陳明文

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陳明文

陳 明文(ちん めいぶん、1955年5月13日 - )は、台湾政治家立法委員、元嘉義県長。現在は民主進歩党中央執行委員。党内では「蔡英文連線」に属する。元国民大会代表の陳明仁は兄[1]、立法委員の陳冠廷中国語版は息子[2]

人物[編集]

嘉義県朴子市生まれ。

嘉義農業専科学校食品加工科(現在の国立嘉義大学)を卒業後の23歳の時に嘉義県議会議員となり、27歳で台湾の自治の歴史において最も若い県議長に任命された。台湾省議会議員として勤務した際に、東海大学哲学系を卒業した[3]

中国国民党所属の第4代立法委員、省議会国民党党団書記長、中国国民党中央委員を経て[4]、2001年に民進党の候補として嘉義県長に就任し、2008年に退任した。退任時の支持率は60%以上と非常に高く、現在でも根強い人気を誇っている。その後は民主進歩党において重要な役割を担っており、5都議員(5都とは、高雄市台南市台中市新北市台北市を意味する)や都議員の候補者を推薦することとなった。2010年2月27日に行われる立法委員選挙で再選された以降は4回連続当選[3]、民主進歩党の新星として絶大な支持を得ている。また、蘇貞昌と蔡英文など、台湾の政界の重鎮との交友関係が深い。

2016年5月に沖ノ鳥島近海で台湾漁船が日本の海上保安庁拿捕され、日本側に担保金が支払われたときには、弱腰であるとして馬英九政権を批判している。一方で本件については「事態のエスカレートは避けなければならない」として、慎重な姿勢も見せている[5]

2019年、台湾高速鉄道の車内に現金300万台湾元(約1,000万円)入りのスーツケースを置き忘れた。現金の使途は息子の事業のためのものであったとしている[6]

2023年に翌年の第11回立法委員選挙への不出馬を表明し、息子の陳冠廷が代わりに出馬し当選した。なお、陳冠廷の妻は日本人である[2][7]

脚注[編集]


  1. ^ 獨家/陳明仁驚爆:當年選舉替陳明文「把錢撒出去」” (中国語). 《菱傳媒》RWNews (2022年4月2日). 2022年9月2日閲覧。
  2. ^ a b 陳明文交棒兒子 昔對手林國慶表示再戰要想想”. 中時電子報 (2023年3月20日). 2024年3月3日閲覧。
  3. ^ a b 陳明文委員”. 立法院. 2020年8月15日閲覧。
  4. ^ 陳明文委員” (中国語). 立法院. 2022年9月2日閲覧。
  5. ^ <沖ノ鳥礁問題>馬政権の対応に国会から批判の声 「弱腰すぎる」/台湾 | 政治 | 中央社フォーカス台湾”. japan.cna.com.tw (2016年5月5日). 2020年8月15日閲覧。
  6. ^ 高鐵撿到現金300萬 失主竟是立委陳明文│TVBS新聞網” (中国語). TVBS (2019年9月3日). 2020年8月15日閲覧。
  7. ^ 低調政二代 陳冠廷順利接下明文薪火”. 中時電子報 (2024年1月14日). 2024年3月3日閲覧。