されていた新機能の搭載がいくつか見送られ、Shade 6に存在した機能が削減されたこともあった[2]。2003年にイーフロンティアは3D人体制作ソフトウェア『Poser』の開発・発売を手がける米Curious Labs Inc.(現e frontier America Inc.)を買収し、PoserとShadeとのソフトウェア上での連携(PoserFusion)を図ると共に、Shadeの日本国外での発売元としたが、2007年にPoserの所有権は米Smith Micro Softwareに譲渡された[4]。また、2006年にイーフロンティアは仏Eovia Europeのモデリングソフトウェア『Amapi』を買収し、AmapiとShadeの連携を図ると発表している。

初期の開発はほぼ時枝敏也1人によって行われた[5]。開発会社の変更や、チーム開発体制へ移行した後も、時枝はエグゼクティブチーフプログラマ、チーフエンジニアとしてShadeの開発や設計に携わっている。なお、時枝とイーフロンティア最高技術責任者サニー・ウォン(Sunny Wong)は米国で開発を行っているため、過去にしばしば言われた「Shadeは純日本製」という表現は(開発会社は日本にあり、日本でも開発が行われているものの)今となっては正確ではない[6]。また、「Shadeの神様」という異名を持つ人物として園田浩二がおり、Shadeでテレビコマーシャルなどの作品を制作し、イーフロンティアのチーフデザイナ、CG Studio開設準備委員長、Shadeのエバンジェリストとしてデモンストレーションなどの広報に携わっている[7]。Shadeの開発コンセプトには「箸のようなソフト」「簡単きれい」などがあり、2006年にはこれらの設計思想を主張してShade 8.5がグッドデザイン賞(商品デザイン部門)を受賞した[8]

イーフロンティアは2010年代に入って経営が悪化したため[9]、スリム化を図るために2013年にイーフロンティア本体からShadeの開発を行う株式会社Shade3Dとして分離され、ビットコイン取引所であるマウントゴックスの親会社として知られたティバンに売却、株式会社イーフロンティアとの販売代理店契約を結ぶ形となっていた。マウントゴックスは2011年にビットコイン消失事件を起こした後、社長がビットコイン事業と無関係な3Dソフト事業やカフェ事業に手を出すなど迷走して社員や顧客の不信を買っており[10]、2014年3月についに倒産。その余波と債権がShade3Dにもおよび、株式会社Shade3Dとイーフロンティアとの販売代理店契約は2014年11月末をもって打ち切られ[11]、資金繰りが悪化したイーフロンティアは12月に民事再生法の適用を申請した。そのため、2014年11月にイーフロンティアから発売予定であったShade ver.15が発売未定となっている。

ユーザの歴史[編集]

漫画家くつぎけんいちが美少女CGキャラクタ(いわゆるバーチャルアイドル)『テライユキ』の制作にShadeを使用した。テライユキはテレビコマーシャルに出演するなど一般メディアに露出し、Shadeの広告にも起用された。1990年代末頃に端を発するバーチャルアイドルブームにより、多くのバーチャルアイドルがShadeを使用して制作され、当時の開発元のエクス・ツールス自身も「デジタルビューティ」としてこれらのキャラクタを後押しし、ブルームーンスタジオ沖孝智によるCGキャラクタ『飛飛(FeiFei、フェイフェイ)』が日本サムスンの広告キャンペーンに起用されるなど、いくつかのキャラクタがコンピュータ・CG系の専門誌やテレビ・雑誌などの一般メディアに露出した[12]。ただし、Shadeは動画向きのソフトではなかったことから、テライユキや飛飛は、動画での活動を行う際に他のソフトへ移行している[13]。また、SFイラストレーターの加藤直之もShadeを使用しており、『宇宙の戦士』のパワードスーツの模型化の際は自らShadeで形状設計を行ったほか、作品『沈黙の美女』の形状データが一時期Shadeに同梱されていたことがある。また、漫画家では『銃夢』の木城ゆきとや『GANTZ』の奥浩哉も制作の一部にShadeを導入している[14]

初期のShadeには有機的形状に適したモデリング方法が現在より少なく、自由曲面がもつ格子状の構造で有機的形状、特に人の頭部(顔面)をモデリングするノウハウがいくつか考案され、「地球儀型」「めがね型」「いちょう型」などの手法が書籍やコミュニティで受け伝われている。

機能[編集]

