多摩平団地

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

多摩平団地(たまだいらだんち)は、日本住宅公団東京都日野市に造成した大規模公団住宅。所在地は日野市多摩平4丁目6ほか[1]1958年昭和33年)竣工。同年より入居開始された[2][3]

1997年平成9年)から住棟の老朽化を理由として建て替えが行われ、2002年(平成14年)春からは新築棟への入居も順次開始された[2]。現在は都市再生機構団地を中心とした再開発地域多摩平の森」へと全面的に建て替えられている。

概要[編集]

住棟配置の設計は津端修一。津端は「明るく開放的で緑にあふれた団地」というテーマに沿ってこの団地を設計した。そのため、敷地内に元々あった植生をそのまま残した上、多数の植樹が行われて豊富な緑があった。そうした自然環境を反映し、入居者募集当時のパンフレットには「富士の見えるニュータウン・40万坪の緑の街」と謳われていた。また当団地には、プレキャストコンクリートパネルを組み立てる「ティルトアップ工法」によって造られた、初めてのテラスハウスがあった。

竣工・入居開始した1958年(昭和33年)当時はまだ旧日野町で、町の人口は3万人程度であった[2]。団地建設後の1963年(昭和38年)11月3日に市制施行して日野市となった[2]。団地の建設用地は、元はが広がる台地であった[2]

まだ多摩地域では上下水道下水道の普及率が低く、井戸水汲取式トイレに頼っていた1950年代に、団地内には専用の下水処理場を備え、テラスハウスには洋式水洗トイレが完備されていた[2]。最寄り駅の国電豊田駅前には、伊勢丹丸井髙島屋ストアーほか百貨店などが立ち並び[2]、まだ農村地帯であった当地の住民からは、近代的な団地は憧れの的となった[2]

基本データ(建て替え前)[編集]

  • 竣工 - 1958年(昭和33年)
  • 構成 - 250棟、全2,792戸
    • 中層フラット棟 - 68棟(4階建て・3階建て、北・南廊下型)
    中層フラット棟の内訳は、1DKが696戸、2DKが556戸、3Kが634戸の計1886戸。
    • テラスハウス - 179棟(2階建て・1階建て)
    テラスハウスの内訳は、3Kが720戸、3DKが76戸、4Kが68戸、4DKが6戸の計870戸。
    • 店舗棟 - 3棟
    店舗棟の内訳は、計36戸。

交通[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b 多摩平の森 UR賃貸住宅、都市再生機構
  2. ^ a b c d e f g h 日野を歩く 住処は人がつくる。多摩平の森 日野市観光協会
  3. ^ Weekly日野 多摩平団地で見つけた小さな不思議な世界 日野市観光協会、2006年6月27日

関連項目[編集]

外部リンク[編集]