ジグソウ

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ジグソウまたはジグソウ・キラー(Jigsaw Killer)は、映画『ソウ』シリーズに登場する架空の人物。連続猟奇殺人犯。

シリーズを経て人物が代わるが(人数も変わる)、このページではジョン・クレイマーを軸に記述する。俳優はトビン・ベル、日本語吹替えは石田太郎


注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。


目次

[編集] 概要

ゲーム」と称した儀式を行う殺人鬼。人間心理を巧妙に読み取る術に長けており、二重三重にも計算されたトラップを用意し、これまで何十人規模で犠牲者が出ている(おそらく全て把握されてはいない)。ただし、必ず生き残れる手段が作られており、殺人そのものが目的では無い(詳しくは殺人方法・嗜好を参照)。

初期はジョン・クレイマーによる単独犯で、主にジグソウと言えば彼を指す。2作目以降は弟子などと共に複数犯となり、彼の死後は弟子が名を継いで犯行に及んでいる(登場はしないが、実際には1作目の時点で弟子が存在している)。

「ジグソウ」の意味は直訳で糸鋸のことであるが、死体に付ける印からジグソーパズルのことと考えられる。そもそも「ジグソウ」または「ジグソウ・キラー」という名前は、メディアが付けた名前で、ジョン自らが名乗った名ではない。

[編集] 経歴

機械工学建築学などに精通した男で、大規模住宅地の開発にも関わり、新聞や雑誌にも名が出るような実業家だった。薬物中毒者の更生クリニックを経営する妻ジルとともに順風満帆な人生を送っていた。

物事を論理的に見る性格で、医学文学などの知識を会得しジルとの性交妊娠臨月までをすべて計算しつくしていた。ところがある日、妻の患者だった男セシル・アダムズが強盗目的で病院に押し入り、その時、妊娠していた彼女の腹に衝撃を加えたため、流産してしまう。待望した子供だったためショックは大きく、また、ここで更生しなかった犯人を見て「自分を助けるのは他人ではなく自分」と考えるようになる。さらに、完治不能の脳腫瘍を患っていることが判明し、余命宣告され絶望に陥る。その帰り道、自殺しようと車ごと崖から転落するが奇跡的に生き延び、それによって人の生死について一つの見解を得て、また自分が生き延びたのは「自己を省みない人間に生きる意味を見出させるため」と考える。

計画にジルを巻き込まないために一方的に離婚を行い、ジグソウとしてジルを流産させたセシルを被験者として最初の「ゲーム」を行い、以後、正体不明の連続猟奇殺人鬼として新聞などで扱われるようになる。(『ソウ4』)

タップ刑事に逮捕寸前まで追われる中、自分に余命宣告した医者ローレンス・ゴードンと情報をさぐらせていた男アダム・フォークナーをゲームにかける。(『ソウ』)

刑事エリック・マシューズによって逮捕され尋問を受けるが、エリックの息子がゲームに参加している映像を見せて動揺を誘い、アマンダの協力によってエリックを罠にかけて逃亡した。(『ソウ2』)

脳腫瘍の悪化により余命数日の身となったが、アマンダの協力によってゲームを続行した。並行して医者リン・デンロンを拉致し脅迫する形で脳腫瘍の手術を行わせ、アマンダには内面を試すためのゲームを行った。手術は成功したがアマンダはゲーム失敗により命を落とし、ゲームの生還者ジェフ・レインハートによる最後のゲームに自身の命をかけ、ジェフのゲーム失敗により死亡した。(『ソウ3』)

以後、ホフマンが後を継ぐ。(『ソウ4』以降)

余命行く場もない身から、表面上は死後、アマンダかホフマンに後を継がせる様に見えたが、裏では二人の人間性に早くから不信感を持ち、いくつかの措置をとっていたが、その一つに、二人には秘密で救出した、ローレンス・ゴードン医師に二人の監視と、ジルの保護を要請する。後述の通り、真の生還者であり、献身的かつ最高の協力者であるゴードンに対しては絶大な信頼を寄せており、他二人と違い、何一つ隠し事をしていない。ゴードン自身は後継者になるつもりなはく、(というよりはなれない、これは自身の問題ではなく、他の二人の末路を見てきた上で、ジョンの歩んだ道はあまりに過酷で誰一人真似出来ないだろう…と結論している。)あくまで助言や監視といった、ジョンの影に徹し続けた。