Shadeは統合型3DCGソフトウェアであり、3DCG制作のモデリング、材質設定、照明、アニメーション、レンダリングの工程をカバーしている。ただし、素材となるテクスチャ画像の編集や、出力された映像の編集・合成には外部のソフトウェアを使う必要がある。

この節に記述された機能の一部はバージョンやグレードによっては未搭載または制限があり、また、この節の記述はすべての機能を網羅するものではないことに注意されたい。

モデリング[編集]

Shadeのモデリングにはベジェ曲線が採用されており、ベジェ曲線の「線形状」から平面/掃引体回転体自由曲面を派生的に作成できる。そのほかには円/球といったプリミティブや、ポリゴンメッシュ、メタボールプラグイン機能による特殊属性を持った形状がある。

  • 線形状 - 3次元の3次ベジェ曲線。終端を閉じると同一平面上に面を形成できるほか、他の線形状で形成された同一平面上の面に穴をあけられる
  • 円/球 - パラメータによる位置と寸法の指定が可能なプリミティブ
  • 掃引体/回転体 - 線形状および円に対して適用可能な非破壊式のもの
  • 自由曲面 - 双3次ベジェ曲面。曲線を線形状と同じように扱えて、出し入れできる
    • テキストエフェクタ - テキストグリフのアウトライン化と立体化
  • ポリゴンメッシュ - 3角、4角および5角形以上のポリゴン(n-ゴン)に対応
    • 角の丸め(サブディビジョンサーフェス、細分割曲面) - ポリゴンメッシュを滑らかな曲面に細分割する非破壊式のもの。Shade 10.0.2以降では従来のドゥ・サビン(Doo-Sabin)法に加えてカトマル・クラーク(Catmull-Clark)法が使用可能[15]
    • UVマップ - テクスチャUV座標の編集
    • マジカルスケッチ - フリーハンドの手描きにより有機的形状を作成する
  • メタボール/メタキューブ/メタシリンダー/メタポリゴン/メタバイリニアサーフェス/メタバイキュービックサーフェス - 各形状をメタ方式またはブロブ方式により融合または反発させ、有機的な形状を作成する
    • メタパーティクルレンダラ - 特定のパートに含まれた球プリミティブをメタボールとして扱う
  • ヘアーサロン - ヘアー(曲面にテクスチャを張ったいわゆる短冊ヘアー)とファーの生成。T4社によって開発された[16]

ほぼすべての形状とコントロールポイント、ポリゴンメッシュの頂点に対して直線移動/拡大縮小/回転/せん断の基本操作を統一的に行えるほか、線形状(自由曲面)とポリゴンメッシュにはそれぞれ追加の形状編集機能が用意されている。

また、作成された形状は下の表のルールでほかの形状に変換できる。

形状の変換ルール(左が変換元、上が変換先)
線形状 掃引体/回転体 自由曲面 ポリゴンメッシュ
線形状 - ○(可逆) ○(4点選択[2]
曲線の差し込み)
○(可逆)
- -
掃引体/回転体 ○(復帰) -
自由曲面 ○(曲線の取り出し) - -
ポリゴンメッシュ - - ○(細分割曲面)

シーン内の全オブジェクトはブラウザによって一覧管理できる。また、オブジェクトは「パート」によって内包・階層化でき、またパートには座標変換のための行列情報を設定できる。シーンの最下層には常に「ルートパート」と呼ばれるパートが存在する。

また、そのほかのモデリング支援として次のような機能を備えている。

  • ブーリアンレンダリング - レンダリング時のみ適用される非破壊式の集合演算
  • ブーリアンモデリング - ポリゴンメッシュ形状として出力する集合演算
  • マスターオブジェクト - オブジェクトの参照コピー
  • マグネットツール - マグネットオブジェクトを移動させると付近のコントロールポイント(頂点)が滑らかに追従変形する
  • ラティス変形/自由曲面変形/ツイスト変形

