ニューヨーク・イズ・ナウ

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ニューヨーク・イズ・ナウ
オーネット・コールマンスタジオ・アルバム
リリース
録音 1968年4月29日(#1, #2, #3)、5月7日(#1, #4, #5) ニューヨーク A&Rスタジオ[1]
ジャンル フリー・ジャズ
時間
レーベル ブルーノート・レコード
プロデュース フランシス・ウルフ
専門評論家によるレビュー
オーネット・コールマン アルバム 年表
オーネット・コールマンの世界
(1967年)
ニューヨーク・イズ・ナウ
(1968年)
ラヴ・コール
(1968年録音・1971年発表)
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ニューヨーク・イズ・ナウ』(原題:New York Is Now!)は、アメリカ合衆国フリー・ジャズ・ミュージシャン、オーネット・コールマン1968年に録音・発表したスタジオ・アルバム。オリジナルLPのカタログ番号は「BST 84287」[1]

背景[編集]

コールマンは1968年4月29日と5月7日に、ブルーノート・レコード所属時としては最後のリーダー・セッションを行い、その一部は本作で発表され、一部は後に発売されたアルバム『ラヴ・コール』(カタログ番号:BST 84356)に収録された[1]。なお、収録曲「ザ・ガーデン・オブ・ソウルズ」のマスター・テープは、冒頭のテーマが5月7日録音、以後のパートは4月29日録音のテイクが使用された[2]

本作のためのセッションは、コールマンとデューイ・レッドマンの2管編成で行われ、ジョン・コルトレーンのグループのリズム・セクションとして知られるジミー・ギャリソンエルヴィン・ジョーンズも参加した[3]。レッドマンは高校時代にコールマンと共演した旧知の仲で、ギャリソンは以前にもコールマンのアルバム『オーネット・オン・テナー』(1962年発表)でサイドマンを務めたことがある[4]。「ウィ・ナウ・インタラプト・フォー・ア・コマーシャル」では、当時ブルーノート・レコードの営業担当だったメル・ファーマンのナレーションがフィーチャーされた[5]

評価・影響[編集]

Thom Jurekはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「この時期のコールマンは特段に興味深いわけではなく、本作は楽しめるとはいえ驚異的な作品ではないが、他のメンバーの演奏に乗って、オーネットの耳障りなヴァイオリンが混ざってくる"For a Commercial"は別である」と評している[3]。また、Stephen Thomas Erlewineは2022年、ピッチフォークにおいて、本作および『ラヴ・コール』の2作に関して「コールマンはギャリソンおよびジョーンズと共に、ヘヴィ・ブルース的な土臭く地に足のついた即興演奏に回帰し、レッドマンとの激しいインタープレイに没入していった」と評している[6]

パット・メセニーは1976年のアルバム『ブライト・サイズ・ライフ』において、本作収録曲「ラウンド・トリップ」と「ブロードウェイ・ブルース」をメドレーとしてカヴァーした[7]

リイシュー[編集]

1990年にブルーノート・レコードから発売されたアメリカ盤CD (CDP 7 84287 2)はオリジナルLPと異なる曲順で、「ウィ・ナウ・インタラプト・フォー・ア・コマーシャル」が最後に回され、また、4曲目には「ブロードウェイ・ブルース」の別テイクがボーナス・トラックとして追加された[8]。一方、日本では2014年に初CD化され[9]、このエディションでは、オリジナルLPに準じた本編の後に「ブロードウェイ・ブルース」の別テイクが収録された。

収録曲[編集]

全曲ともオーネット・コールマン作曲。

  1. ザ・ガーデン・オブ・ソウルズ - "The Garden of Souls" - 14:02
  2. トイ・ダンス - "Toy Dance" - 7:29
  3. ウィ・ナウ・インタラプト・フォー・ア・コマーシャル - "We Now Interrupt for a Commercial" - 3:25
  4. ブロードウェイ・ブルース - "Broad Way Blues" - 8:45
  5. ラウンド・トリップ - "Round Trip" - 6:19

リマスターCDボーナス・トラック[編集]

  1. ブロードウェイ・ブルース(別テイク) - "Broad Way Blues (alt. take)" - 7:33

参加ミュージシャン[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c Ornette Coleman Discography”. Jazz Discography Project. 2022年11月13日閲覧。
  2. ^ 2014年再発CD (TYCJ-81060)ブックレット内クレジット
  3. ^ a b Jurek, Thom. “Ornette Coleman - New York Is Now! Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2022年11月13日閲覧。
  4. ^ Corroto, Mark (2022年2月18日). “Ornette Coleman: New York Is Now & Love Call Revisited album review”. All About Jazz. 2022年11月13日閲覧。
  5. ^ 2014年再発CD (TYCJ-81060)ライナーノーツ(マイケル・カスクーナ
  6. ^ Erlewine, Stephen Thomas (2022年2月5日). “Round Trip: Ornette Coleman on Blue Note”. Pitchfork. Condé Nast. 2022年11月13日閲覧。
  7. ^ Ginell, Richard S. “Pat Metheny - Bright Size Life Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2022年11月13日閲覧。
  8. ^ Ornette Coleman - New York Is Now! (1990, CD) - Discogs
  9. ^ 2014年再発CD (TYCJ-81060)帯

外部リンク[編集]