警部マクロード

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警部マクロード」(けいぶ-、"McCloud")は、1970年から1977年までアメリカNBCで放送されたテレビドラマ。120分枠のパイロット版1話と、60分枠版6話、90・120分枠版39話が制作され、日本では60分枠版が1974年テレビ朝日から「マクロード警部」のタイトルで、90・120分枠版が1975年から1977年にかけてNHKから「警部マクロード」のタイトルで放送された。

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[編集] 概要

本シリーズは、デニス・ウィーバー演ずるニューメキシコ州タオスの保安官補サム・マクロードの活躍を描く(邦題では、アメリカの警察制度になじみのない視聴者のために、警部とされている)。マクロードは、ニューヨーク市警に研修に来ており、カウボーイハットとシープスキンのジャケット姿で、大騒動を引き起こしながらも事件を解決していく。上司のクリフォードは、そんなマクロードの力量は認めながらも、破天荒な行動に振り回されるのが常だった。

本シリーズのオリジナルは、1968年の映画「マンハッタン無宿」である。クリント・イーストウッド演ずるアリゾナ州の保安官補クーガンが、ニューヨークで大活躍する内容だったが、これがヒットしたため、同映画を制作したユニバーサル映画は、テレビドラマ化を企画する。だが、イーストウッドの「ダーティハリー」(1971)出演が決まったことから、主役をデニス・ウィーバーに変更。「マンハッタン無宿」の脚本を書いたハーマン・ミラーが、ニューメキシコ州の保安官補に設定を変えて誕生したのが、サム・マクロードのキャラクターだった。

第1作は、1970年の120分枠テレビ映画(パイロット版)「マクロード警部~ミス・アメリカ殺人事件」( "Portrait of a Dead Girl" または "Who Killed Miss U.S.A?" )で、ニューヨークに護送中の犯人に逃げられたマクロードが、殺人事件に巻き込まれる物語。脚本は「刑事コロンボ」のクリエーターであるリチャード・レヴィンスンとウィリアム・リンクが書いており、ミステリー色の濃い内容になっていた。日本では、1973年12月15日にテレビ朝日系「土曜映画劇場」で放映されている。

パイロット版が好評だったため、同年に60分のドラマ枠「フォー・イン・ワン」( "Four in One" )でのレギュラー放送が開始。「フォー・イン・ワン」は、週替わりで四つのドラマ・シリーズを放送する番組で、他の三つは「サンフランシスコ大空港」、「四次元への招待」、「ドクター・ホイットマン」であった。日本では、この60分版は「マクロード警部」のタイトルで、他の三番組とともにテレビ朝日で放送されている(ただし、週替わりではなく別番組として放映)。

この「フォー・イン・ワン」の枠は、翌1971年から90分枠(1972年からは120分枠)に拡大して「NBCミステリー・ムービー」("NBC Mystery Movie" )となり、「警部マクロード」と「刑事コロンボ」、「署長マクミラン」、「Hec Ramsey」(この4作品目がなかなか定着せず、後に「マッコイと野郎ども」さらに「ドクター刑事クインシー」と替わる)が週替わりで放送されるようになった。日本では、この拡大版「警部マクロード」と他の番組は、NHKから放送されている(やはり週替わりではなく、それぞれがまとめて連続放送された)。

日本語版の吹き替えは、テレビ朝日とNHKでは声優が異なっており、NHK版でマクロードを担当したのは、宍戸錠だった。宍戸は、小林旭主演の和製ウェスタン「渡り鳥シリーズ」で "エースの錠" を演じており、マクロードの声もはまり役となった。

シリーズのヒットにより、研修に来たはずのマクロードは、足かけ7年もニューヨークに滞在することとなった。放送終了後も人気は衰えず、1989年には続編のスペシャル版「帰ってきた警部マクロード」( "The Return of Sam McCloud" )が制作・放映された。

なお、主演のデニス・ウィーバーは、2006年2月24日に逝去した(81歳)。

初期作品

「タオスから来た男」(ノベライズ未訳)…シリーズとしてのスタート作。

「ニューヨークの罠」(ノベライズ未訳)…凡作との評価だが、NHK放映第1回作品。

「牡羊座の入れ墨」(ノベライズ未訳)…ソフトボイルドで「マクロード的」でない作品

「うわさの四人組」(二見書房『警部マクロード1/殺し』)…西部テイスト満載。

「ニューメキシコの顔」(『警部マクロード2/ニューメキシコの顔』)…初期の代表作。

「赤い死のマーク」(『警部マクロード3/消えた死体』)

「裏町の怪盗」(『警部マクロード4/裏町の怪盗』)…ミステリとしても逸品。

「コロラド大追跡」(『警部マクロード5/コロラド大追跡』)…歌手J・デンバーがゲスト。

「顔の無い肖像」(ノベライズ未訳)…全体に哀愁を帯びた異色作。

「はだしのスチュワーデス」(ノベライズ未訳)

「ブロードウェイにお悔やみを」(ノベライズ未訳)…D・ウィーバーの歌声が話題となった。

など

[編集] キャスト

[編集] ゲスト

[編集] スタッフ

[編集] 書籍

  • 『警部マクロード1/殺し』:デイヴィッド・ウィルソン著、井上一夫 訳
  • 『警部マクロード2/ニュー・メキシコの顔』:デイヴィッド・ウィルソン著、井上一夫 訳
  • 『警部マクロード3/消えた死体』:デイヴィッド・ウィルソン著、井上一夫 訳
  • 『警部マクロード4/裏町の怪盗』:ダグラス・ヘイズ著、井上一夫 訳
  • 『警部マクロード5/コロラド大追跡』:マイケル・グリースン著、井上一夫 訳

以上、二見書房(サラ・ブックス)刊。絶版。

以下は予告のみで刊行されなかった。

  • 『警部マクロード6/殺し屋稼業』:井上一夫 訳
  • 『警部マクロード7/ニューヨークのわな』:井上一夫 訳
  • 『警部マクロード8/はだしのスチュワーデス』:井上一夫 訳

[編集] 外部リンク