Shadeはサーフェスモデルを基本としつつ、部分的にソリッドモデルの概念を取り入れている。Shadeにおいて立体とは「形状表面の内側と外側が一意に定義できる形状[17]」とされており、空間を内包する閉じた形状が立体として扱われる。形状が立体として成立するのは暗黙であり何ら手順を要しないが、中身の詰まった形状(ソリッド)として扱うか否かはソリッド属性によって明示的に指定できる。立体形状に対してはブーリアンレンダリングによりCSG表現(en:Constructive solid geometry)に似た記号による非破壊式の集合演算が可能なほか、ブーリアンモデリングにより集合演算の結果をポリゴンメッシュとして出力できる。また、透過屈折の際にも形状の内外判定が行われており、光線が形状外部へ出る際に屈折率を逆数とすることで自然な屈折を表現している。ブーリアンレンダリングと透過屈折における形状の内外判定は、視線(レイ)がソリッド形状表面と交差する回数に基づいて行われており、これによってブーリアンレンダリングを高速かつ細密に表現しているが、立体でない形状をソリッド形状としてこれらの処理に含めた場合は、原理上見た目の整合性が破綻することもある[18]

なお、Shade以外のソフトウェアでは3次ベジェ曲線の端点以外の(曲率を制御するための)制御点のことを「コントロールポイント」と呼ぶことがあるが、Shadeでは「コントロールポイント」とは形状編集に用いる点(端点など)のことを指す。また、ベジェ曲線の曲率を制御するための制御点のことを、隣接する端点からその制御点への線分を含めて「接線ハンドル」と呼んでいる。また、一般的には「自由曲面(en:Freeform surface modelling)」とはパラメトリック曲面ベジェ曲面B-スプライン曲面NURBS曲面ほか)などによる曲面パッチを格子状につなぎ合わせた複合曲面などの自由度の高い曲面全般のことを言うが、Shadeでの「自由曲面」とはShade 10の時点では双3次ベジェ曲面による自由曲面のことのみを指す。

表面材質と光源[編集]

Shadeの表面材質は固定のシェーディングパラメータと任意数のマッピングレイヤーの複合である。表面材質はオブジェクトまたはパートに対してのみ設定可能で、面や頂点別には設定できない。そのため、一体形状の特定部位に特徴的な表面材質を施す場合には、特製のテクスチャマッピング、または投影マッピングやブーリアンレンダリングによるステッカーマッピング(デカールマッピングとも呼ばれる)を行う必要がある。パートに設定された表面材質は下位階層に継承され、下位階層では任意のシェーディングパラメータを選択的に置き換えられる。

  • 拡散反射 - 光を拡散的に反射する、いわゆる表面色、物体色
  • 光沢 - 光源の鏡面反射をモデル化したつや(局所鏡面反射)。1次光沢および2次光沢がある。Shade 9以降ではブリン(Blinn)鏡面反射モデルが採用されている[19]
  • 反射 - 周辺の景色が映り込む鏡のような反射(大域鏡面反射)
  • 透明 - 透過率(透過色)を設定する
  • 屈折 - 屈折率(相対屈折率[20])を設定する
  • 荒さ - 梨地加工や磨りガラスのように反射と屈折を拡散させる
  • 異方性反射 - 繊維や金属のヘアライン加工でみられる異方性反射を表現する
  • フレネル - フレネル反射を表現する。光の入射角が浅くなるほど反射率が高くなり、屈折に伴い自然な反射と透過減衰が発生する
  • メタリック - 内蔵の環境マッピングによる擬似的な金属光沢表現
  • 発光 - 外部照明によらない自発的な発光
    • ソフトグロー - 発光の度合いを視線方向を向いている面ほど強くする
  • バックライト - 裏面の拡散反射を表面に反映させる
  • 疑似コースティクス - 大域照明によらない擬似的な集光模様(コースティクス)
  • 収差 - RGB別に屈折率を変える擬似的な色収差
  • レイヤーによるマッピング - 拡散反射/光沢/反射/透明/発光/バックライトおよび、バンプ/トリム/環境のマッピング、および上位レイヤーのマット
    • イメージマッピング - 画像またはムービー(QuickTimeAVI)によるテクスチャ
    • ソリッドテクスチャ - 内蔵のプログラムによる投影または3次元のテクスチャ

Shadeの一部の光源には明るさや色、の濃度やソフトネス(ソフトシャドーに影響する)などを設定できる。また、パストレーシング大域照明を使用している場合、表面材質の発光が放射輝度に影響するため、発光する形状および発光テクスチャを副次的な光源として利用できる。

