硫化ナトリウム

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硫化ナトリウム
識別情報
CAS登録番号 1313-82-2 チェック , 1313-84-4(5水和物)
1313-84-4(9水和物)
PubChem 237873
EINECS 215-211-5
国連番号 1385(無水物)
1849(水和物)
RTECS番号 WE1905000
特性
化学式 Na2S
モル質量 78.0452 g/mol(無水物)
240.18 g/mol(9水和物)
外観 無色の潮解性固体
密度 1.856 g/cm3(無水物)
1.58 g/cm3(5水和物)
1.43 g/cm3(9水和物)
融点

1176 ℃(無水物)
100 ℃(5水和物)
50 ℃(9水和物)

への溶解度 18.6 g/100 mL (20 ℃)
39 g/100 mL (50 ℃)
溶解度 エーテルに不溶
アルコールに微溶
構造
結晶構造 逆蛍石型(立方晶), cF12
空間群 Fm3m, No. 225
配位構造 四面体形 (Na+); 立方晶 (S2–)
危険性
MSDS ICSC 1047
EU分類 毒性 (T)
腐食性 (C)
環境への危険性 (N)
EU Index 016-009-00-8
Rフレーズ R22, R24, R31, R34, R50
Sフレーズ (S1/2), S26, S36/37/39, S45, S61
発火点 > 480 ℃
関連する物質
その他の陰イオン 酸化ナトリウム
セレン化ナトリウム
テルル化ナトリウム
その他の陽イオン 硫化リチウム
硫化カリウム
関連物質 硫化水素ナトリウム
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

硫化ナトリウム(りゅうかナトリウム、sodium sulfide)は化学式 Na2S で表されるナトリウム硫化物である。普通は9水和物の形で存在し、これは無色の結晶である。硫化ソーダともいう。

無水物は立方晶系逆蛍石型構造、格子定数は a = 652.6 pm である。

硫化染料の製造・染色用・ニトロ化合物の還元・脱毛剤に用いられるアルカリ性物質で、非常に強い腐卵臭と腐食性、吸湿性を有する。

製法[編集]

水酸化ナトリウム溶液を硫化水素で飽和した硫化水素ナトリウムの溶液に、同量の水酸化ナトリウムを加え、濃縮することによって9水和物が析出する。

NaOH + H2S → NaHS + H2O
NaHS + NaOH + 8 H2O → Na2S·9H2O

9水和物を硫酸デシケーター中で乾燥した後、水素気流中で加熱すると無水物が得られる。また計算量のナトリウムと硫黄の直接反応でも無水物が得られる。

工業的には無水硫酸ナトリウムを空気を遮断して、反射炉で約 1000 ℃ でコークス還元させることにより製造される。

Na2SO4 + 4 C → Na2S + 4 CO

特徴[編集]

Na2S + (n-1)S  \rightleftarrows\ Na2Sn
  • 水溶液は加水分解により強アルカリ性であり、酸と反応すると硫化水素ガスを、燃焼させると亜硫酸ガスを発生させる。
S2− + H2O  \rightleftarrows\ HS + OH
  • 廃液中の硫化ナトリウムと酸、酸性塩などが反応して硫化水素を発生した事例があるため、取扱いには留意が必要である。