白雪姫 (米)

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白雪姫
イネ属 Oryza
イネ O. sativa
交配 星の光×中部52号
亜種 ジャポニカ O. s. subsp. japonica
品種 白雪姫
開発 岐阜県農業総合研究センター
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白雪姫(しらゆきひめ)は、1990年平成2年)に岐阜県農業総合研究センターで育成されたイネ(稲)の品種[1][2]である。

良食味・耐病性・短稈を兼ね備えた品種を短期間で育成するため、葯培養によって育成された[1]

概要[編集]

「中部52号」を花粉親、「星の光」を種子親とする交配後、葯培養技術によって育成された[1][2]。品種名は、飛騨美濃雪解け水で育てられ、炊飯米が白く輝く様子から名付けられた[2]

育成地である岐阜県における熟期は中生の早で、出穂期は「コシヒカリ」より4日遅く、「日本晴」より2~3日早い。

育成当初は主食用米として育成された[1]。そのため、「コシヒカリ」より多収で、米が大粒であり、食味は「コシヒカリ」並みによいことが長所とされ、心白が発生することが欠点であると見られていた[1]。しかし、その心白が出やすいという性質ゆえに、民間への普及後には酒米に向くとされるようになった[2]。耐病性が強いため、減農薬栽培が可能である[1][2]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f 杉本 et al. 1991
  2. ^ a b c d e 副島 2017, p. 45.

参考文献[編集]

  • 杉本和宏; 野原定夫; 大坪義雄; 須田長良; 武藤正義; 川瀬康夫; 桐井英幸 (1991). “葯培養による水稲新品種「白雪姫」の育成”. 岐阜県農業総合研究センター研究報告 (4): 36-41. ISSN 09138757. NCID AN10227178. https://agriknowledge.affrc.go.jp/RN/2010482431. 
  • 副島顕子『酒米ハンドブック』(改訂版)文一総合出版、2017年7月31日。ISBN 9784829981535 

関連項目[編集]