直観論理

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直観論理(ちょっかんろんり)あるいは直観主義論理(ちょっかんしゅぎろんり)とは、従来の論理学(古典論理)は全てのものの真偽が明確になる「神の論理」であるとして、もっと慎ましやかに人間の立場の論理学を考えようということで提唱されたものである。

初期の説明[編集]

初期の段階ではブラウワー直観主義の思想から出てきたもので「である」という代わりに「証明可能」というのを基本とするものと捉えられたのであるが、この時点では理解者をあまり得られなかったし、彼の手法で思考すれば物理学の重要な基本的な定理さえ証明できなくなる、などといったネガティブな面ばかりが強調された。直観論理がそれなりの意味もあるとして研究者が出てくるのはブラウワーの弟子のハイティングが一般の数学者にも分かりやすい説明をするようになってからである。

現代的な説明[編集]

ハイティング (Arend Heyting) の流れを汲む説明をすると、直観論理というのは、真偽値が『完備ハイティング代数(cHa - complete Heyting algebra)』の値をとる論理である。cHaにおいて各要素にその補要素が必ず存在する場合、それは完備ブール代数(cBa - complete Boolean algebra)になるが、特に{0,1}という2要素のみからなるcBaを真偽値とするのが古典論理ということになる。つまり古典論理は直観論理の特別な場合にすぎないのである。

古典論理で考えることのできる多くの思考は実はcHaを真偽値とする体系でもそのまま適用することができるので、実は直観論理というのは「かなり使える」体系であることが分かってきた。またコンピュータの発達と共に研究が進んだ『計算可能理論』と直観論理は相通じるところがあり、直観論理で思考を鍛えていると、コンピュータのプログラミングをする場合に仕様設計をするのにも有用である。

なお、同様にして真偽値を[0,1](0から1までの間の実数)と考えた場合が『ファジィ論理』、真偽値を線形代数にすると『量子論理』となり、これら様々な現代的非古典論理は全てある意味で古典論理の様々な立場での拡張になっているのである。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]