3作目以降登場する食肉工場、通称「ギデオン・ビル」は、ジョンの最初の物件である。また、ジョンは生まれてくる予定だった息子にこのギデオンという名をつけようと考えていた。

[編集] 殺人方法・嗜好

[編集] ゲーム

被害者に「ゲーム」と称する様々な生死を賭けた殺人儀式を課し、これを成功するかどうかを見届ける。本人は、その目的より「更生のためのテスト」とも称し、対象者を「被験者」と呼ぶ。

まず、被害者の生い立ち、性格を十分に調査した後に麻酔などで眠らせて誘拐し、ゲームの装置に取り付けて自分は観察できる間近な位置で待つ。被害者が目を覚ますと、予め録画か録音したものをテレビかポケットレコーダーによって再生され、自分が置かれた状況、自分が何であるか、そしてゲームの説明がなされる。説明の終了か被害者のアクションが引き金となって時計が作動し、時間制限以内にゲームを攻略しなければトラップが発動し、死ぬかそれに近い状態になる。ゲーム終了後、失敗していれば、被害者の生死に関わらず外界と完全に隔離して立ち去り、生きていても警察が発見する頃には死亡、または発見自体されない。成功した場合は、録画録音で讃える場合があるが、基本的にはそのまま立ち去り、被害者は警察に保護される形になる。

ゲームの内容は被害者の性格や経歴によって相応の物が用意され、主には拷問装置のような機械仕掛けの装置に固定された状態で始まり、制限時間を超えると装置の作動によって身体を激しく損壊させられて死亡する。また、制限時間内であっても、大抵は初期状態で身体に重傷を負っていたり、ゲームクリアのために身体を犠牲にする必要があり(硫酸の中の鍵を素手で拾う、目をメスで切り開いて鍵を手に入れるなど)結局、成功しても命は助かるが悲惨な状態になる。結果的に被害者は身体を犠牲にすることを躊躇し、制限時間間際で中途半端に身体を傷つけるが、間に合わず死亡するという最悪のパターンが多い。上記以外のケースとしては、(ある程度自由は利くが)どこかに隔離された状態、大切な人物の命が懸かっている、表向きは対象者の命は問題無いが他人の命を自分の判断で決めさせる(SAW3以降(SAW5を除く)のメインゲームはこの形)、もしくはそれらの複合などが挙げられる。被験者が命を判断する他人は、特に巻き込まれた理由が描写されないことや、どんな道を被験者が選んでも命が助からない場合もある。(但し、発想次第では(一見助からなかったように思えても)実際は助けることが可能だった場合も存在はする)いずれにせよ後述するゲームの目的より、成功するには、強力な生き延びる意志を示すことや、最初に指摘された業を治すことができるかどうかが鍵となる。

また、ゲームを拒否しようとしても、最終的に従わざるを得ないよう巧妙に計算し尽くされており、最終的にジグソウのルールに従ってゲームを行わざるを得ない。

ゲームに敗れ命を落とした被害者は、ジグソーパズルのピースの形に皮膚の一部を切り取られる。本人曰く、これは人間として必要な要素(ピース)である「生存本能の欠如」の象徴だとしているが、一部の被験者を除き特に描写されていない。

また、ゲームでなくとも、自身を守るために幾重もの罠を仕掛けており、これの餌食になる者(主に警察)もいる。

[編集] ゲームの目的

ゲームの目的は、被験者に生きる意味を見出させること、あるいはジグソウの指摘する自身の業を治すことであり、殺人が目的ではない。そのため、個人的動機はなく、快楽殺人といった嗜好もない。ゆえに選ばれる被害者は、命を大切にしない者や犯罪に手を染める者、あるいは裁かれることは無いが社会的・倫理的に悪である者(異性間の問題等)が多い。そのため、たとえゲームに成功したように見えても、最初に指摘した業が無くなっていなければ、悲惨な末路を辿るように仕向けられている。逆に生きる意味を見出せば、アマンダのように接触し、後継者となることもある。また、このような手段でそれを行うのは「自分を助けることができるのは自分」という持論を持っているからである。

