オキナワイシカワガエル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Moss (会話 | 投稿記録) による 2011年6月3日 (金) 12:21個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (参考文献修正に伴い分類作成、分布、形態、生態、人間との関係修正、外部リンク修正)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

イシカワガエル
イシカワガエル
イシカワガエル Rana ishikawae
保全状況評価[a 1]
ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 両生綱 Amphibia
: 無尾目 Anura
亜目 : ナミガエル亜目 Neobatrachia
: アカガエル科 Ranidae
: ニオイガエル属 Odorrana
: イシカワガエル R. ishikawae
学名
Rana ishikawae
(Stejneger, 1901)
和名
イシカワガエル
英名
Isikawa's frog

イシカワガエルRana ishikawae)は、動物界脊索動物門両生綱無尾目アカガエル科ニオイガエル属に分類されるカエル。

分布

日本奄美大島沖縄島北部)[1][2][3][4]固有種[a 2]

形態

体長オス8.8-10.6センチメートル、メス10.5-11.7センチメートル[1][a 2]。頭部は大型だが、体型はやや細い[1][3]。背面の皮膚は円錐形の大型隆起や顆粒状の小型隆起で覆われる[1][a 2]。背面の体色は緑色(沖縄島)や黄緑色(奄美大島)で、黒褐色や紫褐色の斑紋が入る[1][3][a 2]。腹面の体色は白く、網目状に黒褐色の斑紋が入る[1]

指趾の先端は吸盤状で[4]、趾の間には水かきが発達する[1]

分類

奄美大島の個体群と沖縄島の個体群では形態や核型が異なるとされる[2][3][a 2]

生態

山地にある森林内を流れる渓流の周辺などに生息する[1][2][3][4][a 2]夜行性で、昼間は岩の割れ目などで休む[3]

食性は動物食で、昆虫ザトウムシ多足類甲殻類などを食べる[1][3][a 2]

繁殖形態は卵生。沖縄島の個体群は1-2月、奄美大島の個体群は4-5月に源流の近くにある岩の下や隙間、斜面地下にある伏流水が溜まった穴などに約1,000個の卵を産む[1][2][3][a 2]。幼生は8月に変態し幼体になるが、一部は翌年の5-6月に変態する[1][3][a 2]

人間との関係

開発による生息地の破壊などにより生息数は減少している[1][3][a 2]1985年沖縄県[3]2003年鹿児島県[a 3]天然記念物に指定されている。

絶滅危惧IB類 (EN)環境省レッドリスト[3][a 2]

参考文献

  1. ^ a b c d e f g h i j k l 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社2000年、126、210-211頁。
  2. ^ a b c d 千石正一監修 長坂拓也編著 『爬虫類・両生類800図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、306頁。
  3. ^ a b c d e f g h i j k l 千木良芳範 「イシカワガエル」『沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-動物編-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2005年、133-134頁。
  4. ^ a b c 深田祝監修 T.R.ハリディ、K.アドラー編 『動物大百科12 両生・爬虫類』、平凡社1986年、163頁。

関連項目

外部リンク