吸着効果トランジスタ

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吸着効果トランジスタ(きゅうちゃくこうかトランジスタ、Adsorption–Effect Transistor, AET)は、一種の電界効果トランジスタである。

概要[編集]

構造は通常の電界効果トランジスタと似ているが増幅作用よりもセンシングを目的としている[1]

構造[編集]

300-500℃ で作動するので耐熱・耐酸化性を要するので,酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物半導体を焼結して製造する[2]分子が素子に吸着することにより、ドレインソース間に流れる電流が変化する。

用途[編集]

高周波スイッチング素子や増幅素子として使用される類似の構造を有する電界効果トランジスタとは異なり、主にガスセンサ等の用途に使用される[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b 光藤裕之「雑学講座 吸着効果トランジスタ (1)」『マテリアルインテグレーション』第15巻第9号、2002年、99-103頁。 
  2. ^ 奥野雅史, 迫川邦俊, 光藤裕之、「ZnO 焼結体の吸着効果トランジスタ作用」『Journal of the Ceramic Society of Japan (日本セラミックス協会学術論文誌)』 1990年 98巻 1136号 p.370-376, doi:10.2109/jcersj.98.370

参考文献[編集]

  • 酒井才, 土井勲, 光藤裕之. "吸着効果トランジスタによる窒素酸化物の計測." 計装 18.7 (1975): p31-36.
  • 光藤裕之. "分析計における吸着効果トランジスタの可能性--分別能のカギは材料設計に (進展する工業用分析計< 特集>)." 計装 19.6 (1976): p37-41, NAID 40000943270
  • 光藤裕之. "雑学講座 吸着効果トランジスタ (1)." マテリアルインテグレーション 15.9 (2002): 99-103.
  • 光藤裕之. "雑学講座 吸着効果トランジスタ (2)." マテリアルインテグレーション 15.12 (2002): 62-66.
  • 光藤裕之. "雑学講座 吸着効果トランジスタ (3)." マテリアルインテグレーション 16.7 (2003): 79-84.

関連項目[編集]