作中で殺人鬼と指摘されたりすることもあるが、ジグソウ本人は、明らかに死人が出るように追いやるゲームをやっていても、死を招いたのは被害者の選択や行動の結果であり、自分が殺したわけではないと考えており、はっきりと「自分は人を殺してない」と述べているし、事実直接被験者を手にかけたことはない。これは彼の決め台詞でもある「Make your choice(選択は君次第だ)」からも判ることで、「(生死を)選ぶのは自分」であることはこのSAWシリーズの中で一貫して重要テーマの1つに掲げられている。ゆえに、 登場人物の中には、ジグソウの行為を殺人、ジグソウ本人のことを殺人犯と呼ぶことには異論を唱える者もいる。

[編集] ビリー

本人は被害者の前に直接姿を現さない代わりに、不気味な腹話術人形のビリーをシンボルとして、ゲームの説明などを行わせる(基本スタンスであり、ビリーではなくテープの音声のみによる説明、どちらも用いず一切のルール説明がない場合もある)。元々ビリーは生まれてくる息子のギデオンに渡すための小柄なぬいぐるみであったが、ジグソウとなった後はそのぬいぐるみを元にジョン自らの手でビリー人形が作り出された。人形はこれまでアダムによってバットで壊されたり、頭部が爆発したりしているが、次のゲームとなると再び作り直されて登場する。

[編集] 逆トラバサミ(ヘッドギア・トラップ)

ジグソウが作り上げた拷問装置の1つ。トラバサミの逆の原理を利用して顎を引き裂くヘッドギア・トラップ。2でアメリカンフットボールヘルメットをヒントに考案された事が設計図で確認できる。他の装置よりも登場回数が多く、劇中で何度も登場し、実際に『ソウ』でアマンダ、『ソウ6』でホフマン、『ソウ・ザ・ファイナル』でジルと、自分と深い関わりを持つ者に使用された。だが皮肉にも逆トラバサミの最初で最後の犠牲者になったのは最愛の妻ジルだった。 ちなみにこのトラップは映画シリーズの原点となるジェームズ・ワン短編作品から既に登場しており、最初に装着したのは映画でアダム役を演じ脚本を担当したリー・ワネル

[編集] 後継者

ジョンは余命いくばくも無いため、死後もジグソウの意思を継ぎ、ゲームを行う後継者を探していた。劇中はっきり確認出来て6名登場している。

[編集] アマンダ・ヤング

「ゲーム」から生還した被害者だったが、その時のショックで自暴自棄になっているところを、ジョンが直接接触をはかり、そのままジグソウの思想に感化され弟子として彼を補佐する。(『ソウ』、『ソウ2』)

ジョンを師匠として非常に慕っていたが、ジグソウの理念である「生きる意味を見出させる」を単なる殺人嗜好と曲解しており、成功しても死亡する「ゲーム」を行っていた。それに気付いたジョンによって密かにゲーム(テスト)に掛けられ、目的の達成に失敗し命を落とす。(『ソウ3』)

「ソウ6」では彼氏であるセシルに強盗を指示しジョンの妻ジルの流産に関わっていた事が明かされた。

演じるのはショウニー・スミス。日本語吹替えは藤貴子(ソウ、ソウ2)。幸田夏穂(ソウ3以降)。

[編集] マーク・ホフマン

ジグソウによる事件の担当刑事。登場は『ソウ3』からだが、『ソウ』の時点からジグソウの後継者(共犯者)として一連の事件に関わっていたことが後に明かされる。刑事という立場を利用した情報提供、被験者の誘拐、装置の調整を行っていた。

かつて妹を殺したセス・バクスターへ復讐するため、当時既に世間を騒がしていたジグソウの殺人手口を模倣したゲームをセスに仕掛けて殺害する。その後ジグソウ本人であるジョンに「劣悪な模倣である」と怒りを買われ拉致され、そこで「殺人と更生の違い」を探求してみるか選択を強いられる。これに同意し、ジョンの後継者として暗躍する(『ソウ5』)。ジョンの死後、彼の遺志を後継しジグソウによるゲームを続けているかに思えたが、ホフマンは冷酷かつ偏執的な性分を秘めていたために、自身を追い詰める捜査官たちを殺害していく。

