ディスプレイサー・ビースト

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ディスプレイサー・ビースト(Displacer beast)は、テーブルトークRPGダンジョンズ&ドラゴンズ』(D&D)に登場する架空の生物である。
第4版『モンスターマニュアル』(2009)[1]では“所くらましの魔獣”という意味と紹介されている。

掲載の経緯[編集]

ディスプレイサー・ビーストは1974年のオリジナル版から、2008年の第4版まで常に登場している。

D&D オリジナル版(1974-1976)[編集]

ディスプレイサー・ビーストはD&D最初のサプリメントグレイホーク』に登場した。そこでは6本の脚、肩から2本の蛸のような吸盤のついた触手が生えているピューマのような生物と紹介されている。

AD&D 第1版(1977-1988)[編集]

『モンスターマニュアル』(1977)に登場。実際いる場所から3フィートほど離れた位置にいるように見えるピューマのような生物と紹介された。 『ダンジョン』109号(1986年5月)には“ディスプレイサー・ビーストの生態”特集が寄稿された。

D&D 第2版(1978-1999)[編集]

ディスプレイサー・ビーストは『ダンジョンズ&ドラゴンズ ベーシックセット』(1977)、『エキスパートセット』(1981、83)、『ダンジョンズ&ドラゴンズ ゲームセット』(1991)、『ダンジョンズ&ドラゴンズ ルールエンサイクロペディア』(1991)、『クラシックダンジョンズ&ドラゴンズ ゲームセット』(1994)、『ダンジョンズ&ドラゴンズ アドベンチャーゲームセット』(1999)に登場している。
なお、新和から出版された日本語版D&Dでは『エキスパートセット』から登場する。[2]

AD&D 第2版(1989-1999)[編集]

AD&D 第2版でディスプレイサー・ビーストは『モンスタラス・コンペディウム1』(1989)に登場し、『モンスタラス・マニュアル』(1993、未訳)に再掲載された。

D&D 第3版(2000-2002)[編集]

D&D第3版では『モンスターマニュアル』に登場している。

D&D 第3.5版(2003-2007)[編集]

D&D第3.5版でも改訂された『モンスターマニュアル』に登場している。
この版では、より強力な「ディスプレイサー・ビーストの群れの長」も登場している。

D&D 第4版(2008-)[編集]

第4版でもディスプレイサー・ビーストは『モンスター・マニュアル』(2008)に登場している。

肉体的特徴[編集]

ディスプレイサー・ビーストの体長約9フィート(約2.7m)、体重は約500ポンド(230kg)。変異体が生まれやすく、群れの長となる個体は体長約20フィート(約6m)にまで成育する。
黒豹のような外見と6本の脚、肩から生える2本の吸盤がついた触手という設定はオリジナル版から変更がない。

所くらましの能力[編集]

ディスプレイサー・ビーストは前述の通り、見る者に実際いる場所とは違う位置にいるように錯覚させる能力がある。
D&D第1版『エキスパートセット』ではディスプレイサー・ビーストの皮膚が光を屈折させるためとあり、[2]第3.5版『モンスターマニュアル』では光を屈折させる魔力が周囲で発生しているとある。[3]

生態[編集]

ディスプレイサー・ビーストはD&D第1版ではニュートラル、第4版でも“無属性”だが、第3版および第3.5版では“秩序にして悪”である。性質は凶暴にして凶悪。他のすべての生物に見境なく襲いかかる肉食獣である。中でもブリンクドッグを憎んでおり、見つけたら優先的に攻撃してくる。
第4版『モンスター・マニュアル』ではフェイワイルド起源の生物だが、地上世界でも鬱蒼とした森林地帯や洞窟の中に生息している。
ディスプレイサー・ビーストの皮革は有用な魔法的触媒となり、魔術師や錬金術師はこぞってこれを求める。『エキスパートセット』にはこの魔獣の能力に似た力を出す“ディスプレイサー・クローク”がマジックアイテムとして紹介され、[2]「アイテムの種類+魔法の効果」を組み合わせる形式になった第4版でも装備品ガイド、『冒険者の宝物庫』で同等の効果が得られる鎧用の魔法の効果として“ディスプレイス・アーマー”が掲載されている。[4]盗賊たちはディスプレイサー・ビーストの目玉を探知から護る幸運のお守りとして身につける[5]

D&D世界でのディスプレイサー・ビースト[編集]

エベロンでのディスプレイサー・ビースト[編集]

エベロンの世界で諜報活動を生業としているエルフのチュラーニ氏族はディスプレイサー・ビーストを紋章獣としている。

コンピュータゲームでのディスプレイサー・ビースト[編集]

D&Dを元にしたアーケードゲーム、『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』の第7ステージ、「魔獣が住む森」にディスプレイサー・ビーストがボスキャラとして登場する。表記は“D.Beast”と省略されている。ゲーム中では並んだ2体のディスプレイサー・ビーストが同じルーチンで動くことで所くらましの能力が再現されている。
ディスプレイサー・ビーストを倒すと、ディスプレイサー・クローク(ゲーム中では弓矢や投石などの飛び道具を無効化する)と交換できる“Dビーストの皮”や、インビジブル(透明になる魔法)の呪文効果中に最大2回まで効果を持続したまま攻撃ができる消費アイテム、“Dビーストの眼”が手に入る。

元ネタ[編集]

ディスプレイサー・ビーストはA・E・ヴァン・ヴォークトの古典SF小説『宇宙船ビーグル号の冒険』第1話、「黒い破壊者」に登場する猫型生物、クァールに影響されたとある。[6]

認可[編集]

ディスプレイサー・ビーストはウィザーズ・オブ・ザ・コースト社が提唱するオープンゲームライセンスの“製品の独自性(Product Identity)”によって保護されており、オープンソースとして使用できない。[7]

脚注[編集]

  1. ^ マイク・ミアルズ、スティーヴン・シューバート、ジェームズ・ワイアット 『ダンジョンズ&ドラゴンズ第4版基本ルールブック モンスターマニュアル』 ホビージャパン (2009) ISBN 978-4-7986-0144-1
  2. ^ a b c フランク・メンツァー 『ダンジョンズ&ドラゴンズ エキスパートセット』 新和 (1986)
  3. ^ スキップ・ウィリアムズ 『ダンジョンズ&ドラゴンズ基本ルールブック3 モンスターマニュアル第3.5版』ホビージャパン、ISBN 4-89425-378-X
  4. ^ ローガン・ボナー、イータン・バーンスタイン、クリス・シムス 『冒険者の宝物庫』 ホビージャパン (2009) ISBN 978-4-89425-841-9
  5. ^ TRPG版での記述は不明だが、アーケードゲーム『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドーオーバーミスタラ』で、「Dビーストの眼」というアイテムを持って第7ステージ終了後の道具屋店主に話しかけると、「Dビーストの眼は探知のお守りとして有効」というメッセージが出る。
  6. ^ DRAGON Monster Ecologies. Paizo Publishing. 2007.
  7. ^ Frequently Asked Questions”. D20srd.org. 2007年2月23日閲覧。

外部リンク[編集]