震災遺構
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震災遺構(しんさいいこう)とは、震災が原因で倒壊した建物などであるが、次世代に向けて震災が起きたという記憶や教訓のために、取り壊さないで保存しておくというものである。
概要
[編集]2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災では、幾つかの倒壊した建物を震災遺構という形での保存を求める声があるが、それをするためには多額の費用がかかったり、震災の辛い記憶を思い出したくないと思う者も多いことから、保存の是非について検討が続けられていたり、震災遺構とならずに取り壊されてしまった建物は多い。
2013年(平成25年)11月15日、復興庁は、復興交付金により、保存にかかる初期費用、もしくは保存しない場合はその撤去費を支援することを発表。支援対象は市町村ごとに1カ所まで[1]。支援第1号として、宮古市に存在していた「たろう観光ホテル」が選ばれた[2]。2020年までに9件が整備された。維持管理費までは支援に含まれておらず、風化による寄付金の減少など長期維持が問題となっている[3]。これに続いて、数多くの建物が震災遺構として保存するべきとされ、そのための費用を国に求める運動が、各地で行われている。
主な震災遺構
[編集]- 日本
- 熊本地震 (2016年) - 阿蘇大橋(熊本県南阿蘇村)[4]ほか、点在する震災遺構58カ所を回廊型フィールドミュージアム「熊本地震 記憶の廻廊」とし、整備・保存
- 東日本大震災(2011年)
- 阪神・淡路大震災(1995年)
- 神戸港震災メモリアルパーク(神戸市) - 岸壁の一部
- 北淡震災記念公園(淡路市) - 「神戸の壁」
- 関東大震災(1923年)
- 新潟県中越地震(2004年) - 新潟県中越地震#メモリアル施設
- 岩手宮城内陸地震
- 濃尾地震
- 地震断層観察館・体験館 - 震災で現れた断層を保存
- 他
脚注
[編集]- ^ “震災遺構の保存費用、国が支援 市町村ごとに1カ所”. 日本経済新聞 (2013年11月15日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ Company, The Asahi Shimbun. “「震災遺構」保存費、国が支援へ 第1号は宮古のホテル”. 朝日新聞デジタル. 2021年3月15日閲覧。
- ^ “震災遺構、長期維持に費用の課題 風化とコロナで来場減(写真=共同)”. 日本経済新聞 (2021年3月8日). 2021年3月15日閲覧。
- ^ “震災遺構「阿蘇大橋」保存へ 熊本県「地震のすさまじさ後世に」”. 西日本新聞ニュース. 2021年4月7日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 知恵蔵mini『震災遺構』 - コトバンク
- 震災遺構の保存に対する支援について
- 震災の記憶を残す 震災遺構のデジタル保存 (全5分) 2013年 サイエンスチャンネル