ヒメヒカゲ

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ヒメヒカゲ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: 鱗翅目 Lepidoptera
: タテハチョウ科 Nymphalidae
亜科 : ジャノメチョウ亜科 Satyrinae
: ヒメヒカゲ属 Coenonympha
: ヒメヒカゲ C. oedippus
学名
Coenonympha oedippus
(Fabricius1787)
和名
ヒメヒカゲ
(姫日陰)
英名
The False Ringlet
亜種
  • C. o. annulifer(Butler)
    本州中部亜種
  • C. o. arothius(Okada & Torii)
    本州西部亜種

ヒメヒカゲ(姫日陰、学名Coenonympha oedippus)は、タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科に属するチョウの一

形態[編集]

翅裏は茶色地に、中央に銀紋を配した金環の蛇の目模様がはっきりと並ぶ。後翅裏では前縁に1つ、外縁に沿って小大大小と4つの金環が現れ、地域によってはこの4連金環の内側には黄褐色の帯が並行にかかる個体群もある。

近縁種にシロオビヒメヒカゲがいる。北海道にのみ生息し、斑紋はかなり異なるので区別は容易。

生態[編集]

主に乾性草原に生息するが、ゴルフ場の開発などによって絶滅に追い立てられている。成虫はあまり花は訪れない。

幼虫の食草はヒカゲスゲヒメカンスゲアオスゲショウジョウスゲなどのカヤツリグサ科植物、まれにススキ。卵は食草の葉や茎、あるいは食草付近に独立して産みつけられる。年1化性で成虫は6~7月にかけて発生。越冬態は3齢幼虫。

分布[編集]

ユーラシア大陸中北部に分布する。

日本では生息地は局所的に分断されている。長野県以西の本州中部、近畿(まれ)、中国山地。分断されて生息しているためいくつかの地理的変異がある。

種の保全状況評価[編集]

本州中部亜種C. o. annulifer

本州西部亜種C. o. arothius

参考文献[編集]

  • 牧林功解説、青山潤三写真『日本の蝶』成美堂出版〈ポケット図鑑〉、1994年。ISBN 4-415-08045-6 
  • 日本環境動物昆虫学会編 編『チョウの調べ方』今井長兵衛・石井実監修、文教出版、1998年。ISBN 4938489112OCLC 170389984 

関連項目[編集]