ランク (アルバム)

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ランク
ザ・スミスライブ・アルバム
リリース
録音 1986年10月23日 ロンドン キルバーン ナショナル・ボールルーム[2]
ジャンル オルタナティヴ・ロックインディー・ロック
時間
レーベル イギリスの旗ラフ・トレード・レコード
アメリカ合衆国の旗サイアー・レコード
プロデュース グラント・ショウビズ英語版、ピート・ドーンシー
専門評論家によるレビュー
チャート最高順位
  • 2位(イギリス[3]
  • 25位(ニュージーランド[4]
  • 30位(日本[1]
  • 32位(スウェーデン[5]
  • 33位(オーストラリア[6]
  • 42位(オランダ[7]
  • 47位(ドイツ[8]
  • 77位(アメリカ[9]
  • ザ・スミス アルバム 年表
    ストップ・ミー
    (1988年)
    ランク
    (1988年)
    ベストVOL. 1
    (1992年)
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    ランク』(Rank)は、イングランドロックバンドザ・スミスライブ・アルバム1986年に録音され、バンド解散後の1988年にリリースされた。

    背景[編集]

    1986年、バンドはアンディ・ルークを一時的に解雇し、クレイグ・ギャノンを後任のベーシストに起用するが、最終的にルークは復帰し、ギャノンもセカンド・ギタリストとしてバンドに残留した[10]。そして、ギャノンを加えた編成で「パニック」、「アスク」といったシングル曲を録音した後、バンドはアルバム『ザ・クイーン・イズ・デッド』(1986年)リリースに伴うツアーを行い[10]、本作には10月23日のキルバーン公演が収録された[2]。しかし、同年12月12日のロンドン公演はギャノン不在で行われ、翌1987年1月にはギャノンの脱退が公表された[10]

    マリーは恋人英語版/ラショーム・ラフィアンズ」は、エルヴィス・プレスリーのカヴァーとバンドのオリジナル曲のメドレーで、そもそも「ラショーム・ラフィアンズ」自体、「マリーは恋人」のジャムから発展して生まれた曲である[11]

    リリース[編集]

    実際のコンサートでは21曲が演奏されたが、本作にはそのうち14曲が収録され、選曲はモリッシーにより行われた[12]。なお、「BBC Transcription Services」が制作した非売品のアルバム『In Concert-399』(1987年)は、本作と同日のライブ音源を収録しており、本作に未収録の「ゼア・イズ・ア・ライト」、「フランクリー、ミスター・シャンクリー」、「ハウ・スーン・イズ・ナウ?」が含まれている一方、「マリーは恋人/ラショーム・ラフィアンズ」、「セメタリー・ゲイツ」、「スティル・イル」は外されている[13]

    本作のジャケットには、テレビドラマ『電撃スパイ作戦』等で知られる女優アレクサンドラ・バステード英語版の写真が使用された[14]

    反響・評価[編集]

    全英アルバムチャートでは7週トップ100入りして最高2位を記録し、バンドにとって7作目の全英トップ10アルバムとなった[3]。日本のオリコンLPチャートでは5週トップ100入りし、ザ・スミスのアルバムとしては過去最高の30位を記録した[1]

    Tim DiGravinaはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「グラント・ショウビズのプロダクション及びエンジニアリングは、バンドの他のメンバーよりもモリッシーの歌声の音量を一貫して上げ過ぎているきらいもあるが、演奏は適度に仰々しく、ヒット曲がたっぷり詰まっており、そして魅惑的だ」と評している[15]。また、ジム・ファーバーは1988年11月17日付の『ローリング・ストーン』誌のレビューで5点満点中3点を付け「収録された曲は、スタジオ・ヴァージョンよりも大幅にスピードが上がっており、より逞しくなっている」「このアルバムは、ザ・スミスが他の場所には残してこなかった一つの要素、すなわち彼らの憤怒を取り込んでいる」と評している[16]

    収録曲[編集]

    特記なき楽曲はモリッシージョニー・マーの共作。なお、コンサートのオープニングでは「ロメオとジュリエット」(作曲:セルゲイ・プロコフィエフ/演奏:フィラデルフィア管弦楽団)、エンディングでは「ユール・ネヴァー・ウォーク・アローン」(作詞・作曲:リチャード・ロジャース&オスカー・ハマースタイン2世/歌唱:シャーリー・バッシー)が流された[2]

    1. ザ・クイーン・イズ・デッド "The Queen Is Dead" – 4:15
    2. パニック "Panic" – 3:07
    3. ヴィカー・イン・ア・テュテュ "Vicar in a Tutu" – 2:32
    4. アスク "Ask" – 3:22
    5. マリーは恋人英語版/ラショーム・ラフィアンズ "(Marie's the Name) His Latest Flame/Rusholme Ruffians" (Doc Pomus, Mort Shuman/Morrissey, Johnny Marr) – 3:55
    6. 心に茨を持つ少年 "The Boy with the Thorn in His Side" – 3:48
    7. ラバー・リング/ホワット・シー・セッド "Rubber Ring/What She Said" – 3:49
    8. イズ・イット・リアリー・ソー・ストレンジ "Is It Really So Strange?" – 3:37
    9. セメタリー・ゲイツ "Cemetry Gates" – 2:51
    10. ロンドン "London" – 2:38
    11. アイ・ノウ・イッツ・オーヴァー "I Know It's Over" – 7:46
    12. ザ・ドレイズ・トレイン "The Draize Train" (J. Marr) – 4:27
    13. スティル・イル "Still Ill" – 4:10
    14. ビッグマウス・ストライクス・アゲイン "Bigmouth Strikes Again" – 5:54

    参加ミュージシャン[編集]

    脚注・出典[編集]

    1. ^ a b c オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年). オリジナルコンフィデンス. (1990). p. 185. ISBN 4-87131-025-6 
    2. ^ a b c The Smiths - Rank ( Vinyl, LP, Album) at Discogs
    3. ^ a b SMITHS | full Official Chart History | Official Chart Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
    4. ^ charts.org.nz - The Smiths - Rank
    5. ^ swedishcharts.com - The Smiths - Rank
    6. ^ australian-charts.com - The Smiths - Rank
    7. ^ The Smiths - Rank - dutchcharts.nl
    8. ^ Offizielle Deutsche Charts
    9. ^ The Smiths Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2018年5月31日閲覧。
    10. ^ a b c 『ザ・スミス・ファイル』シンコー・ミュージック、2003年11月3日、32頁。ISBN 4-401-61829-7 
    11. ^ 『ザ・スミス・ファイル』p.122
    12. ^ 『ザ・スミス・ファイル』p.63
    13. ^ The Smiths - In Concert-399 (Vinyl, LP) at Discogs
    14. ^ 宮嵜広司 (2014年1月13日). “The Smiths『Rank』のジャケットを飾った女優Alexandra Bastedoが他界”. ロッキング・オン. 2018年5月31日閲覧。
    15. ^ DiGravina, Tim. “Rank - The Smiths”. AllMusic. 2018年5月31日閲覧。
    16. ^ Farber, Jim (1988年11月17日). “Rank”. Rolling Stone. 2018年5月31日閲覧。

    外部リンク[編集]