  • 無限遠光源 - 平行光源とも呼ばれる、太陽光などの極めて遠距離(無限遠)の光源をモデル化した光源
    • 環境光 - 周辺環境からの一様な散乱光や照り返しをモデル化した、閉塞を考慮しない光源。Shadeでは無限遠光源に付随して設定する。照明効果が一様なため、写実性を求めるならIBLや天空光が適する
  • 点光源/スポットライト - 光源オブジェクトによる光源
  • 線光源/面光源 - 線形状による曲線または面による光源
  • 配光 - IES配光データによる光源
  • イメージ・ベースド・ライティング(IBL) - 背景画像による照明。ハイダイナミックレンジ画像(HDRI)に対応。パストレーシング大域照明に用いられる
  • 天空光 - 天球の上半球による照明。ラジオシティ大域照明に用いられる

アニメーション[編集]

Shadeのアニメーション機能は、ジョイントおよびその応用であるボーンスキンによる変形と、それを時間軸に沿って制御するモーションシーケンス(モーション曲線およびキーフレーム補間)が基本となっている。カメラオブジェクトのモーション制御によるフライスルーウォークスルー)が行えるほか、音源オブジェクトによる3Dサウンド機能が備えられている。また、テクスチャおよび図形ウインドウのテンプレート(下絵)には、QuickTime/AVIムービーを使用できる。

  • ジョイント - 変形を行うパートの一種。ジョイント値と呼ばれるパラメータにより変形の度合いを調整する
    • 直線移動/回転/拡大縮小/均等拡大縮小ジョイント - 制限付きの平行移動/回転/拡大縮小
    • ボールジョイント - 無制限の平行移動と回転。単一のジョイント値では制御できず、もっぱらキーフレームアニメーションに用いる
    • パスジョイント - 線形状のパス(軌道)に沿った移動
      • パスコンストレインツ - 列車やキャタピラのような連結された形状の方向制御
    • 変形ジョイント - 複数形状間の形状と表面材質のモーフィング
    • スイッチジョイント - 複数形状の切り替え
    • 光源ジョイント - 光源の明るさの調整
  • ボーンスケルトン) - ジョイントの階層化による多関節構造の作成
    • インバースキネマティクス(IK) - 子ジョイントの変形に親ジョイントを追従させる
      • スマートキネマティクス - 特定のジョイントの向きや関節角度を拘束する
      • エイムコンストレインツ - 形状の向きをターゲットオブジェクトやカメラに追従させる
  • スキン - コントロールポイント(頂点)単位でジョイントの変形を適用する。適用率(重み付け)の設定も可能
  • モーションシーケンス - タイムコードまたはフレーム数による時間軸に沿ったモーションシーケンスを扱う。モーションポイント(キーフレーム)の作成とモーション曲線の編集が行える
  • 3Dサウンド - シーン内に音源オブジェクトを配置して立体音響ドップラー効果を用いた音声を生成する

また、そのほかのアニメーション支援として次のような機能を備えている。

  • パーティクルフィジックス - 重力や風を考慮したパーティクルと衝突判定。T4社によって開発された[16]
  • PoserFusion - Poserのフィギュア形状とモーションの取り込み。ダイナミックヘアとクロスシミュレーションが再現される

レンダリング[編集]

Shadeは複数のレンダリング手法と大域照明の手法をサポートしている。レンダリングは各色32ビット(128ビットRGBA)のハイダイナミックレンジ画像を出力でき、レンダリングされた画像からはRGBカラーチャンネルおよび不透明度(αチャンネル)および深度(Z値)の情報が取得できる。レンダリングされる画像は色補正機能によってゲインガンマコントラストバイアス/カラーバランスの調整が行えるほか、エフェクタプラグインによる後処理が行える。

また、マルチスレッドによるマルチプロセッサマルチコア並列レンダリング、「ShadeGrid」と呼ばれる複数台のコンピュータグリッドによる並列レンダリングが可能である。

大域照明は物体表面間での光の相互反射の照明効果を付け加える。一部のレンダリング手法と大域照明の手法は組み合わせて使用できないものもある。

  • パストレーシング大域照明 - 拡散相互反射に加え、イメージ・ベースド・ライティング(IBL)などが可能
  • フォトンマッピング大域照明 - 拡散相互反射に加え、集光模様(コースティクス)の表現が可能
  • パストレーシング+フォトンマッピング大域照明 - 上記を組み合わせて間接光の到達性能などを向上させたもの
  • ラジオシティ大域照明 - 境界積分法を用いた拡散相互反射シミュレーション[21]オプトグラフ社が開発したラジオシティライブラリを使用している[22]

