アンフィカー

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アンフィカー

アンフィカー 770型Amphicar770)は1961年から1968年まで西ドイツ(当時)のカールスルーエで製造された2ドア4~5人乗りオープンボディのレジャー用水陸両用車。陸上はリアエンジンリアドライブ方式、水上はスクリューを駆動。

概要[編集]

大量生産され市販された数少ない水陸両用自動車の1つである。それまでに幾つかの水陸両用車を作ったハンス・トリッペルが設計し、クヴァント・グループ傘下のIWK(Industoriewerke Karlsruhe)が製作した。車名は、水陸両用を意味する「アンフィビアス 」(amphibious)と自動車を意味する「car」を組み合わせたもの。そのボディ形状は軽量な2ドア4~5人乗りコンバーチブル車である。運転性能も信頼性も高くはないが、シュビムワーゲン程専用の形ではなく一見では普通以上にシンプルな小型車の形状をしているため、水上走行中のその非日常さは、車に乗っている人だけでなく見ている側にも感動を覚えさせてくれる貴重な車である。

仕様[編集]

動力はリアに積まれたイギリストライアンフ・ヘラルド製1、147cc4気筒エンジン。トライアンフSlant-4に使用されていたもので、初期のサーブ・99でも使われたことがある。43馬力/4750rpmを出力。最高7ノットで水上を巡航、陸上では最高113km/h(70mph)で走行できこれが"770"の由来となっている。ボディスタイルはコンバーチブルのみ。市販モデルではビーチホワイト、レガッタホワイト、ラグーンブルー、フィヨルドグリーン(アクア)の四色が提供された。水中ではプラスチック製プロペラスクリューで推進。水陸両用のための2パートで構成されたトランスミッションはヘルメス(Hermes)製。「ランド・トランスミッション」は4速+リバースでフォルクスワーゲン・タイプ1で使われていたもの。「ウォーター・トランスミッション」は2速で前進と後退が一つのギアでまかなわれている。

運転性能[編集]

信頼性は期待できない。ボディ表面が錆びやすい上、エンジンの防水に欠陥があり水上走行中にエンジンが止まってしまうことがよくあり、この場合オールで漕ぐことになる。「水上でなんとかやっと走れる程度で陸上では面白みにかける」と言われた。バスタブのような形であったこともその一因とされる。

生産と販売[編集]

生産は1961年にスタートした。1963年以降年間2万台という過剰な販売見込みをおこない、余剰の部品在庫を抱え、また米国1968年より施行された環境局、運輸省の規制に該当してしまい、同年生産を終了した。生産台数は3,878台で、うち3,046台が米国に輸出された。日本ではヤナセ系のウエスタン自動車が輸入し、5台を販売したという。

年によって異なるが、当時のシボレーやフォードの大衆車と同程度の価格である2,800~3,300ドルで販売された。後期モデルは価格を大幅に下げて販売された。在庫処分のためと言われている。

在庫の部品をカリフォルニア、サンタフェ・スプリングスのヒュー・ゴードンが購入、ヒュー・ゴードン・インポートとして現在もアンフィカー・オーナーへのパーツ販売をおこなっている。

ユーザーグループ[編集]

年に一回、米国独立記念日の7月4日の週に、アンフィカーのオーナーがオハイオの西部に位置するセント・メリー湖に集まり「スイム=イン(Swim-ins)」とよぶフェスティバルをおこなっている。アンフィカーが長い列をなして道路から湖に入っていくさまは一見の価値がある。

現在の市場[編集]

2006年オークションで115,000ドル+バイヤープレミアム8%として取引された例がある。

関連項目[編集]

リンク[編集]