雷サージ
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雷サージ(らいサージ、かみなりサージ 英:lightning surge)とは、雷の影響により発生する過渡的な異常高電圧、すなわち「雷大波電圧」(雷サージ電圧)、その結果流れる過渡的な異常大電流「雷大波電流」(雷サージ電流)のことをまとめていう。
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[編集] 概要
落雷(対地放電)であれば、雷雲と大地との間に形成されている、いわゆる放電回路の一部、すなわち、落雷地点のインピーダンスにより、落雷地点の電位が上昇、近傍の不均一なインピーダンスに従って落雷地点から各方向に、雷の電気エネルギーが減衰(熱変換)されるまで、瞬間的あるいは断続的に、不均一な減衰振動電流を生じる。この回路中に架設(架空)された電線などがあり、ここに落雷を受けると、電線にはそのインピーダンスに従った電流が生じる。また集合住宅や建築物の避雷針に落雷した場合などでは、落雷電流の一部がその接地を経由して建物内の電気機器などに回り込むことがある。これらをまとめて「直撃雷サージ」という。
稲妻は放電であるため、稲妻により形成される電磁界により、架設された電線などには電磁誘導により電流が生じる。また、雷雲同士で放電(雲放電・雲間放電)を生じた場合、たとえ落雷に至らなくとも、雷雲とその直下の大地との間に蓄積されていた電荷量が変わり、雷雲と大地の間にある架設された電線などに「拘束」されていた電荷が電線を流れる。さらに樹木や地面に落雷した場合などでは、猛烈な電磁界により、その近傍の電線などに電流を生じる。これらをまとめて「誘導雷サージ」という。
雷の多い地方では被害が多く、落雷地点およびその近傍のみならず、電線などを通じて雷サージが遠方まで伝搬し、比較的広範囲に被害が及ぶことがある。
[編集] 雷サージによる被害と対策
雷サージは、しばしば家庭やオフィスなどの家電製品などにダメージを与える。電話機やモデムなど、すなわち電源ケーブルと、電話線や同軸ケーブルなどの通信線路が接続されている機器(通信機器)に被害が多い。たとえ大きな雷サージ電圧であっても、回路がなく、また回路はあっても電位差が生じなければ雷サージ電流は流れない。すなわち電源と通信線路の間に大きな電位差が生じ、一方の電路から侵入した雷サージ電流が通信機器の内部回路を経由してもう一方の電路に抜け出す、つまり通信機器が雷サージ電流の経路となってしまっていることが多いためである。また接地線(アース線)も同様の働きをすることがある。通信機器のみならず、これに接続されたパソコンやLAN機器にまで被害が及ぶこともある。
ダメージの程度はさまざまであるが、すぐ近くに落雷があった場合などでは電源コンセントにつながれている電気機器内部の回路や、場合によっては配電盤などまで焼損、停電状態となり修理が必要となることもある。避雷針の無い建物に落雷を受けた場合などでは、最悪、建物火災に至ることもある。
雷サージ電圧は大きく、電気機器に電源が入っていない、すなわち電気機器の電源スイッチを切の状態としても多くの場合、その効果は期待できず、電源スイッチを飛び越して雷サージ電流は流れるため、雷注意報が発表された時や、遠雷が聞こえた時には、直ちに電源ケーブルや電話線などの全てを抜くことが望ましい。万が一にも雷サージに感電しないために至急の処置が望まれる。近くに落雷するような状況では、回避はもう困難であるので、直ちに機器から十分に離れ、人身の安全を最優先としなければならない。
雷サージによる被害を軽減するための、いわゆるサージプロテクタとして、コンセント取り付け型あるいはテーブルタップ型の器具なども市販されている。また無停電電源装置などにはサージプロテクタが内蔵されているものもあるが、これらには全て限界があり、過信は禁物である。
なお、メタル電話線の保安器は、旧来の黒電話で通話中の人に危害が及ばないレベルの防護を想定して設計されており、雷サージに特に弱い電子機器に対する防護器具としては役に立たない。
本格的には、地域性、建物の条件などから、ケース・バイ・ケースで総合的に検討する必要がある。素人判断は危険であるので、家庭用のサージプロテクタなどについても、販売店などとよく相談することが望まれる。また場合によっては、電力会社や電話会社などと相談することも必要である。
[編集] 参考文献
- 「雷害リスク」 妹尾堅一郎編 雷害リスクコンソーシアム著 ダイヤモンド社 ISBN 4-478-45047-1

