観天望気
観天望気(かんてんぼうき)は、自然現象や生物の行動の様子などから天気を予想すること。またその元となる条件と結論を述べた、天気のことわざのような伝承。古来より漁師、船員などが経験的に体得し使ってきた。英語の Weather lore は、気象伝承を意味する。また、天気占いとも呼ばれる。もちろん、公式な天気予報に代替できるものではないが、湿度や雲の構成などから、正確性が証明できるものも多い。海や山での天候の急激な変化や、局地的な気象現象をつかむための補完手段として知っておいたほうが良いものもある。
統計的に気象庁発表の天気予報の的中率は80%程度といわれる(数値予報用のスーパーコンピュータでもこの程度が限界である)。残る20%は観天望気から予知できる場合が多い。船舶免許の試験で「現代においては天気予報が発達しているため、出航にあたり観天望気の必要はない」ことの正否を問われる問題が出されることがあるが、正解は「誤り」である。さほど海上においては現在でも重要視されている。
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主な観天望気[編集]
以下に主な観天望気を列挙する。その正確性には差があり、まちまちな解説がなされることもある。ここでは幾つかについて、なされることの多い説明を付記している。
世界でも通用する観天望気[編集]
古くから天気を予想することは漁師・農民・商人など多くの人々にとって重要なものであり、世界各地で観天望気を用いて天気を予想してきた。世界中で広く浸透しているものとしては次のようなものがある。
生物から[編集]
また、日本では古来から鳥や虫などの状態から予想する観天望気も伝わる。
- 「ハチが低く飛ぶと雷雨」 --湿度が高いと、昆虫が低く飛ぶとされる
- 「ツバメが低く飛ぶと雨」 --湿度が高いと、えさとなる昆虫が低く飛ぶためと説明される
- 「カエルが鳴くと雨」
- 「ネコが顔を洗うと雨」 --湿度が高いとき、顔や髭に水滴がつきやすくなる。それを猫が拭うためとされる
- 「ミミズ」が地上に這い出したら大雨
- 「ヤマバト」が鳴くと雨になる
- 「クモ」が糸を張ると明日は天気が良い
雲から[編集]
なお、気象学的に考えてもっとも信用性があるのは、雲を使った予想である。
- 「うろこ雲(巻積雲)は天気変化の兆候」
- 「おぼろ雲(高層雲)は雨の前ぶれ」 --温暖前線の接近によって高層雲が現れるため
- 「夏の朝曇りは晴れ」
- 「山に笠雲がかかると雨や風」 --低気圧や前線に伴う風により、湿度の高い空気が山の斜面を上って水蒸気が凝縮するため
- 「上り雲(北に向かう雲)は雨、下り雲(南に向かう雲)は晴れ」 --低気圧の前面は南寄り、後面は北寄りの風となるため
飛行機雲に限っては自然に発生するものではないが、水蒸気の関係から科学的根拠が見られる。
- 「飛行機雲がすぐに消えると晴れ」 --上空の湿度が低いため
- 「飛行機雲が広がると悪天の前兆」
その他[編集]
他に、虹などの気象現象を利用したものから、煙など人工的な現象をも対象とするものがある。
- 「朝虹は雨、夕虹は晴れ」朝虹は東からの太陽によって西に見える。虹が見える=湿度が高い。やがて西から東へ来るので雨。
- 「朝焼けは雨」
- 「星が瞬くと風強し」 --強風下では、大気のゆらぎが強くなる
- 「煙が立つか東にたなびけば晴れ、西にたなびくと雨」 --低気圧接近時は、東寄りの風が多いため
- 「(鐘の)音が遠くまで響けば雨・嵐」 --前線などで上空に暖かい空気が入り逆転層ができると、音波の伝播方向に影響を与えるため
- 「リウマチが痛むと雨」 --気圧に結びつけた説明がされることもある
- 「茶碗のご飯粒がきれいに取れると雨」 --湿度が高いためとされる
長期予報に関するもの[編集]
昔から長期予報は人々の関心事であったが、正確性については不明確なものが多い。
- 「カマキリの巣が高いところに作られると雪が多い」
- 「ハチの巣が低いところに作られると台風が多い」
- 寒試(かんだめ)--特定の短期間の気象状況を、一年などの長期間に対応させる占いで、行事として行われる地域もある