金属窃盗
金属窃盗(きんぞくせっとう)とは、金属の価値を目的として金属製の物品・設備・工作物などを盗むことである。金、銀などの貴金属にとどまらず、比較的警備のゆるい銅、アルミニウム、真鍮、青銅などの非鉄金属が最も狙われるようになっている。
金属窃盗は停電、鉄道の運行停止など、盗まれた金属の価値より遥かに大きな損害を与える場合が多く、社会に対する悪影響が極めて大きい。
動機[編集]
世界各国の急速な経済発展や工業化にともない、金属資源は急速に枯渇しつつあり、それにともない金属価格は上昇の一途をたどっている。
最近では新型コロナウイルスによる経済の影響や電気自動車の製造における需要の高まりが影響しているとみられる[2][3]。
それにより従来は価値の低かった卑金属も狙われるようになった。
対策[編集]
金属回収業者に売り手の身元確認を義務付ける[4]、よく盗まれる物品(水道の栓、マンホールの蓋、エアコンの室外機)等の買い取り拒否、電力会社は銅線にメッキをして特徴づけることで元の所有者を確認できるようにする[5]、などの対策が挙げられる。
日本においては経産省は関連団体に身元確認などを徹底するよう要請しているが[6]、金属回収は古物商の範疇になく、法的拘束力はない[7]。
ほか、銅線の代わりにアルミ線を使うなど、より安く非枯渇性の資源を用いるのも有用で、資源保全、低コスト化にもつながる[8]。
よく盗まれるもの[編集]
金属製のものはスクラップとしての価値があり、盗まれる可能性がある。警備が緩く屋外においてあるものが狙われやすい。
脚注[編集]
出典[編集]
- ^ “秩父鉄道車両基地 車輪76個なくなる 窃盗事件で捜査 埼玉”. 日本放送協会 (2024年3月5日). 2024年3月6日閲覧。
- ^ “世界で金属盗難拡大”. 日本経済新聞 (2021年10月25日). 2021年10月30日閲覧。
- ^ “それって“銅”なの?相次ぐ水道メーター窃盗 金属の価格高騰を受け警戒強める 名古屋市(中京テレビNEWS)”. Yahoo!ニュース. 2021年10月30日閲覧。
- ^ “金属盗難が全国で横行|防犯泥棒大百科”. www.hanzai.net. 2021年10月30日閲覧。
- ^ Kooi, Brandon R. (2010年4月). “Theft of Scrap Metal”. U.S. Department of Justice Office of Community Oriented Policing Services. 2016年10月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年9月29日閲覧。
- ^ “asahi.com:盗難金属の流通防止呼びかけ スクラップ業界に経産省 - 相次ぐ金属盗難”. www.asahi.com. 2021年10月30日閲覧。
- ^ “金属盗難が全国で横行|防犯泥棒大百科”. www.hanzai.net. 2021年10月30日閲覧。
- ^ “Protect Against Copper Theft With Aluminum Cables” (英語). CommScope. 2021年10月30日閲覧。
- ^ “日本 橋やトンネルの銘板2千枚以上盗難”. ロシアの声 (2014年7月6日). 2014年9月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月27日閲覧。
- ^ “銘板924枚、中国向けコンテナから押収 窃盗容疑”. 朝日新聞デジタル (2014年8月5日). 2014年9月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年11月27日閲覧。