進行性骨化性線維異形成症

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進行性骨化性線維異形成症(しんこうせいこつかせいせんいいけいせいしょう、英:Fibrodysplasia Ossificans ProgressivaFOP)とは、結合組織に発生する稀な遺伝子疾患である。発症率は200万人に1人といわれている。

2007年3月12日に開かれた厚生労働省の第4回特定疾患対策懇談会において、「子供のころから発症し死に至る可能性がある」として、新たな認定としては約4年振りに、進行性骨化性線維異形成症を国指定の難病として認定することを決めた。

身体の矯正メカニズムが線維性組織に起こす難病であり、筋肉靭帯が骨組織に変化して硬化する。多くの症例において、それらの症状によって関節が固定されて動かなくなってしまう。組織増殖は外科手術で治療することは不可能である。そのような手術をしても次から次へと骨組織が増殖してしまうからである。

病状診断[編集]

数年に渡って骨組織が増殖して関節を固定するため、患者は歩くことや食事、呼吸さえも自力で出来なくなってしまう。この疾患は一般に骨化することで内部組織を押しつぶし、最終的には死に至ることになる。患者は30歳までに身体を動かすことが出来なくなり40歳以上命を長らえさせることは稀である。現在の段階では治療不能の病気と考えられている。

症状[編集]

  • 進行性骨化性線維異形成症を煩った子供は短く大きな爪先が特徴である。
  • 生まれつきの外反母趾
  • 進行性骨化性線維異形成症骨組織を構成するに至る最初の症状は10歳前に起こる。
  • 腫瘍状の塊が一夜の内に発生することが多い。
  • この病気は奇病であるため症状はガンと診断されることもある。この症状によって医師は生検を行う場合があるが、このことが結果として腫瘍の増殖を進行させる原因となることがある。

症例[編集]

1800年代以降、文字通り「石化」と医学文献には表現されていたが、現在においてはこれらの症状の原因をFOPと見なすことが可能である。

現代においてもっとも著名なFOPの患者は、1933年12月、フィラデルフィア生まれのハリー・ライモンド・イーストラック・ジュニアである。彼の症状は10歳で進行し、40歳の誕生日を迎える1週間前、1973年、肺炎で死に至った。彼の身体は完全に骨化しており、わずかに唇を動かすことのみ可能であった。

彼は死の直前、自分の身体を医学の発展のために提供して、この病気を治療するために役立つことを望んだ。これによって彼は世に知られることになった。

彼の望みどおり、彼の骨格はフィラデルフィア医科大学内のムッター博物館(Mütter Museum)に保存され、FOPの研究に貴重な資料を提供している(ムッター博物館による解説)。

治療法[編集]

FOP患者は体を動かす場合に特に気をつけなければならないことがある。それには高い場所から飛び降りたり、打撲をしないように細心の注意をし、骨組織を増殖させる原因となりうる筋肉注射は避けることなどが含まれる。同様に運動の際に日常的に曲げる角度を超えて関節を曲げてはならない。

現時点では、一度症状が現れてから骨増殖を抑える完全な予防治療は存在しない。しかし将来的には遺伝子治療の可能性はありえる。

原因[編集]

常染色体2番染色体の長腕(q23-24)にある優性対立遺伝子が原因である。

この対立遺伝子は表現度の差異は存在するが完全浸透を示す。FOP患者の殆どは子どもを遺せないので、症例の殆どは健常な両親のどちらかの配偶子に起きた突然変異が原因となっている。発症頻度は2百万人に1人(1世代当たり1.8(SE±1.04)×10-6回の割合で変異)[1]。より症状の軽い類縁疾患として線維性骨異形成があるが、こちらは接合後変異受精より後に起きる突然変異)が原因となる。

この疾患は、ACVR1遺伝子(別名:2型アクチビン様受容体キナーゼ(Activin-like receptor kinase 2)遺伝子、ALK2)の変異に起因する[2]ACVR1遺伝子は、1型骨形成タンパク質受容体の一種である1型アクチビン受容体(=ACVR1タンパク)をエンコードしている。変異により、ACVR1タンパクの第206残基がヒスチジンからアルギニンに置き換わる[3]。これによって内皮細胞間葉幹細胞に形質転換し更に化生するという異常が起きやすくなる[4]

資料[編集]

脚注[編集]

外部リンク[編集]