シー・ドラゴン (ロケット)

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Comparaison Saturn V/Sea Dragon.
シー・ドラゴンの内部と外部の図 両方とも1段目のノズルにバラストタンクが付けられているのが示される。アポロ司令・機械船のような宇宙船が先端に搭載される
同様の縮尺のサターン V。2段目はシードラゴンの1段目のエンジンとノズルの内部にサターンVの2段目が収まる。

シー・ドラゴン1962年に調査された再使用型の2段式ロケットである。この計画はエアロジェット社に勤務していたRobert Truaxが主導して彼が考案した数ある設計の一つで海洋上の浮上構造物上から打ち上げるものであった。NASAトッド・パシフィック造船所の数名が興味を示したが、NASAの次期計画には採択されずに1960年代半ばには下火になった。全長150m、直径23mのシードラゴンは史上最大のロケットになる予定だった。

Truaxによる基本的な概念は廉価に大規模なロケットを開発することで、現在でいうところの"ビッグ・ダム・ブースター"と呼ばれる概念だった。運用経費を下げる為にロケット自体は海上から打ち上げられるので支援システムが少なくて済む。大型のバラストタンクシステムを1段目のラバール・ノズルの底部に付随させることによりロケットを垂直に打ち上げる為の"ホイスト"として使用する。貨物はちょうど喫水線上となる2段目の上に設置することによってアクセスが容易になる。Truaxは既に基本的なシステムの実験をSea Bee[1][2]とシーホースロケット[3][4]で行っていた。 彼はロケット自体の費用を低減する為に8mmの板等、高価ではない材料を取り入れた。ロケットは海岸の造船所で建造され、打ち上げ海域まで曳航される予定だった。

1段目は推力80,000,000 pounds-force (360 MN)のRP-1液体酸素を推進剤とする単一のエンジンだった。燃料は外部から供給される窒素ガスによる圧送式サイクルで供給されるようになっており、それぞれRP-1は32 atm、液体酸素は17 atmでエンジン離床時の総圧力は20 atm (~300 psi)に加圧される予定だった。打ち上げてから81秒後には圧力が抜けて燃焼が止まる。その時点で高度25 miles、距離20 miles40 km x 33 km)、速度は4,000 mph (1.8 km/s)に到達する。通常のミッションでは1段目を分離して180 miles (290 km)の海域に高速で着水する。計画では回収する予定だった。

2段目も同様に超大型の単一のエンジンを備えており、この場合推力6000,000kgfで液体水素と液体酸素を燃焼する予定だった。同様に圧送式だったが、この場合はシステムの駆動の為には連続して7  atmの低圧で推進剤を供給し、260秒間燃焼する予定でその時点で高度230 km、距離940 kmに達する。性能を向上する為にエンジンのノズルは伸展する構造になっており、上昇するにつれて膨張比は7:1から27:1に変えられるようになっていた。ロケットの全高は1段目の先端の中に2段目のエンジンノズルを入れることによっていくらか短縮された。

典型的な打ち上げ手順は整備と貨物とバラストタンクが結合される事から始まる。RP-1と窒素も同様にこの時点で積載する。ロケットは打ち上げ海域まで曳航され、そこで現地で電気分解によって調達された液体酸素と液体水素を注入する。;Truaxはこの段階において電力を供給する為に原子力空母を使用することを提案している。バラストタンクに水が満たされ1段目のエンジンノズルを保護する為に栓が付けられロケットは垂直に立つ。直前にチェックして、その後問題がなければロケットは打ち上げられる。

ロケットは550トンを低軌道へ投入する能力を有する。ペイロードの費用は現在の費用よりも大幅に安いkgあたり$59から$600である。TRWは計画の見直しとの評価と設計の検証と費用の見積もりを行い、NASAを驚かせた。しかしながら予算削減の圧力により将来の計画は縮小され、火星有人飛行の為の超重量物打ち上げロケットの作業も終焉を迎えた。

脚注と出典[編集]

  1. ^ Sea Bee
  2. ^ Sea Beeは海上発射の概念原理を証明する為の計画だった。剰余のエアロビーロケットを改造して水中で点火された。ロケットは拘束された状態で正常に作動した。後に燃焼試験を繰り返した場合のコストは新品の約7%であるとされた。
  3. ^ Sea Horse
  4. ^ シーホースロケットはより大きな規模で複雑な誘導装置を備えた海上発射を実証した。サンフランシスコ湾の艀で9,000 kgfの加圧により硝酸/アニリンの推進剤を供給するコーポラルミサイルの試験が行われた。最初の試験は水面下数mで点火され、その後沈められかなりの深度に達するまで連続して燃焼した。水中での燃焼には問題がなく、騒音が減衰した。

外部リンク[編集]