WASP-11b/HAT-P-10b

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WASP-11b/HAT-P-10b
太陽系外惑星 太陽系外惑星の一覧
Exoplanet Comparison WASP-11-HAT-P-10 b.png
木星との比較図
主星
恒星 WASP-11/HAT-P-10[1]
星座 ペルセウス座
赤経 (α) 03h 09m 28.55s[2]
赤緯 (δ) +30° 40′ 24.9″[2]
視等級 (mV) 11.89
距離 408+20
−16
[2] ly
(125+6
−5
[2] pc)
スペクトル分類 K3V[3]
軌道要素
軌道長半径 (a) 0.0439+0.0006
−0.0009
[2] AU
離心率 (e) 0[2]
周期 (P) 3.7224690 ± 0.0000067[2] d
軌道傾斜角 (i) 88.5 ± 0.6[2]°
通過時刻 (Tt) 2454729.90631 ± 0.00030[2] JD
準振幅 (K) 69.1 ± 3.5[2] m/s
物理的性質
質量 (m) 0.460 ± 0.028[2] MJ
半径 (r) 1.045+0.050
−0.033
[2] RJ
密度 (ρ) 498 ± 64[2] kg/m3
表面重力 (g) 10.5[2] m/s²
表面温度 (T) 1030+26
−19
[2] K
発見
発見日 2008年4月1日 (発表)
2008年9月26日 (プレプリント)
発見者 Westら(スーパーWASP)
Bakosら(HATネット
発見方法 食検出法
観測場所 南アフリカ天文台
現況 Independently confirmed
他の名称
WASP-11b, HAT-P-10b
参照データベース
Extrasolar Planets
Encyclopaedia
data
SIMBAD data

WASP-11b/HAT-P-10bとは、2008年に発見された太陽系外惑星太陽系からペルセウス座の方角に400光年離れた位置にあり、WASP-11/HAT-P-10と名づけられたK型主系列星を周回している。軌道半径が0.0439AU質量木星の半分程度のホット・ジュピターである。

発見と命名の経緯[編集]

最初にこの惑星が報告されたのは2008年4月で、スーパーWASP計画が一斉に公表した10個の惑星(WASP-6bからWASP-15b)にWASP-11bとして含まれていた。この時点では惑星の性質を確認するには至らず、惑星の特定につながる恒星の座標などの情報を伏せたまま観測が続けられた[4]

2008年9月26日、スーパーWASPとは別のプロジェクトであるHATネットが、系外惑星HAT-P-10bの発見を報告する論文を、プレプリントとしてarXivで公開した[5]。同日、スーパーWASPはWebサイト「太陽系外惑星エンサイクロペディア」で別のプレプリントを発表し[6]、WASP-11bとHAT-P-10bが同一の天体であることが明らかになった。その後両チームは惑星の名前として双方の名称を繋ぎ合わせたものを使用することで合意した[7]

惑星の性質[編集]

発見当時のWASP-11b/HAT-P-10bは、トランジットが検出された惑星として、グリーゼ436bHD 17156 bに続いて三番目に日射量が少ない天体だった[6]。惑星の温度はホットジュピターとしては高くないため、大気に含まれる酸化チタン(II)酸化バナジウム(II)が少なく、気温の逆転層も存在しないと考えられている。このような惑星は、pL型という分類名で呼ばれる[8]

別のホットジュピターの分類法としては、惑星の平衡温度とサフルノフ数に基づいたものが提唱されている。サルフノフ数とはある天体が他の天体を重力散乱させる能力の指標で、理由は詳しく分かっていないものの、トランジットが観測された系外惑星では二分化した傾向が見られる。クラスIの惑星は平衡温度の割りに高いサフルノフ数を持ち、低温の主星を公転している場合が多い。クラスIIの惑星はその逆になっている[9]。WASP-11b/HAT-P-10bの場合は、アルベドを0と仮定した場合の平衡温度は1030Kで、サフルノフ数は0.0471±0.003と算出された。これに上記の分類法を適用すると、クラスIとクラスIIの境界付近に相当する[5]

脚注[編集]

  1. ^ Schneider, J.. “Notes for star WASP-11/HAT-P-10”. The Extrasolar Planets Encyclopaedia. 2008年9月29日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Bakos et al.; Pál, A.; Torres, G.; Sipőcz, B.; Latham, D. W.; Noyes, R. W.; Kovács, Géza; Hartman, J. et al. (April 28, 2009). “HAT-P-10b: A LIGHT AND MODERATELY HOT JUPITER TRANSITING A K DWARF”. The Astrophysical Journal 696 (2): 1950–1955. doi:10.1088/0004-637X/696/2/1950.  (arXiv preprint)
  3. ^ West, R. G. et al. (2008年). “The sub-Jupiter mass transiting exoplanet WASP-11b”. arXiv:0809.4597v1 [astro-ph]. 
  4. ^ The Planets”. SuperWASP. 2009年11月14日閲覧。
  5. ^ a b Bakos, G. Á. et al. (2009). “HAT-P-10b: A Light and Moderately Hot Jupiter Transiting A K Dwarf”. The Astrophisical Journal 696 (2): 1950-1955. http://ads.nao.ac.jp/abs/2009ApJ...696.1950B. 
  6. ^ a b West et al. (2009). “The sub-Jupiter mass transiting exoplanet WASP-11b”. Astronomy and Astrophysics 512 (1): 395-400. http://ads.nao.ac.jp/abs/2009A%26A...502..395W. 
  7. ^ Note for star WASP-11/HAT-P-10”. The Extrasolar Planets Encyclopaedia. 2009年11月15日閲覧。
  8. ^ Fortney, J. J. et al. (2008). “A Unified Theory for the Atmospheres of the Hot and Very Hot Jupiters: Two Classes of Irradiated Atmospheres”. The Astrophysical Journal 678 (2): 1419-1435. http://adsabs.harvard.edu/abs/2008ApJ...678.1419F. 
  9. ^ Hansen, B. M. S.; Barman, T. (2007). “Two Classes of Hot Jupiters”. The Astrophysical Journal 671 (1): 861-871. http://adsabs.harvard.edu/abs/2007ApJ...671..861H.