有神論

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

有神論(ゆうしんろん、theism)は、「は存在する」という主張のこと。対義語無神論

多くの宗教は、その教義の中に有神論を含んでおり、その宗教が信仰する神が唯一なのか複数なのかによって一神教、多神教などに分けられる。

無神論の対義語として有神論という語を最初に用いたのは、イギリス哲学者ラルフ・カドワース(1617年 - 1688年)だとされる。

神の数による分類[編集]

単独[編集]

  • 一神教(Monotheism)
    • 共存的な一神教:神は1柱だけだが、多くの名と異なる特徴をもつ。ヒンズー教における神々はこの考え方があてはまることが多い。
    • 排他的な一神教:神は1柱だけであり、その他の全ての神は誤りである。ユダヤ教やヒンズー教におけるヴィシュヌ崇拝の一派などがこれに当たる。

一神教として最も早く知られたのは、ゾロアスター教である。

二柱[編集]

対立する、もしくは相補関係にある二柱の神が存在し、両者の関係が世界を支配すると考える。

ウイッカの一部や、アステカオメテオトル(男神オメテクトリ=女神オメシワトル)崇拝などが該当する。

多数[編集]

  • 多神教(Polytheism):多神教は、複数の神が存在するという考え方である。多神教の範囲内にも、「堅い」ものから「柔らかい」ものまで多様である。
    • 「堅い」多神教では、個々の神々をはっきりと別々の存在に分けて考える(例えば、古代ギリシア神話)。
    • 「柔らかい」多神教では、種々の神々はより大きい全体に包含されるものと考える(例えば、ヒンズー教の大部分)。

また、個々の神への関心の持ち方、崇拝の仕方によっても分けられる。

  • 単一神教(Henotheism):複数の神がいてもよいが、至高の神はただ1柱である。
  • 一神崇拝(Monolatry):複数の神がいてもよいが、崇拝されるべきはただ1柱でなければならない。
  • 交替一神教(Kathenotheism):複数の神がいる。しかし、一度に礼拝されるのは1柱の神だけでなければならない。各々の神はそれぞれに至高である。

神と世界の関係による分類[編集]

内在的[編集]

神を、世界の内にいる「内在的」な存在と考える。

  • 汎神論(Pantheism):「神と世界は同一である」。物質的な世界と神は同等であり、分かつことはできない。
  • 汎霊説/アニミズム(animism):「世界のあらゆる部分に、神(霊)が存在する」
  • その他、非超越的な有神論全般

超越的[編集]

神を、世界の外にいる「超越的」な存在と考える。

  • 理神論(deism):「神は世界を創造したが、その後、干渉することはない」
    • Polydeism:「多数の神が存在するが、世界に介入することはない」
  • グノーシス主義
  • その他、超越的な有神論全般

超越的 + 内在的[編集]

  • 万有内在神論(Panentheism):「世界は神の内にある」。神は宇宙より大きく、物質的な世界は神の内部に含まれる。
  • ネオプラトニズム
  • その他、超越と内在を横断する有神論全般

超越的 → 内在的[編集]

  • 汎理神論(Pandeism):「神は世界を創造し、今ではそれと等価となっている」。理神論と万有内在神論を組み合わせたもの。

その他[編集]

  • 悪神論 / 邪神論(Misotheism):「神(もしくは神々)は邪悪である」

関連項目[編集]

  • 無神論(atheism):「神は存在しない」
  • 不可知論(agnosticism) : 「神が存在するかどうかを認識するのは不可能である」
  • (nontheism):「神の実在を信じるかどうかは本質ではない」