沼沢洽治

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

文学
File:Lit.jpg
ポータル
各国の文学
記事総覧
出版社文芸雑誌
文学賞
作家
詩人小説家
その他作家
お知らせ
このテンプレート解説ページができました。使用されるべき記事が決まりましたので一度ご確認ください。

沼沢洽治(ぬまさわこうじ、1932年12月6日 - 2007年11月16日[1])は日本の英文学者、翻訳家。東京工業大学名誉教授。従四位瑞宝中綬章。

東京生まれ。東京大学英文科卒業。のち東工大教授、桐蔭学園横浜大学教授、聖心女子大学教授を務めた。福田恒存のもと、現代演劇協会に参加、劇団雲、欅、昴において英米演劇の翻訳も多い。専攻はアメリカ文学。姓の正式な表記は沼澤[2]

専門としてはヘミングウェイフィッツジェラルドなどロスト・ジェネレーションの作家や、サリンジャー、および現代英米演劇。

SFファンでもあり[3][4]、翻訳家としての活動の前半期(1960年代中盤 - 70年代序盤)にはSFの翻訳も行なった。「武器店」二部作、『宇宙船ビーグル号の冒険』(創元版)、『終点: 大宇宙!』などヴァン・ヴォークトのSF作品が有名。他にアイザック・アシモフ「トランター」もの、アルフレッド・ベスター『分解された男』など。

訳書の総計は40ないし50冊。確認できる最古の翻訳は、T・S・エリオット「劇詩問答」で、1960年、中央公論社『エリオット全集・第3巻』に収録された。

英米演劇の翻訳では、アーサーミラー『セールスマンの死』、スタインベック『怒りの葡萄』など。

[編集] 翻訳以外の著述

創作・エッセイ等の著作はないが、公刊された英米文学に関する評論・研究解説が少しある。「サリンジャー文学とニューヨーク」([5]に所収)、「『ブラック・ヒューマー』作家」([6]に所収)、『英米文学史講座』の「SF」の章(正確には[4])など数編。また劇団三百人劇場で公演された翻訳劇の解説が多数ある。

[編集] 主要訳書リスト

  • 『燃える導火線』(創元推理文庫)ベン・ベンスン、東京創元社、1962年
  • 『暗黒星雲のかなたに』(創元推理文庫)アイザック・アシモフ、東京創元社、1964年
  • 『宇宙船ビーグル号の冒険』(創元推理文庫)A・E・ヴァン・ヴォークト、東京創元社、1964年
  • 『夜への長い旅路』(世界文学大系 第90)ユージン・オニール、筑摩書房、1965年
  • 『分解された男』(創元推理文庫)アルフレッド・ベスター、東京創元社、1965年
  • 『イシャーの武器店』(創元推理文庫)A・E・ヴァン・ヴォークト、東京創元社、1966年
  • 『非Aの傀儡』(創元推理文庫)A・E・ヴァン・ヴォークト、東京創元社、1966年
  • 『武器製造業者』(創元推理文庫)A・E・ヴァン・ヴォークト、東京創元社、1967年
  • 『シカゴ』(現代アメリカ戯曲選集 第1)サム・シェパード、竹内書店、1969年
  • 『地球幼年期の終わり』(創元推理文庫)アーサー・C・クラーク 、東京創元社、1969年
  • 『嵐と凪と太陽 - ジプシー・モス号三万マイルの記録』(人と自然シリーズ)フランシス・チチェスター、新潮社、 1970年
  • ピンター戯曲全集 第1』喜志哲雄小田島雄志共訳、竹内書店、1970年
  • 『時間と空間のかなた』(創元推理文庫)A・E・ヴァン・ヴォークト、東京創元社、1970年
  • 『海流のなかの島々』ヘミングウェイ、新潮社、1971年(のち文庫化)
  • 『あいびき』(現代世界演劇 15)ノエル・カワード、白水社、1971年
  • 『スターン氏のはかない抵抗』ブルース・ジェイ・フリードマン、白水社、1971年(のちUブックス)
  • 『宇宙の小石』(創元推理文庫)アイザック・アシモフ、東京創元社、1972年
  • 『バナナ魚日和』サリンジャー、講談社、1973年(のち文庫化「九つの物語」)
  • 『終点:大宇宙!』(創元推理文庫)A・E・ヴァン・ヴォークト、東京創元社、1973年
  • 『刑事』(新しい世界の文学 71)ブルース・ジェイ・フリードマン、白水社、1975年
  • 『ベック氏の奇妙な旅と女性遍歴』ジョン・アップダイク、新潮社、1976年
  • 『ハロルド・ピンター全集 1-3』喜志哲雄、小田島雄志共訳、新潮社、1977年
  • 『最後の大君・皐月祭・富豪青年・バビロン再訪』(世界文学全集)フィッツジェラルド、集英社、1979年(のち「バビロン再訪」として文庫化)
  • 『颱風』(中短篇小説集 2)コンラッド、人文書院、1983年
  • 『エデンの園』ヘミングウェイ、集英社、1989年(のち文庫化)
  • 『青春は川の中に - フライフィッシングと父ヘミングウェイ』ジャック・H・N・ヘミングウェイ、ティビーエス・ブリタニカ、1990年
  • 『笑いの新大陸』(アメリカ・ユーモア文学傑作選 - 白水社Uブックス)佐伯泰樹共編訳、白水社、1991年
  • 『美しき夫たち』ジョン・アプダイク、筑摩書房、1993年
  • シュワーツコフ回想録 - 少年時代・ヴェトナム最前線・湾岸戦争』新潮社、1994年
  • 『戦争特派員 CNN名物記者の自伝』ピーター・アーネット、新潮社、1995年
  • 『サーシャのしっぽ』ジャクリーン・デーミアン、飛鳥新社、1996年

[編集] 脚注

  1. ^ 四国新聞社エキサイトニュースなど
  2. ^ 初期の一部の訳書では「沼澤」と表記。
  3. ^ ヴァン・ヴォークト『イシャーの武器店』(創元、1966年)の「訳者(沼沢洽治)あとがき」より
  4. ^ a b 福原麟太郎監修『英米文学史講座・第13巻・二十世紀IV』(研究社出版、1984年)の「SF」の章
  5. ^ 渥美昭夫編『サリンジャーの世界』(荒地出版社、1969年)
  6. ^ 竜口直太郎編『現代アメリカ文学入門』(評論社、1974年)