プレハブ工法

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プレハブ工法の例

プレハブ工法(プレハブこうほう)とは、あらかじめ部材を工場で生産・加工し、建築現場で加工を行わず組み立てる建築工法のこと。『学術用語集 建築学編』では、プレファブ工法またはプレファブリケーション: prefabrication[† 1])と定められている。

同工法を用いた住宅は一般に、「プレハブ住宅」あるいは単に「プレハブ」(: prefab[† 2])と言う。

概要[編集]

使用する建材や設置に要する時間を軽減し、同一の建物を大量に設置できることが利点である。その反面、規格化されているため融通が利かない構造や、耐久性の低さが欠点である。

工期短縮についても現場での作業時間については該当するが、工場での計画も含めた全体では期間短縮になるとは限らない。また、工場設置が必要なこと、また作業者が工場と現場に分散しなければならないことなどから、ある程度の販売規模が必要となる工法である。

日本は世界一のプレハブ工法大国であり、1メーカーあたり年間数万戸を生産する。

プレハブ住宅[編集]

1920年代から1930年代にかけて、ドイツで単式工法住宅が試みられた。1950年代以降、アメリカで発達したツーバイフォー木造枠組壁構法)による住宅建築をベースに、ユニットバスシステムキッチンなどに代表される住宅機能のユニット化が進み、格段の進歩を見せた。米国ではモービルホームとしても作成された。これは住宅が2つなどに分割されて、それぞれが車輪がついており牽引され現地で接合されるタイプのもの。

日本では、1959年大和ハウスから現代につながる鉄鋼系プレハブ住宅が、ミゼットハウスという名前で販売された。6畳の広さのものだった。1960年には積水ハウスから鉄鋼系が、その後ミサワホームから木質系が販売された。1956年浅田孝らが開発した南極観測のための昭和基地建設工事で、建材から工事をする必要がなく砕氷船で運び現地で組み立てるだけで使用でき、かつマイナス50℃という環境に耐える工法をミサワホーム1967年から採用、また積水化学工業からはユニット住宅としてセキスイハイムM1が販売された。かつては「安かろう悪かろう」の代名詞であったが、近年では在来工法(木造軸組構法)にもプレカット材の利用が進むなど影響を与えている。

プレハブ小屋[編集]

資材置き場兼事務所として使用されるプレハブ小屋

トタン鉄筋の筋交いで作られる仮設小屋。建設現場の休憩所から、集会所、大規模災害時の避難施設や仮設住宅など、機動性と設置の容易さから幅広く普及している。1990年代以降は、組立すら不要のユニットハウス(スーパーハウスユニットハウスなど)が主流となっている。

都市部の小学校中学校では、児童や生徒数の増加に対応するために、仮設校舎が建設されることが多い。また、校舎の補強や建て替え工事の際には仮設校舎としても利用される。

現在は各社が技術を競っており、各種の内装オプションで間取りを細かく設定したり、壁一面をガラス張りにしたりウッドデッキを備えるなどプレハブには見えないような外観の製品も増えてきている。

プレハブ小屋をベースに顧客に応じた建物(ガレージなど)を取り扱う工務店や設計事務所の負担を減らすため、メーカー側で強度試験や構造計算を済ませている製品も存在する。

工事現場の仮設事務所やイベントスペースなど、一定期間だけの利用に対応するためリースレンタル中古市場も形成されている。また自社製品のリース上がりや買い取り品の内外装を補修した認定中古品を取り扱っているメーカー(三協フロンテアなど)も存在する。

脚注[編集]

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  1. ^ 英語発音: [ˌpriːfæbrɪˈkeɪʃn] プリーファブリイシュン
  2. ^ 英語発音: [ˈpriːfæb] プリーファブ

関連項目[編集]