また、そのほかのレンダリング支援として次のような機能を備えている。

  • シャドウマップ - パストレーシングなどのモンテカルロレイトレーシングを用いずにソフトシャドー(一様なぼかしによるもの)を高速に表現できる
  • モーションブラー - 前後のサブフレームを合成し、露出時間の長い撮影をシミュレートする
  • フィールドレンダリング - インターレース方式のレンダリング。偶数または奇数フィールドの優先を指定できる
  • 平行投影 - パースペクティブのない投影
  • あおり補正 - 二点透視のようなパースペクティブを可能にする
  • 魚眼レンズ
  • パノラマレンダリング - 円柱/球/ライトプローブ/キューブマップ/バーティカルクロス形式でのパノラマまたは全球のレンダリング
  • QuickTime VR - オブジェクト/パノラマ/キュービック形式でのQuickTime VRムービー出力
  • 立体視レンダリング - ステレオグラムおよび視差バリア方式の3D対応液晶用コンテンツのレンダリング

その他[編集]

ShadeはPython言語とAppleScript言語(Macintosh版のみ)によってシーンやオブジェクトほかの動作を制御できる。また、カスタムプラグインをC++言語によって開発するソフトウェア開発キットがある。

  • Python - Python言語による制御
  • AppleScript - AppleScript言語による外部からの制御
  • プラグインSDK - C++言語によるカスタムプラグインの開発キット

リリース履歴[編集]

バージョン 製品ラインナップ プラットフォーム 発売日
- Shade Pro NEC PC-9800シリーズ 1986年
- Shade Macintosh 1990年
- Shade II Ver.1.4.2 Macintosh 1992年
- Shade III Ver.1.0 Macintosh 1994年
ShadeIII Ver.1.1.0 Macintosh 1994年
ShadeIII Light Ver.1.1.0 Macintosh 1994年
Shade III Ver.1.2 Macintosh 1996年
Shade III Light Ver.1.2 Macintosh 1996年
1
Shade Professional R1 Macintosh 1996年12月
Shade Personal R1 Macintosh 1996年12月
Shade debut Windows 1997年6月
2
Shade Professional R2 Macintosh 1997年8月
Shade Personal R2 Macintosh 1997年8月
Shade Personal Plus Macintosh 1998年4月
Shade debut Plus Windows 1998年4月
Shade Professional R2 Windows 1998年8月
iShade Macintosh 1998年9月
myShade Windows 1998年11月
3
Shade Professional R3 Macintosh 1998年12月
Shade Personal R3 Macintosh 1998年12月
Shade Debut R3 Macintosh 1998年12月
Shade Professional R3 Windows 1999年3月
Shade Personal R3 Windows 1999年3月
Shade Debut R3 Windows 1999年3月
4
Shade Professional R4 Macintosh/Windows 1999年11月
Shade Personal R4 Macintosh/Windows 1999年11月
Shade Debut R4 Macintosh/Windows 1999年11月
iShade 2/myShade 2 Macintosh/Windows 1999年11月
5
Shade Professional R5 Macintosh/Windows 2001年6月
Shade Personal R5 Macintosh/Windows 2001年6月
Shade Debut R5 Macintosh/Windows 2001年6月
iShade 3/myShade 3 Macintosh/Windows 2001年7月
6
Shade 6 professional Macintosh/Windows 2002年9月
Shade 6 advance Macintosh/Windows 2002年9月
Shade 6 spirit Macintosh/Windows 2002年6月
iShade 6/myShade 6 Macintosh/Windows 2002年12月
7
Shade 7 professional Macintosh/Windows 2004年3月
Shade 7 standard Macintosh/Windows 2004年3月
Shade 7 basic Macintosh/Windows 2003年12月
8
Shade 8 professional Macintosh/Windows 2005年7月
Shade 8 standard Macintosh/Windows 2005年7月
Shade 8 basic Macintosh/Windows 2005年7月
8.5
Shade 8.5 professional Macintosh/Windows 2006年3月
Shade 8.5 standard Macintosh/Windows 2006年3月
Shade 8.5 basic Macintosh/Windows 2006年3月
9
Shade 9 professional Macintosh/Windows 2006年12月
Shade 9 standard Macintosh/Windows 2006年12月
Shade 9 basic Macintosh/Windows 2006年12月
iShade 9 Macintosh/Windows 2007年5月
10
Shade 10 professional Macintosh/Windows 2008年3月
Shade 10 standard Macintosh/Windows 2008年3月
Shade 10 basic Macintosh/Windows 2008年3月
10.5
Shade 10.5 professional Macintosh/Windows 2009年3月
Shade 10.5 standard Macintosh/Windows 2009年3月
Shade 10.5 basic Macintosh/Windows 2009年3月
11
Shade 11 Professional Macintosh/Windows 2009年12月
Shade 11 Standard Macintosh/Windows 2009年12月
Shade 11 Basic Macintosh/Windows 2009年12月
12
Shade 12 Professional Macintosh/Windows 2010年12月
Shade 12 Standard Macintosh/Windows 2010年12月
Shade 12 Basic Macintosh/Windows 2010年12月
Shade 12 Basic feat. 巡音ルカ Macintosh/Windows 2011年7月
13
Shade 13 Professional Macintosh/Windows 2012年3月[23]
Shade 13 Standard Macintosh/Windows 2012年3月
Shade 13 Basic Macintosh/Windows 2012年3月
14
Shade 3D Ver.14 Professional Macintosh/Windows 2013年7月
Shade 3D Ver.14 Standard Macintosh/Windows 2013年7月
Shade 3D Ver.14 Basic Macintosh/Windows 2013年7月

