おかげ杯

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おかげ杯(おかげはい)は、30歳以下の棋士によって行われる日本囲碁棋戦2010年創設。正式タイトル名はおかげ杯囲碁トーナメント。本戦は三重県伊勢市おかげ横丁で開催され、棋戦名もこれに由来する。若手棋士の育成強化という目的を達成することができたとして[1]、2020年第11回で終了。非公式戦として開催されていたが、第11回のみ公式戦として行われた。

2014年から2019年まで、若手国際団体戦のおかげ杯国際新鋭対抗戦も開催されている。

おかげ杯囲碁トーナメント[編集]

おかげ杯
公式戦(第11回のみ)
正式名称 おかげ杯囲碁トーナメント戦
概要
主催 日本棋院
協賛 濱田総業
優勝賞金 300万円
決勝 一番勝負
棋戦形式 16名によるトーナメント戦
持ち時間 無し
秒読み 1手30秒、1分の考慮時間10回
創設年 2010年
終了年 2020年
開催時期 本戦: 5月
公式サイト おかげ杯 日本棋院
記録
最多優勝 一力遼(4回)
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方式[編集]

  • 16名によるトーナメント戦。前回優勝者は本戦にシードで、日本棋院棋士の出場枠が13名、関西棋院棋士が男女各1名(第8回 - )。
    • 第1-2回は、日本棋院棋士のみの出場。シード4名と予選通過者12名。
    • 第3-7回は、関西棋院の棋士も参加。シード4名と、予選を通過した日本棋院棋士10名、関西棋院棋士2名(男女1名ずつ)。
  • コミは、6目半。
  • 持時間は1手30秒、1分単位の考慮時間が10回。
  • 優勝賞金300万円。

歴代優勝者と決勝戦[編集]

左が優勝者

おかげ杯国際新鋭対抗戦[編集]

方式[編集]

  • 日中韓台4か国の代表チームによって、総当たりでリーグ戦が行われる。その結果上位同士、下位同士で対戦し順位を確定する。団体戦メンバーは第1回は男子2名女子1名の3人、第2回以降は男子3名女子2名の5人。第1回の決勝は主将戦で行われた。
  • 国際新鋭対抗戦女流個人戦の参加者は各国1名で、団体戦選手も兼ねる。団体戦と同様リーグ戦上位同士、下位同士で順位決定戦を行う。第1回でのみ行われた。
  • 団体戦の優勝賞金は450万円(第2回 - 。第1回は270万円)。そのほかに成績優秀者への個人賞がある。女流個人戦は優勝賞金20万円。
  • コミ6目半。持時間は1手30秒、1分単位の考慮時間が10回。

結果[編集]

対抗戦
回次 年度 優勝 2位 3位 4位
1 2014 韓国
羅玄、金庭賢、朴志娟
中国
柯潔連笑曹又尹
中華台北
王元均陳詩淵蘇聖芳
日本
一力遼瀬戸大樹謝依旻
2 2015 韓国
尹畯相安国鉉李志賢崔精呉侑珍
日本
伊田篤史、一力遼、余正麒、謝依旻、藤沢里菜
中国
楊鼎新黄雲嵩范蘊若王晨星於之瑩
中華台北
(陳詩淵、林立祥蕭正浩黒嘉嘉、兪俐均)
3 2016 中国
(范蘊若、童夢成、黄雲嵩、於之瑩、陳一鳴)
韓国
李東勲、李志賢、朴珉奎、呉侑珍、金彩瑛
中華台北
林君諺、蕭正浩、楊博崴、黒嘉嘉、蘇聖芳)
日本
(伊田篤史、一力遼、安斎伸彰、謝依旻、奥田あや)
4 2017 中国
范蘊若李軒豪童夢成李赫魯佳
韓国
金明訓、韓態熙、李映九崔精呉侑珍
日本
(村川大介、李沂修、寺山怜、藤沢里菜謝依旻
中華台北
王元均、許晧鋐、蕭正浩兪俐均、蘇聖芳)
5 2018 韓国
申眞諝、金明訓、李志賢、崔精、呉侑珍)
中国
(范蘊若、李軒豪、陶欣然、於之瑩、陸敏全
日本
(一力遼、余正麒、許家元、謝依旻、藤沢里菜、謝依旻)
中華台北
(王元均、林士勛、林君諺、蘇聖芳、楊子萱)
6 2019 韓国
申旻埈、卞相壹、李志賢、崔精、呉侑珍)
中国
(范蘊若、廖元赫許嘉陽、於之瑩、周泓余
日本
安達利昌、一力遼、芝野虎丸上野愛咲美、藤沢里菜)
中華台北
許皓鋐、王元均、林君諺、楊子萱、兪俐均
女流個人戦
  • 第1回(2014年) 優勝:朴志娟(韓国) 準優勝:曹又尹(中国) 3位:謝依旻(日本) 4位:蘇聖芳(台湾)

第1回[編集]

2014年11月1-2日

団体戦

予選

チーム/相手
中国
韓国
日本
中華台北
チーム勝数
個人勝数
順位
中国 3-0 3-0 3-0 3 9 1
韓国 0-3 - 3-0 2-1 2 5 2
日本 0-3 0-3 - 2-1 1 2 3
中華台北 0-3 1-2 1-2 - 0 2 4

決勝戦

  • 羅玄(韓国) - 柯潔(中国)、3位決定戦 王元均(中華台北)- 一力遼(日本)
女子個人戦
  • 1位決定戦 朴志娟(韓国)- 曹又尹(中国)、3位決定戦 謝依旻(日本) - 蘇聖芳(中華台北)

第2回[編集]

2015年10月2-3日

予選

チーム/相手
韓国
日本
中国
中華台北
チーム勝
個人勝
順位
韓国 4-1 4-1 5-0 3 13 1
日本 1-4 - 2-3 4-1 1 7 2
中国 1-4 3-2 - 2-3 1 6 3
中華台北 0-5 1-4 3-2 - 1 4 4

第3回[編集]

2016年10月14-15日

予選

チーム/相手
中国
韓国
日本
中華台北
チーム勝
個人勝
順位
中国 - 4-1 4-1 5-0 3 13 1
韓国 1-4 - 5-0 4-1 2 10 2
日本 1-4 0-5 - 3-2 1 4 3
中華台北 0-5 1-4 2-3 - 0 3 4

第4回[編集]

2017年10月14-15日

予選

チーム/相手
韓国
中国
日本
中華台北
チーム勝
個人勝
韓国 - 5-0 2-3 4-1 2 11
中国 0-5 - 5-0 5-0 2 10
日本 3-2 0-5 - 3-2 2 6
中華台北 1-4 0-5 2-3 - 0 3

第5回[編集]

2018年10月14-15日

予選

チーム/相手
中国
韓国
日本
中華台北
チーム勝
個人勝
中国 - 3-2 4-1 4-1 3 11
韓国 2-3 - 4-1 5-0 2 11
日本 1-4 1-4 - 3-2 1 5
中華台北 1-4 0-5 2-3 - 0 3

第6回[編集]

2019年10月14-15日

リーグ戦

チーム/相手
中国
韓国
日本
中華台北
チーム勝
個人勝
中国 - 3-2 4-1 4-1 3 11
韓国 2-3 - 3-2 3-2 2 8
日本 1-4 2-3 - 4-1 1 7
中華台北 1-4 2-3 1-4 - 0 4

脚注[編集]

  1. ^ 最後のおかげ杯、一力二冠Vで有終の美”. 産経ニュース (2020年12月22日). 2022年11月4日閲覧。

外部リンク[編集]