アミメブダイ

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アミメブダイ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : ベラ亜目 Labroidei
: ブダイ科 Scaridae
: アオブダイ属 Scarus
: アミメブダイ S. frenatus
学名
Scarus frenatus
Lacépède, 1802
英名
bridled parrotfish
vermiculate parrotfish
sixbanded parrotfish

アミメブダイ (学名:Scarus frenatus)は、スズキ目ブダイ科海水魚インド洋太平洋熱帯海域に分布する。

形態[編集]

体長は最大47cm[2]。体はやや側偏した楕円形。背鰭は9棘10軟条から、臀鰭は3棘9軟条から成る[2]

雄の体色は緑色または青色で、尾鰭に紫色の模様がある。頭部に桃色の縞をもち、背鰭基部は緑色[3]。各鰭は濃い青色。頭部と体後部、尾鰭前部と後部は黄緑色または水色。雌の体色は黄色または赤色で、尾鰭後部と各鰭は赤色。尾柄から尾鰭中央部にかけて白色。雄の体には虫食い模様が、雌の体には黒色の縦縞がある[3]

幼魚は体長3cmまでは黄緑色の体色で、黄色い縦縞が入る。体長が4cmを超えると体前方は赤褐色、後方は白色となり、暗色の縦縞が入る[3]

分布・生態[編集]

紅海からライン諸島デュシー島までのインド太平洋に分布し、北は南日本、南は西オーストラリア州シャーク湾ロード・ハウ島フランス領ポリネシアラパ島まで見られる。ハワイ諸島イースター島では記録されていない[2]日本では小笠原諸島沖ノ鳥島高知県柏島屋久島琉球諸島南大東島での記録がある[3]幼魚八丈島相模湾でも確認されている。

水深25m以浅の浅いサンゴ礁岩礁に生息し、単独で生活する[3]。幼魚は岩の隙間やラグーンで見られる。岩やサンゴに付着した藻類を捕食する[2]。産卵は雌雄一対で行われる[2]

人間との関係[編集]

沖縄県では刺し網定置網スピアフィッシングなどで捕獲され、食用となっている[4]

脚注[編集]

  1. ^ Russell, B.; Choat, J.H.; Clements, K.D.; Rocha, L.A.; Myers, R.; Lazuardi, M.E.; Muljadi, A.; Pardede, S. et al. (2012). Scarus frenatus. IUCN Red List of Threatened Species 2012: e.T190755A17776719. doi:10.2305/IUCN.UK.2012.RLTS.T190755A17776719.en. https://www.iucnredlist.org/species/190755/17776719 2024年1月21日閲覧。. 
  2. ^ a b c d e Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Scarus frenatus" in FishBase. January 2024 version.
  3. ^ a b c d e 加藤(2016).
  4. ^ ぼうずコンニャクの市場魚介類図鑑 アミメブダイ”. ぼうずコンニャク. 2022年10月27日閲覧。

参考文献[編集]

  • 加藤昌一『ネイチャーウォッチングガイドブック ベラ&ブダイ ひと目で特徴がわかる図解付き』誠文堂新光社、2016年、284頁。ISBN 978-4-416-51647-8 

関連項目[編集]