ヒオドン目

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ヒオドン目
ムーンアイ Hiodon tergisus
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : アロワナ上目 Osteoglossomorpha
: ヒオドン目 Hiodontiformes
: ヒオドン科 Hiodontidae
英名
Mooneyes
下位分類
本文参照

ヒオドン目学名Hiodontiformes)は、硬骨魚綱の分類群()の一つ。ヒオドン科のみで構成され、ムーンアイなど1属2種が含まれる[1]

分布[編集]

ヒオドン目に所属する現生の魚類は2種のみで、いずれも北アメリカに分布する淡水魚である[1]。分布範囲はマッケンジー川サスカチュワン川ミシシッピ川およびセントローレンス川の関連水系に限られる[1]

形態[編集]

左右に平たく側扁した体型をもつ。最大で全長51cmに達する[1]

臀鰭の形態に性的二形がみられる[1]。臀鰭の長さは中程度で、23-33軟条で構成される[1]。尾鰭は深く二叉し、臀鰭とは連続しない[1]。明瞭な腹鰭をもち、鰭条は7本[1]

鼻骨は管状で、強く湾曲する[1]。皮蝶耳骨は三放射状[1]。鰓蓋骨には後背側に反り返った突起が存在する[1]。下鰓蓋骨をもち、鰓条骨は7-10本[1]側線鱗は54-61枚[1]

分類[編集]

ヒオドン目はアロワナ目とともにアロワナ上目を構成し、ヒオドン科のみ1科1属2種を含む[1]。本目はかつてアロワナ目に含められていたが、Nelson(2006)において独立の目とされた[2]。後に行われた分子系統解析の結果も、この位置付けを支持している[1]

ヒオドン科[編集]

ヒオドン属の化石種(Hiodon woodruffi)。ヒオドン類の化石種は近年増加傾向にある[1]

ヒオドン科 Hiodontidae には、Nelson(2016)の体系において1属2種が認められている[1]。2種は背鰭の鰭条数によって区別され、ムーンアイ(11-12本)の方がゴールドアイ(9-10本)よりも多い[1]

中国大陸白亜紀地層から、絶滅したヒオドン類として Plesiolycoptera および Yanbiania の2属が知られている[1]北アメリカ西部から化石が出土している始新世Eohiodon 属は、現生のヒオドン属のシノニムであることが示唆されている[1]

出典・脚注[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t 『Fishes of the World Fifth Edition』 p.155
  2. ^ 『Fishes of the World Fourth Edition』 pp.103-104

参考文献[編集]

  • Joseph S. Nelson, Terry C. Grande, Mark V.H. Wilson 『Fishes of the World Fifth Edition』 John Wiley & Sons, Inc. 2016年 ISBN 978-1-118-34233-6
  • Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 John Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7

外部リンク[編集]