UDFj-39546284

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UDFj-39546284
Hudf09z10nl.png
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したUDFj-39546284の形
(擬似カラー画像)
仮符号・別名 UDF12-3954-6284
星座 ろ座
視等級 (V) 30.1以下
視直径 176 ミリ秒[1]
分類 銀河?
発見
発見日 2011年1月26日(公表日)[2]
(2009年8月~2010年9月に撮影)
発見者 ハッブル宇宙望遠鏡
発見方法 ハッブル宇宙望遠鏡の広域カメラ
WFC3」による長時間露出
撮影写真の分析
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α) 03h 32m 39.54s
赤緯 (Dec, δ) -27° 46′ 28.4″
赤方偏移 約10.3 ± 0.8[3][4]
約11.9 +0.3
−0.5
[5][6][7]
絶対等級 (MV) -14.9以下
赤方偏移が10.3の場合のパラメーター
見かけの距離 132億4100万 光年[1]
実際の距離 313億7100万 光年[1]
見かけの後退速度 295133 km/s[1]
実際の後退速度 652330 km/s[1]
赤方偏移が11.9の場合のパラメーター
見かけの距離 133億2200万 光年[8]
実際の距離 323億4600万 光年[8]
見かけの後退速度 296211 km/s[8]
実際の後退速度 672620 km/s[8]
物理的性質
直径 約1000 光年
質量 約108 M
色指数 (V-H) > 2
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UDFj-39546284は、ろ座の方向にある極めて遠方に存在する天体である。最も遠い天体である可能性がある。

概要[編集]

UDFj-39546284は、知られている中で地球から2番目に遠い場所にある天体である[2]。宇宙の遠くを見るということは、より古い時代を観測する事になるので、最も古い時代の天体である事になる。赤方偏移zの値が約10.3 ± 0.8と、初めて観測された10以上の値を示す天体である。地球からの距離は313億7000万光年[1]であり、時代は132億4100万年前の天体である。これは宇宙の年齢の4%、宇宙誕生から約5億5700万年経った頃にある天体である[3][9]。これは、かつて最も遠かったUDFy-38135539の300億3200万光年 (z=8.55) より、13億3800万光年遠く、1億3500万年古い天体である[10]。しかし、2012年になって、316億3300万光年離れた距離にあるMACS0647-JDが発見され、史上最も遠い天体の座を明け渡した[11]。しかし、MACS0647-JDの発表からほぼ1ヵ月後になって、UDFj-39546284の赤方偏移の値が11.9である可能性が示され、再び最も遠い天体に返り咲く可能性が出た[6][7]。仮に正しければ、見かけの距離は133億2200万光年、実際の距離は323億4600万光年となる[8]

UDFj-39546284は、先述の通り今まで赤方偏移の値は約10.3となっていたが、2012年12月になって約11.9である可能性が示された。10.3という値は、ハッブル宇宙望遠鏡の1600nmのフィルターを通してUDFj-39546284を撮影し得られた値であるが、11.9という値は、新たに1400nmのフィルターを通して撮影した結果、撮影できる範囲の明るさにUDFj-39546284が写ってなかったことによるものである。極端な性質を持つ赤方偏移2~3という極めて近い距離にある輝線銀河である可能性が残っているが、仮にそれである場合は未知のタイプの銀河になるため、正確な値はともかく、恐らく極端に遠い場所にある銀河であることは間違いない。ただし値の確かさとしてはMACS0647-JDの方が上であり、どちらが本当に遠い天体であるかは2018年以降に打ち上げ予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測を待つことになる[5][6][7]

物理的性質[編集]

UDFj-39546284の赤外線画像(中央赤)

UDFj-39546284の直径は約1000光年と、銀河系の100分の1の大きさである[10]。これは、わずか150万年前~250万光年違う距離で観測された銀河のわずか20分の1の大きさである[12]。質量は銀河系の1万分の1であると推定されている。恐らく、現在の我々の銀河を含む銀河の最も初期の形態であると考えられているが、ライマンα線による分光観測が行われていないため、銀河であるかは確定していない。ライマンα線によって銀河であることが確定しているのは、290億5000万光年先にあるz8_GND_5296である[13]。非常に複雑な形をしているが、これは、宇宙がまだ小さかった時代に、他の銀河との複雑な重力相互作用によって形が変形しているためと言われている。通常の銀河で一般的にイメージされるような、渦巻き構造を持つには小さすぎると考えられている[2]。UDFj-39546284の色は、赤方偏移によって非常に暗い赤色をしているが、実際には青色である。

