ふたなり

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ふたなり二成双成二形)とは一つのものが二つの形状を持つことをいい、特に一人で男性と女性の性器を兼ね備えた、いわゆる両性具有半陰陽を指す。半陰陽の意味では、はにわり半月)ともいう。

概要

古来の日本では半陰陽という二極に分類できない第三の性という概念で使用されてきた。

ただし、平安時代後期に書かれた病草紙には「二形」という題で男性の占い師が半陰陽だったという話が描かれている。半陰陽の形態としてのそれは両方の性器を持った存在を表すものであり、狭義には卵巣を持ち、外性器が男性形である女性半陰陽を指すことが多い。

「ふたなり」と「在原業平」を合わせた「ふたなりひら」という言葉もあり、半陰陽の意味のほかに女性のように美しい男性のことを指す。

創作物におけるふたなり

現代日本では、おもに性的な対象として半陰陽者を扱った成人向け漫画やアダルトゲームアダルトビデオで多く見られる。半陰陽や両性具有といった言葉の婉曲表現として「ふたなり」という表現が使用されることが多く、登場人物の特性としてもジャンルそのものとしても用いられる。ふたなり描写を多数描く漫画家イラストレーターがいるなど、一部では萌えの属性やフェティシズムともみなされている。一方、官能小説でふたなり描写を前面に押し出した作品は極めて少ないが、結城映一作『淫妖伝』や山藍紫姫子作『アレキサンドライト 』などがある。

漫画やゲームの世界では、両方の性器が正常に機能する、完全な両性具有として描かれることが多い。また、その性器の配置に関しては作家によって差異はあるものの、男性もしくは女性のどちらとも言えない形にすることが多い。ただし、性格は女性であることが非常に多い。さらに体質として、絶倫、巨根(極端なケースではオートフェラチオなどができるほどの大きさの場合も)、まれに性器自体が柔軟、性器が複数ある(複根)、精液の量が異様に多いというケースもある。

睾丸がある場合とない場合の両方あるなど、成人向けのメディアでは医学的な半陰陽と思われる表現はほぼ皆無である。また、呪術や人体改造、生物の寄生などで陰核が男性器へと変化するケースも見られる。まれに肉体改造などで陰核を肥大化させたものや、特異体質で陰核自体が特殊で細く長く柔らかいものを男性器として扱い挿入するケースもある。先天的にせよ後天的にせよ、キャラクターがこのような身体的特徴を持つにいたった経緯が作中で全く説明されない場合も多い。日常ではありえない不条理なシチュエーションのひとつとして、唐突に描かれることもまた多い。

ふたなりとは異なる概念だが、ボーイズラブでは「やおい穴」とよばれるものが存在し、半ば女性器のような機能を有しているものもあり、これはこのジャンル特有の奇異たる描写とされている。

成年コミック業界においては、レズビアン物+αの要素、あるいはシーメールの円滑表現という魅力から、一定の読者ニーズが存在する。代表的な作品として「ふたなりっ娘の世界」(茜新社)や「ふたなりエクセレント!」(一水社)等のアンソロジー単行本が発売されている。

また、ゴルゴ13の初期作『バラと狼の倒錯』の標的にもふたなりの人物が登場する。その人物は完全な両性具有で、ふたなりがゆえの境遇から、依頼を受けるきっかけの犯行に至ったと描かれた。仕事を終えた後、標的の境遇を聞いたゴルゴは表情を変えていた。

ふたなりを題材にした創作物

関連項目

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