脚注[編集]

  1. ^ ASCII 24「エクス・ツールス、3DCGソフト『Shade 6 spirit』の発表会を開催」、およびデジタルハリウッド2004年11月30日オープンカレッジレポートより出典。
  2. ^ a b イーフロンティア「園田浩二が熱く語る、Shade 9の魅力とは」、およびASCII 24「“神”が明かす『Shade 9』の魅力」より出典。
  3. ^ ライア社「会社概要」より出典。
  4. ^ Smith Micro Software社プレスリリース「Smith Micro Software Signs Definitive Agreement Acquiring E Frontier's 3D Graphic and Animation Software Solutions」より出典。
  5. ^ Shade 8.5「開発者からのメッセージ」より出典。
  6. ^ BCN This Week 2003年6月30日 vol.996「Face」時枝敏也インタビュー、および「Shade 9一目瞭然」第11回より出典。
  7. ^ BCN This Week 2007年2月5日 vol.1173「Face」園田浩二インタビュー、および「Shadeユーザー訪問記」第1回:園田浩二(前編)より出典。
  8. ^ グッドデザイン賞ウェブサイトより出典。
  9. ^ [1]
  10. ^ 「オタク経営」が影落とすビットコインの拡大と凋落 2014年4月24日、ロイター通信
  11. ^ [http://shade3d.jp/news/detail/20141125.html イーフロンティアとの販売代理店契約の終了とShade 3D ver.15 販売開始の延期
  12. ^ エキサイトニュース総合研究所「『CGアイドル』の魅力に迫る」、およびイーフロンティア「デジタルビューティ」より出典。
  13. ^ Shadeな人々書籍制作チーム 『Shadeな人々 : 人体制作大辞典』 技術評論社、東京、2001年、296-302頁。ISBN 978-4774111940
  14. ^ 木城ゆきと公式ウェブサイト『ゆきとぴあ』内「ゆきとの書斎」、およびCONTENT PARADISE NEWS 2008年4月25日号「アーティストに聞く『3DCGだからこそ可能なリアルさを求めて』~マンガ家:奥浩哉先生」より出典。
  15. ^ Shade 10シリーズ用 10.0.2アップデータでの変更点より出典。
  16. ^ a b T4社「制作実績」より出典。
  17. ^ 同梱ユーザガイド(Shade R4/7/9/10)より引用。
  18. ^ Shade online:まいこのShade教室 「第13問」、およびShade online Free Talk「中空のガラス球って…」より出典。
  19. ^ Shade online Free Talk「表面材質の、光沢1、光沢2、のスライダー」より出典。
  20. ^ Shade online:まいこのShade教室「ミニ講座3 後半」および「ミニ講座5 後半」より出典。
  21. ^ オプトグラフ社のウェブサイトより出典。
  22. ^ ASCII 24「エクス・ツールス、『Shade Personal R4』にラジオシティ機能を追加する『Shade R4 Radiosity Kit』を発売」より出典。
  23. ^ イーフロンティア、3DCG作成ソフト「Shade 13」を発表 - ITmedia PC USER

外部リンク[編集]