宇宙誕生から間もない銀河の星形成は速いと考えられているが、UDFj-39546284の時代から1億7000万年後の銀河と比較すると、銀河内部で星が作られる速さが10倍も加速している事が分かった[10][2]

距離[編集]

UDFj-39546284の地球からの見かけの距離は133億2200万光年[1]であるが、実際には宇宙が膨張している事から、実際の距離は323億4600万光年[8]である。また、UDFj-39546284の後退速度は、地球から見れば29万6211km/s[1]光速の98.5%もの速度で遠ざかって見える事になる。しかし、実際には空間の膨張も加算されるため、実際の後退速度は67万2620km/sとなる[8]。ただし、スペクトル分析がされていないため、完全には赤方偏移の値、即ち距離が確定していない。UDFj-39546284のz=10から、宇宙マイクロ波背景放射z=1000までの領域は、未だ謎に包まれている[2]

波長[編集]

UDFj-39546284は赤外線でのみ観測可能であるが[2]、赤外線は赤方偏移により波長が引き伸ばされた結果であり、天体が放出した際の波長は、実際には紫外線である。UDFj-39546284が小さく見えるのは、自身の紫外線の放射により、周りの水素電離して光子がまっすぐに飛ばず、放射量が実際より少なく見えるからであるという説がある。暗黒時代には、宇宙の晴れ上がりで電気的に中性となった水素で満ちており、最初期の恒星から放出する強い紫外線が、水素の再電離を起こし、晴れ上がり前の宇宙と同じような状況を局所的に起こしている可能性がある[14]

観測[編集]

UDFj-39546284の詳細な位置

ハッブル宇宙望遠鏡に搭載された広域カメラ「WFC3」が2009年8月から2010年9月(総露出時間87.2時間)に撮影した「HUDF09」という領域の画像の中から発見された[4][12]。距離は赤方偏移から推定された。ただし、スペクトル分析を行うにはあまりにも暗すぎるため、距離の確定、及び天体の種類の確定には、2018年以降に打ち上げ予定のジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による観測を待つことになる[10]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h z=10.3 - 赤方偏移と距離の関係
  2. ^ a b c d e f NASA's Hubble Finds Most Distant Galaxy Candidate Ever Seen in Universe - NASA
  3. ^ a b CLASH: Three Strongly Lensed Images of a Candidate z~11 Galaxy arXiv
  4. ^ a b Hubble pushes to the limit - ASRROMONY NOW ONLONE
  5. ^ a b The Abundance of Star-Forming Galaxies in the Redshift Range 8.5 to 12: New Results from the 2012 Hubble Ultra Deep Field Campaign arXiv
  6. ^ a b c Hubble Provides First Census of Galaxies Near Cosmic Dawn HubbleSite
  7. ^ a b c Hubble census finds galaxies at redshifts 9 to 12 ESA
  8. ^ a b c d e f g z=10.3 Redshift-Distance Relation : 赤方偏移と距離の関係
  9. ^ Planck 2013 results. I. Overview of products and scientific results Astronomy & Astrophysics
  10. ^ a b c d 史上最遠、132億光年かなた?の銀河を発見 - AstroArts
  11. ^ CLASH: Three Strongly Lensed Images of a Candidate z ~ 11 Galaxy arXiv
  12. ^ a b Galaxies at redshift 10 A Search for Galaxies just 500 Million Years After the Big Bang - firstgalaxies
  13. ^ A galaxy rapidly forming stars 700 million years after the Big Bang at redshift 7.51 nature
  14. ^ Astronomers find most remote galaxy ever seen... 13 BILLION light years away - MailOnline

関連項目[編集]

座標: 星図 03h 32m 39.54s, -27º 46' 28.4''