アバター

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。かっぱん (会話 | 投稿記録) による 2020年6月14日 (日) 11:42個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (不要な文字を削除)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

掲示板などでユーザーを表すために用いられるアバターの例。飾り線に囲まれ、100x100px のサイズにされたもの

アバターアヴァター (avatar) は、自分(ユーザー)の分身となるキャラクターのこと。

特徴

アバター利用者であるユーザーに模した姿にされることがある一方、現実の自分と違う性別にしたり、カスタマイズした姿に合わせて性格を変えるなどして別の人間に「なりきる」など、ある種の遊びとしても機能する。無論、このような遊びやコミュニケーションの形はアバター出現以前から存在していたが、より視覚に訴えかけるアバターが出現したことから、容易になった。

基本的には感情などを直感的に相手に伝えるのに適しているが(アイコンという形でアバターの表情を変えられるサービスがついている)、従来の文字によるコミュニケーション(顔文字など)を強化する意味合いを持っている。

アバターを好んで使うのはライトユーザ層や初心者、それから10代の子どもに多いと言われている。[1][2][3]

アバターはWeb上のコミュニティで積極的に用いられており、これを作成すること自体は無料で出来る場合が多い。 モバゲータウンや似たようなサービスであるハンゲームなどは、ネットワークゲームを基本的に無料で提供し他の参加者とのコミュニケーションツールとして利用してもらい、多くのゲームにおいて自身を表すアバターのカスタマイズアイテムを有料化(アイテム課金)するという収入体系を持っている。

語源

サンスクリット語アヴァターラ(avataara अवतार)は、インド神話仏教説話の文脈で「(神や仏の)化身」の意味。「アバター」は、その(もしくはヒンディー語アヴタール英語表記したavatarの)西洋風の読み方で、概念が似ていることからネットワーク用語として転用されたもの。

なおネットワーク以前には、コンピュータRPGウルティマ』シリーズにおいてプレイヤーが操作するキャラクターを「アバタール」と称した用例がある。

歴史

世界ではじめてアバターを使用したサービスは、1985年ルーカスフィルムチップ・モーニングスターランダル・ファーマーによって開始されたビジュアルチャット『ルーカスフィルムズ・ハビタット(Lucasfilm's Habitat)』である。

日本では、ルーカスフィルムズ・ハビタットの日本語版として1990年2月10日富士通が大手パソコン通信ネットのNIFTY-SERVE(現@nifty)で開始したビジュアルチャット『富士通Habitat』(現『J-チャット』)が最初である。インターネットの黎明期(れいめいき)には、WCJ(疑似3Dチャット)とそのエンジンを利用したサービスなどが存在した。当初は現在e-Japan戦略で掲げられている電子政府・電子自治体の機能を、アバターを用いた仮想空間で実現することが構想されていた。

使用状況

アバターは、チャットの際にユーザの代わりに表示されるなど、その企業が提供しているサービスに、幅広く用いられることが多い。 例えば、

などなど、様々なサービスに用いられ、これ単体のみでサービス提供することは少ない。

また、これとは違うものとして、アップルが2010年2月9日に「オンラインストアでの訪問者の活動を表示する手法、システム、媒体」の特許を取得した。[4] アップルの説明によれば、オンラインストア上でアバターを表示させ、他の客との交流を楽しめるようにすることなどが提案されている。 これは、オンラインストアをアバターの視覚効果を利用してより現実に近付ける方法と言える。

関連項目

脚注

  1. ^ IT用語辞典e-wordsより
  2. ^ gooリサーチ 第8回ブロードバンドコンテンツに関する調査、「(4)アバターの利用経験は約4分の1-年齢別にみると、10代によるアバター利用率が高くなっており、半数近くがすでに何らかのアバターを利用したことがあるという結果になっている。(2007年10月4日報道発表資料) 2012年2月5日 閲覧
  3. ^ ITmedia ニュース「"モバゲーの手本"ハンゲームに聞く、アバター仮想世界の作り方」「ハンゲームで積極的にアバターを利用しているユーザーは、10代が中心。」(2007年8月13日 12時10分更新) 2012年2月5日 閲覧
  4. ^ Apple、アバターで買い物できるバーチャルストアの特許取得