アリエル (衛星)

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アリエル
Ariel
ボイジャー2号が130000kmの位置から撮影したアリエル
ボイジャー2号が130000kmの位置から撮影したアリエル
仮符号・別名 Uranus I
発見
発見年 1851年
発見者 ウィリアム・ラッセル
軌道要素と性質
からの平均距離 191,020km
平均公転半径 190,900 km
離心率 (e) 0.0012
公転周期 (P) 2.52 日
軌道傾斜角 (i) 0.260° (天王星赤道)
天王星の衛星
物理的性質
直径 1162.2×1155.8×1155.4 km
半径 578.9 km
表面積 4,211,300km2
体積 812,600,000 km3
質量 1.35×1021 kg
平均密度 1.67 g/cm3
表面重力 0.27 m/s2
脱出速度 0.56 km/2
自転周期 同期回転
アルベド(反射能) 0.39
表面温度 ~58 K
Template (ノート 解説) ■Project

アリエル英語:Ariel、確定番号:Uranus I)は、天王星の第1衛星で、天王星の5大衛星の1つである。1851年ウィリアム・ラッセルによって発見された。

概要

大まかな組成は50%は、30%は珪酸塩鉱物、20%は固体メタンから成っている。天王星の衛星としては最も高いアルベドを持つ。

アリエルの表面は比較的新しく、クレーターと、深さが10km以上で 長さが何百kmにも及ぶつながり合った谷が見られ、途中に見えるいくつかの尾根は氷が噴き出したものだと考えられている。この地形はチタニアに似ているが、ずっと大きくより広い範囲に広がっている。半分くらい埋まったように見えるクレーターもあり、地表を平らにしようとする何らかの活動があったとされている。

アリエルはかつてはチタニアと4:1の軌道共鳴の関係にあり、離心率が今より大きかったと考えられている。そのため、この時期に天王星からの強い潮汐力を受けて地殻変動が活発になり、上記の地形が形成された可能性がある[1]

このように表面が更新された証拠を見せていることは、多くの科学者にとって予想しないことであった。

天王星の全ての衛星は、ウィリアム・シェイクスピアもしくはアレクサンダー・ポープの作品にちなんで名づけられる。アリエルはシェイクスピアの戯曲「テンペスト」に登場する空気の精霊の名にちなんで付けられた。

参考文献

「太陽系はここまでわかった」リチャード・コーフィールド著、水谷淳訳、文芸春秋、2008年

脚注

  1. ^ 宮本 英昭、平田 成、杉田 精司、橘 省吾『惑星地質学』東京大学出版会、2008年。 


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