唐朝銭

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唐朝銭[1][2](とうちょうせん)は、唐代の中国で流通した銭貨唐銭渡唐銭)は渡来銭とほぼ同義であり、ここでの唐朝銭とは異なる[3]

概要[編集]

唐代初期には五銖銭も使用されたが、621年にはこれを廃し、開元通宝を発行する。直径8分、重さ0.1(従来の単位で24、これに1という新たな単位が与えられた)はその後長きにわたって銭貨の標準となった。開元通宝の銭銘を持つ銭貨はほぼ唐代を通して発行された。また、後の五代十国太平天国でも発行された[4]

666年、乾封泉宝発行される[5]

759年、乾元重宝発行される[5]

代宗帝(在位:762年 - 779年)、大暦元宝を発行[6]

徳宗帝(在位:779年 - 805年)、建中通宝を発行[6]

その後、大暦元宝・建中通宝の省文銭として、それぞれ「元」・「中」の字が表記されただけの元字銭・中字銭が発行される。

その他、乾元758年 - 760年)の頃、史思明は得一元宝および順天元宝を発行している[7]

渡来銭として[編集]

これらのうち、開元通宝と乾元重宝は比較的出土数も多い[8]

出典[編集]

  1. ^ 日本貨幣図鑑 1981, p. 6.
  2. ^ 日本貨幣図鑑 1981, p. 193.
  3. ^ 『日本国語大辞典 第二版』 第九巻、小学館、2001年9月20日、993頁。ISBN 4-09-521009-5。"平安末期から江戸初期に至る間、我が国に渡来した中国歴代の緒銭全般を言う"。 
  4. ^ 東洋歴史大辞典 1986, p. 376.
  5. ^ a b 日本貨幣カタログ 2009, p. 147.
  6. ^ a b 東洋歴史大辞典 1986, p. 377.
  7. ^ 東洋歴史大辞典 1986, p. 378.
  8. ^ 青山礼志 編『貨幣手帳 1973年版』頌文社、1972年9月1日、18頁。 

参考文献[編集]

  • 郡司勇夫 編『日本貨幣図鑑』東洋経済新報社、1981年10月15日、193頁。 
  • 『縮刷東洋歴史大辞典』 中巻、下中彌三郎(編輯)、臨川書店、1986年10月25日(原著1938年)。ISBN 4-653-01469-8 
  • 日本貨幣商協同組合 編『日本貨幣カタログ2010年版』日本貨幣商協同組合、2009年12月1日。ISBN 978-4-930810-14-4