2台のピアノと打楽器のためのソナタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

2台のピアノと打楽器のためのソナタ』 Sz.110,BB 115(2台のピアノとパーカッションのためのソナタ、ハンガリー語:Szonáta két zongorára és ütőhangszerekre、: Sonata for Two Pianos and Percussion)は、ハンガリーの作曲家ベラ・バルトーク1937年に作曲した、2名のピアニストと2名の打楽器奏者のための室内楽曲1940年には2管編成の管弦楽を加えた協奏曲版(『2台のピアノと打楽器のための協奏曲』 Sz.115,BB 121)も作られた。

概要[編集]

弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽』を委嘱したパウル・ザッハーが、1937年の春に、自身が代表を務めていた国際現代音楽協会バーゼル支部が翌年初めに行う10周年記念演奏会のために室内楽曲を書いて欲しいと再度の委嘱を行ったことによって作曲された作品である。依頼から初演まで1年もなかったことからバルトークは「時間があまりない」と不安を漏らしながらも、

  • 2台のピアノと2人の打楽器奏者による4重奏曲
  • ピアノ3重奏曲
  • 声とピアノを使った室内楽曲

の3案を提示した。ザッハーがもっとも興味を示したのはバルトーク自身もチャレンジしようとしていた「2台のピアノと2人の打楽器奏者による4重奏曲」で、バルトークもこのスタイルで書くことを決めて同年夏を費やして作曲された。なおこの年から協奏曲版の構想が始まったが、完成は1940年となった。

前年に完成した『弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽』と同じく打楽器が活躍するが、その扱いは更に音楽的になり、打楽器が真の音楽性の中で生かされる極限を示している[3]

編成[編集]

打楽器奏者が2名で困難な場合は、シロフォンを独立させて第3の奏者に演奏させる。

構成[編集]

第1楽章
アッサイ・レント - アレグロ・モルト、9/8拍子。室内楽の第1楽章としては異例の長さを持つ。神秘的なスタイルの序奏で始まり、活発なソナタ形式の主部(ハ調)へと推移する。
第2楽章
レント・マ・ノン・トロッポ、4/4拍子 - 3/2拍子。ヘ調。三部形式。しばしば「夜の歌」と言われるバルトーク特有のゆっくりした静かな曲。
第3楽章
アレグロ・ノン・トロッポ、2/4拍子。ハ(長)調。ロンドソナタ形式。

参考文献[編集]

  • 『名曲解説全集(9)・室内楽(下)』音楽之友社、1950年
  • 『バルトーク全集 室内楽作品第1集』 フンガロトン社 ライナーノーツ(ヤーノシュ・コバーチ解説)

脚注[編集]

  1. ^ バルトークは9月2日付の手紙でザッハーに完成を連絡している。
  2. ^ 妻はディッタ・バルトーク(ディッタ・パーストリ)。
  3. ^ 『名曲解説全集(9)・室内楽(下)』