アマンダに対し「リン・デンロン医師を殺さなければジルの流産に関わっていた事をジョンに伝える」と脅迫することでアマンダを死に追いやり(ゲームをしくじらせる)、以後ゲームの単独支配を目論む。ホフマンの行動を読み通していたジョンの遺言のもとジルに新型のヘッドギア・トラップを仕掛けられるが、自ら片手を潰すことで顔面を負傷しながら生還する。「ソウ6」

ジルに対する復讐の為にゲームを実行し警察署を襲撃する。刑事達を殺害し、ジルに自らが仕掛けられたヘッドギア・トラップを仕掛け殺害する。全ての証拠を隠滅し、逃亡を図ろうとしたところをローレンス・ゴードン医師と豚のマスクを装着した2人によって拉致され一作目のバスルームに足枷を嵌められ、脱出に必要な糸鋸もゴードンに奪われた状態で監禁された。「ソウ ザ・ファイナル3D」

ホフマンの名は「ソウ3」製作前に亡くなった製作者であるグレッグ・ホフマンを哀悼する意味で名付けられマークは制作のマーク・バーグから付けられた。

なお、劇中でホフマンが武器としてナイフを多様するのは、演じたコスタスがケリー刑事役のディナ・メイヤーと共にスパイ役で主演した映画「サブマリン・アタック」のブリジット・バーコ演じる敵役シモーネ・シャリアが武器としてナイフを使用するためである。ちなみに、ホフマンとシモーネが使用するナイフの型は同じで「ソウ6」には「シモーネ」という人物も登場する。

演じるのはコスタス・マンディロア。日本語吹替えは仲野裕

[編集] ジル・タック

ジョンの元妻でありアマンダの主治医。登場は『ソウ3』から。ジョンと共に順風満帆な生活を送っていたがセシル・アダムスによって流産し、生活が一変する。

一連のジグソウ事件はジョンによるものだと当初から気づきながら黙認していた。ジョンの死後、「ソウ5」にて、遺言に従ってマーク・ホフマンに対してゲームの仕上げを行う。ジルはあくまでホフマンの暴走を止めることをジョンに任されていただけなので、ゲームを仕掛けたのはこの一回のみ。 しかし、「ソウ6」にてゲームを無理やり突破したホフマンに逆上され、警察の保護に置かれていたところをホフマンの罠によって捕まり、かつてアマンダが装着した旧型のヘッドギア・トラップによって頭部が破裂、無残に死亡する。

演じるのはベッツィ・ラッセル。日本語吹替えは土井美加

[編集] ローレンス・ゴードン

ソウ (映画)」にてアダムと共にバスルームに監禁されていた外科医師。足枷から逃れるために右足首を糸鋸で切断し、這いながら脱出を試みるが苦痛と出血多量により絶命寸前、全てを見ていたジョンに「君は生還した」として助けられ義足を装着される。ゲームを行う以前は家族を蔑にし、医師を仕事と割り切り、患者に対しても仕事として表面的に接してきたが、ゲームを通じて命の重みとゲームの真意に理解した事で更生する。ジョンに対しては自らの再生の恩人として、ジョンからは元妻ジル以外、唯一信頼できる人間として、望んで協力者となる。この接触は終始秘密であり、他の協力者であるアマンダとホフマンはゴードンがゲームの被験者である事は知っていたが、協力者であることは気付けなかった。それはシリーズの時系列の第2作冒頭から始まり、ゲームに必要な医学知識の助言や医療技術を担当する傍ら、アマンダとホフマンを密かに監視、時には脅迫めいた警告文を送りつけていた。

「ソウ6」にてジョンの遺言を受け取り、何らかの忠告を受ける。最終作「ソウ ザ ファイナル3D」ではかねてから懸念していたホフマンの内に潜む狂気と欲望が、警察署襲撃、無差別殺人、そしてジル殺害で現実化したと確信する。復讐を終え油断していたホフマンを同士2名と共に逆に襲撃、拉致監禁し、自身の再生の場所であるバスルームに足かせでつなぎ止め、糸鋸等の生還の手段も一切絶たせて、閉じ込めて立ち去る。劇中で最後に「Game over(ゲームオーバー)」を言った人物である。 なお、「ジグソウ生還者の会」の古株でもあり、自称「ゲームの生還者」、そして「ソウ ザ・ファイナル3D」では被験者でもあるボビーには疑惑の目を向けていた様子。

演じるのはケイリー・エルウィス。日本語吹き替えは大塚芳忠


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